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番外編
ループ、? ②
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自国の子息との見合いは何度か、した。
義務感半端なかったけど。
しかし、今回は国同士の見合い。
下手に断る事も出来ずにいた。
自分の執務机の上にあるのは渡された釣書。
昨日気付かなかったが、再度確認をする為に手に取った時『お会い出来るのを楽しみにしております』と書かれたカードが滑り落ちて来た。
少なくとも第2王子は嫌々見合いをするわけでは無いらしい。
「会わないと駄目だろうな」
「そうですね」
「はぁ」
何度目の溜息が出ると、扉から軽いノック音がした。
ランスロットが確認に行くと身重である義母リオンが立っていた。
「義母上?」
「申し訳ございません、王太子殿下。お忙しい所でしたでしょうか?」
「いえ・・・。いや、堅苦しい話し方は止めよう。義母上もな?」
「フフ。有難うリチャード殿下」
立ち上がってリオンをソファへとエスコートする。
あまり目立ってはいないが、リオンのお腹の中には父の子が居る。
自分の、二人目の弟。
一人目は・・・まぁ、廃嫡された。
「お話と言うのは?」
実は私から義母に頼んで来てもらったのだ。
両親の居室だと、もれなく父もいる。
二人で話がしたいと申し入れをコソッとしたら『こちらからお伺い致します』と良い返事を貰った。
「大変、聞きづらい事なんだけど・・・」
「ループの事ですか?」
ランスロットに、妊婦に良いとされている果実を使った果実水を入れてもらった義母が朗らかに聞いてくる。
嗚呼。やっと彼は思い出に出来たのだなと思える笑顔だ。
「そうだ。私に隣国との見合いが来た事は?」
「聞いています。先週、陛下から打診が来たと」
何故、本人より先に嫁に話すかな?
「で、だな。前の私には・・・婚約話はあっただろうか?」
「・・・話ではなく、既に婚約者がおられました」
「いつから?」
「幼少期にお話があり、学園に入られる頃にはもう・・・」
「相手は・・・」
誰だ?と問う前に義母が口を閉じた。
「お答え出来ません」
「何故?」
「隣国の王子殿下との事は、今の殿下がお決めになった方が良いと判断したからです。決して意地悪ではないですよ?」
確かに、優しい笑みでこちらを見ている義母。
その顔をしていると言うことは、いい結果になるのだろう。
「分かった。自分で確かめて判断するとしよう。有難う」
これ以上は、おそらく何も言わないだろう。
見合いの話はそこまでにして、少し世間話をした後、父に迎えに来られた義母は攫う様に抱き上げられて退出していった。
義務感半端なかったけど。
しかし、今回は国同士の見合い。
下手に断る事も出来ずにいた。
自分の執務机の上にあるのは渡された釣書。
昨日気付かなかったが、再度確認をする為に手に取った時『お会い出来るのを楽しみにしております』と書かれたカードが滑り落ちて来た。
少なくとも第2王子は嫌々見合いをするわけでは無いらしい。
「会わないと駄目だろうな」
「そうですね」
「はぁ」
何度目の溜息が出ると、扉から軽いノック音がした。
ランスロットが確認に行くと身重である義母リオンが立っていた。
「義母上?」
「申し訳ございません、王太子殿下。お忙しい所でしたでしょうか?」
「いえ・・・。いや、堅苦しい話し方は止めよう。義母上もな?」
「フフ。有難うリチャード殿下」
立ち上がってリオンをソファへとエスコートする。
あまり目立ってはいないが、リオンのお腹の中には父の子が居る。
自分の、二人目の弟。
一人目は・・・まぁ、廃嫡された。
「お話と言うのは?」
実は私から義母に頼んで来てもらったのだ。
両親の居室だと、もれなく父もいる。
二人で話がしたいと申し入れをコソッとしたら『こちらからお伺い致します』と良い返事を貰った。
「大変、聞きづらい事なんだけど・・・」
「ループの事ですか?」
ランスロットに、妊婦に良いとされている果実を使った果実水を入れてもらった義母が朗らかに聞いてくる。
嗚呼。やっと彼は思い出に出来たのだなと思える笑顔だ。
「そうだ。私に隣国との見合いが来た事は?」
「聞いています。先週、陛下から打診が来たと」
何故、本人より先に嫁に話すかな?
「で、だな。前の私には・・・婚約話はあっただろうか?」
「・・・話ではなく、既に婚約者がおられました」
「いつから?」
「幼少期にお話があり、学園に入られる頃にはもう・・・」
「相手は・・・」
誰だ?と問う前に義母が口を閉じた。
「お答え出来ません」
「何故?」
「隣国の王子殿下との事は、今の殿下がお決めになった方が良いと判断したからです。決して意地悪ではないですよ?」
確かに、優しい笑みでこちらを見ている義母。
その顔をしていると言うことは、いい結果になるのだろう。
「分かった。自分で確かめて判断するとしよう。有難う」
これ以上は、おそらく何も言わないだろう。
見合いの話はそこまでにして、少し世間話をした後、父に迎えに来られた義母は攫う様に抱き上げられて退出していった。
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