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番外編
ループ、? ③
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見合いの数日前に隣国から第2王子がやって来た。
少人数で来た彼らに、今回は特別に父が離宮を解放した。
まぁ、見合い会場も離宮だけど。
「お久しぶりでございます、国王陛下並びに王太子殿下。そして、初めまして王妃様。隣国ユーノの第2王子ノヴァでございます」
最上礼を綺麗にとるのは見合い相手のノヴァ王子。
彼の背後で侍従と護衛騎士達が習って最上礼をとっていた。
「隣とはいえ長旅だったろう。離宮を貸し出すので、見合いの日までそこでゆっくりするといいだろう。足りない物があれば使用人が用意してくれるはずだ。遠慮なく言うといい」
「ご配慮、ありがとうございます。陛下」
笑顔で受け答えするノヴァ王子を観察する。
やはり強制的に送り込まれた感じでは無い。
嫌そうでもない。
なら、何が目的だ?
「こちらは、王妃様へ。身重でいらっしゃるとお聞きしました。我が国で妊娠中に摂取するとよいと言われている果実で作られた菓子です。どうぞお納め下さい」
「ありがとうございます、ノヴァ王子。早速本日の食後にいただきますね」
美人二人が微笑みあっている、という絵面に周りの貴族や騎士達がうっとりしている。
あー・・・。父上が超不機嫌になったぞ。
「リオン」
「フフ。はいはい」
父の声に義母が目線を外す。
代わりに父を見て微笑んだ。
速攻、機嫌が治る父。
なんだコレ。
「久しぶりに合うんだ。リチャード、離宮へと案内して差し上げろ」
え?私が?まぁ、いいけど。
「分かりました。ではノヴァ王子、行きましょうか」
両親の側から離れ、ノヴァ王子達の方へと歩き出す。
手を差し出し、繋いだと同時に頭一つ分低い彼の歩幅に合わせて歩き出した。
離宮は少し遠い。
だから近道と称して中庭に出た。
庭師が丁寧な仕事をしてくれるから、美しい花が季節関係なく咲き乱れている。
「綺麗な庭園ですね」
「ありがとう。来た事なかったかな?」
「遠目で少しだけ・・・」
「それは悪い事をした。今日は無論、城に滞在した時はいつでも見に来るといい。ここは年中色々な花が咲く」
「ありがとうございます。楽しみです」
屈託なく笑う姿は幼い頃からと同じ物。
「一つ、聞きたい」
「何でしょう?」
中庭の真ん中で止まり、ずっと気になり続けている事を思い切って聞いてみようと思った。
「なぜ、今になって私と見合いを?」
直球すぎたか?
放った問いかけに、軽く目を伏せてしまったノヴァ王子が少し寂しそうに見えた。
「お見合いが・・・終わってからで宜しいでしょうか?」
今は言いたくない、という事だろうか?
「いや・・・。言いたくないのであれば、言わなくても構わない。申し訳ない」
秘密や内緒事を暴くのはあまり好きではない。
言いたくないなら、それでいい。
だから、それ以上困った顔をされない様に笑顔を向けてまた離宮へと歩き出した。
少人数で来た彼らに、今回は特別に父が離宮を解放した。
まぁ、見合い会場も離宮だけど。
「お久しぶりでございます、国王陛下並びに王太子殿下。そして、初めまして王妃様。隣国ユーノの第2王子ノヴァでございます」
最上礼を綺麗にとるのは見合い相手のノヴァ王子。
彼の背後で侍従と護衛騎士達が習って最上礼をとっていた。
「隣とはいえ長旅だったろう。離宮を貸し出すので、見合いの日までそこでゆっくりするといいだろう。足りない物があれば使用人が用意してくれるはずだ。遠慮なく言うといい」
「ご配慮、ありがとうございます。陛下」
笑顔で受け答えするノヴァ王子を観察する。
やはり強制的に送り込まれた感じでは無い。
嫌そうでもない。
なら、何が目的だ?
「こちらは、王妃様へ。身重でいらっしゃるとお聞きしました。我が国で妊娠中に摂取するとよいと言われている果実で作られた菓子です。どうぞお納め下さい」
「ありがとうございます、ノヴァ王子。早速本日の食後にいただきますね」
美人二人が微笑みあっている、という絵面に周りの貴族や騎士達がうっとりしている。
あー・・・。父上が超不機嫌になったぞ。
「リオン」
「フフ。はいはい」
父の声に義母が目線を外す。
代わりに父を見て微笑んだ。
速攻、機嫌が治る父。
なんだコレ。
「久しぶりに合うんだ。リチャード、離宮へと案内して差し上げろ」
え?私が?まぁ、いいけど。
「分かりました。ではノヴァ王子、行きましょうか」
両親の側から離れ、ノヴァ王子達の方へと歩き出す。
手を差し出し、繋いだと同時に頭一つ分低い彼の歩幅に合わせて歩き出した。
離宮は少し遠い。
だから近道と称して中庭に出た。
庭師が丁寧な仕事をしてくれるから、美しい花が季節関係なく咲き乱れている。
「綺麗な庭園ですね」
「ありがとう。来た事なかったかな?」
「遠目で少しだけ・・・」
「それは悪い事をした。今日は無論、城に滞在した時はいつでも見に来るといい。ここは年中色々な花が咲く」
「ありがとうございます。楽しみです」
屈託なく笑う姿は幼い頃からと同じ物。
「一つ、聞きたい」
「何でしょう?」
中庭の真ん中で止まり、ずっと気になり続けている事を思い切って聞いてみようと思った。
「なぜ、今になって私と見合いを?」
直球すぎたか?
放った問いかけに、軽く目を伏せてしまったノヴァ王子が少し寂しそうに見えた。
「お見合いが・・・終わってからで宜しいでしょうか?」
今は言いたくない、という事だろうか?
「いや・・・。言いたくないのであれば、言わなくても構わない。申し訳ない」
秘密や内緒事を暴くのはあまり好きではない。
言いたくないなら、それでいい。
だから、それ以上困った顔をされない様に笑顔を向けてまた離宮へと歩き出した。
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