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ループ、28

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「どうなのだ?」

 再度問われ、覚悟を決めたのか第2王子はコクリと頷いた。

「申し訳御座いません」

「王家の者は、無用に血脈を広めぬ為に婚姻前の性交渉は禁じられている。知らぬはずはないな」

 ん?じゃあ、ねやの勉強って本番なし?

「その時だけ、ちゃんと避妊道具を使って勉強するんだよ」

 なぜ詳しいのですか、母様。

「知っておかないと危ないでしょ?」

 心を読まないでください、母様。
 危ないって何ですか?

「申し訳・・・」

「心無い謝罪は聞き飽きた。お前はどれだけ王家に泥を塗るつもりだ」

「・・・」

 とうとう第2王子は項垂うなだれてしまった。

「執事長、影はどうした?」

「こちらで御座います」

 拘束された黒尽くめの男が強制的に国王の前で膝をつかされた。

「申し訳御座いません」

「お前もそれか・・・。謝罪の言葉を述べれば赦されるとでも思っているのか?」

「も・・・」

「もうよい‼︎説明をせよ‼︎お前はカルヴァイスが男爵家の子息と事に及んだのを知っていたのか?」

「黙っているように・・・と」

 深い深い溜息が漏れる。国王、ちょっと気疲れ過ぎて老けてる。

「叔父上もしている事ではないですか‼︎何故俺だけ責められなければならないのです⁉︎」

「・・・オズワルドが、何だと?」

「叔父上も俺と同じ事をなさっています。数多くの子息と関係があると自慢していました」

「自慢・・・」

 最早、何も言えない。
 王弟がもしかなり前からそういった事をしていたなら、王族の血脈が大安売りされている可能性がある。

「執事長・・・」

「お呼びして参ります」

 もう・・・疲れ過ぎて声が出ていない国王。
 隣にいる第1王子も気の毒そうに父親を見ていた。

「カルヴァイス」

「はい」

「掟も守れない者を王族と呼べん。王家・貴族が率先して規則を守って、初めて民もそれに習って守るのだ。それを・・・」

「愛する者を愛してはいけないのですか?」

「それ程までに男爵子息を愛していると?」

「はい。彼以外考えられません」

 そこまでの想いだったのか。
 前回までは、ユーリに操られてそういう関係だったのかと思ってた。

「なら、婚姻を許してやろう」

「本当ですか⁉︎」

「構わん。宰相、後で書類の作成を頼む」

「御意」

「有難う御座います‼︎」

「但し・・・」

 ユーリとの婚姻に夢を馳せている第2王子の言葉を国王の言葉で遮られる。

「お前は廃嫡だ。城から出ていくがいい」

「え・・・何故です。何故・・・父上・・・」

「お前は王族としての誇りより、あの男爵子息を選んだのだ。そのような者は私の息子ではない」

「そんな・・・」

 膝を着き、元第2王子は泣き崩れる。
 元第2王子が王族ではなくなったのでループは完全に回避出来たのだろうけど、こればかりは望んだ事ではないので気の毒に思える。

「何事です?兄上」

 重苦しい雰囲気の中、呼び出された王弟が気軽な感じで謁見の間に入ってきた。
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