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恨み晴らします2(天罰) ― 完結編 ―
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ー 恨み晴らします1(屈辱)の文章末 ー
あっという間に時が過ぎ、土曜日となった。今日も両親とも早朝から勤めに出ていて、なぜか早樹が場の空気を読んだのか、ソワソワしている。
「早樹、部活行ってくるね」
「お姉ちゃん頑張って、上手くいくといいね」
いつもはつらい練習も、今日は終えるのを早く感じられた。後片付けを済ませるといよいよだ。早樹の心臓の高鳴りが聞こえてきそうです。
「もし行ってもいなかったらどうしよう。それより告白でも何でもなかったら」
余計な心配が友梨の気持ちを押しつぶそうするが、勇気をもって指定された体育館の裏に向かった。
恐る恐る校舎角から覗き込むと、確かに天馬がそこにはいた。不安を感じながらも緊張した面持ちで近づいて行く。
「やあ、金城さん。本当に来てくれたんだね」
「八神先輩、いつも見ていました。話すのは初めてだけど」
「ありがとう、じゃあズバリ言うね、俺と付き合ってほしんだけど」
「えっ、何て?」
友梨の喜びが頂点に達した。夢じゃないか、今すぐ大声で叫びたい気持ちだ。
「あっ、今のうちに言っとくけど、俺には2人の彼女がいるんだ。だから金城さんが3人目。それでよければ付き合ってくんない?」
友梨は耳を疑った。先ほど以上の驚きだ。
「この人、正気なの?」
「まあ今すぐ返事くれなくてOK。そんなに急がないから。明日の日曜日にこの場所で。よく考えろよ、俺と付き合えるなんて幸せ者だぞ」
そう言うと、天馬は去って行った。友梨には何が起きているのか、頭が爆発しそうだ。
ー 恨み晴らします2(天罰) ー
早樹は、部室で待っててくれてる結月のところに飛んでいった。
「ちょっと結月聞いて~!」
ことの全てを打ち明けると、さすがの結月も怒り心頭だ。
「何それ、完全なクズじゃない。絶対に許せない。思い知らせてやろう」
「どうやって?」
「そうりゃそうね、力じゃ勝てるわけないし」
「このことネットに上げるのってどう?」
「そんなのシラを切られたらおしまいだし、下手すりゃ名誉毀損で訴えられちゃう」
「まあじっくり考えようか」
とにかくこんなばかげた話は、他人は決して話せない。
「ただいま、って誰もいないか?」
「何で私がいるよ」
早樹が迎えてくれた。でもそのときなぜか、友梨は小学生の早樹に打ち明けていた。
「へえ、中学生って大変ね。まあ変な男に捕まっちゃったと思って」
「何生意気言ってるの」
それでも早樹には素直に話すことが出来るほど、心を許せる相手だ。
「あっいい考えがある!」
早樹がスマホで検索した。
「お姉ちゃんも探してみて、これ」
そこには、
# 恨み買います
の文字がたくさん出ていた。
「テレビでやってたけど、人の恨みを晴らしてくれる代行屋がいるんだって」
「へえ、そんなのあるんだ。でも恐そう」
「じゃあここはどう?何か学生専門みたい。〝#ファー〟って書いてある」
友梨は言われるままに検索してみると、すぐにヒットした。
ようこそ〝ファー〟へ 貴方の恨み買います もちろん貴方に迷惑はかけません
隠密のうちに処理します ぜひ恨みを晴らしませんか なお初回は無料です
「これね。でもバレちゃったらマズいし」
友梨も大きな決断に迫られました。そもそもこんなオープンなのに大丈夫なのだろうか?
翌日になり友梨が返答する時間が迫ってきた。
YES OR NO ?
体育館の裏にはすでに天馬が来ていて、その表情からはどこか余裕すら感じさせられる。
『俺が断られるはずがない』
そんな自信を伺い知ることが出来る。そのときだった、複数の人影が。
「お前が八神っていうガキか?」
天馬は、会ったこともない大柄な厳つい二人の男に囲まれた。
「よくも俺の妹に手を出したな。落とし前つけてもらおうか」
道村と名乗るその男は、どうやら天馬が付き合ってる道村有香の兄のようだ。
「いえ僕は有香さんと真剣な」
「真剣?ふざけんな!お前複数の女と付き合ってるんだよな」
あまりの迫力に天馬の体の震えが止まらず、失禁までしてしまった。
「いいかすぐに自分の悪行をネットに載せろ。そして妹たちの前から去れ。二度と現れんな、さもないと」
「あっ、ははい」
もう涙声で失神寸前。それ以後に天馬が学校に登校してくることはなくなった。
数日後に発刊された裏業界の月刊誌に〝世直し代行屋ファー〟代表S氏のインタビューが載った。
「世直し代行なのねらいは何ですか?」
悪がのさばってる 世直し世直し
「きっかけは何ですか?」
法が弱者を守ってないから代わって仇討ち
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「最後に、世間に向けて一言お願いします」
悪さしてるお前ら さぞかし夜道に気をつけろよ
あなたの恨み買います
あっという間に時が過ぎ、土曜日となった。今日も両親とも早朝から勤めに出ていて、なぜか早樹が場の空気を読んだのか、ソワソワしている。
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余計な心配が友梨の気持ちを押しつぶそうするが、勇気をもって指定された体育館の裏に向かった。
恐る恐る校舎角から覗き込むと、確かに天馬がそこにはいた。不安を感じながらも緊張した面持ちで近づいて行く。
「やあ、金城さん。本当に来てくれたんだね」
「八神先輩、いつも見ていました。話すのは初めてだけど」
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「えっ、何て?」
友梨の喜びが頂点に達した。夢じゃないか、今すぐ大声で叫びたい気持ちだ。
「あっ、今のうちに言っとくけど、俺には2人の彼女がいるんだ。だから金城さんが3人目。それでよければ付き合ってくんない?」
友梨は耳を疑った。先ほど以上の驚きだ。
「この人、正気なの?」
「まあ今すぐ返事くれなくてOK。そんなに急がないから。明日の日曜日にこの場所で。よく考えろよ、俺と付き合えるなんて幸せ者だぞ」
そう言うと、天馬は去って行った。友梨には何が起きているのか、頭が爆発しそうだ。
ー 恨み晴らします2(天罰) ー
早樹は、部室で待っててくれてる結月のところに飛んでいった。
「ちょっと結月聞いて~!」
ことの全てを打ち明けると、さすがの結月も怒り心頭だ。
「何それ、完全なクズじゃない。絶対に許せない。思い知らせてやろう」
「どうやって?」
「そうりゃそうね、力じゃ勝てるわけないし」
「このことネットに上げるのってどう?」
「そんなのシラを切られたらおしまいだし、下手すりゃ名誉毀損で訴えられちゃう」
「まあじっくり考えようか」
とにかくこんなばかげた話は、他人は決して話せない。
「ただいま、って誰もいないか?」
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早樹が迎えてくれた。でもそのときなぜか、友梨は小学生の早樹に打ち明けていた。
「へえ、中学生って大変ね。まあ変な男に捕まっちゃったと思って」
「何生意気言ってるの」
それでも早樹には素直に話すことが出来るほど、心を許せる相手だ。
「あっいい考えがある!」
早樹がスマホで検索した。
「お姉ちゃんも探してみて、これ」
そこには、
# 恨み買います
の文字がたくさん出ていた。
「テレビでやってたけど、人の恨みを晴らしてくれる代行屋がいるんだって」
「へえ、そんなのあるんだ。でも恐そう」
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友梨も大きな決断に迫られました。そもそもこんなオープンなのに大丈夫なのだろうか?
翌日になり友梨が返答する時間が迫ってきた。
YES OR NO ?
体育館の裏にはすでに天馬が来ていて、その表情からはどこか余裕すら感じさせられる。
『俺が断られるはずがない』
そんな自信を伺い知ることが出来る。そのときだった、複数の人影が。
「お前が八神っていうガキか?」
天馬は、会ったこともない大柄な厳つい二人の男に囲まれた。
「よくも俺の妹に手を出したな。落とし前つけてもらおうか」
道村と名乗るその男は、どうやら天馬が付き合ってる道村有香の兄のようだ。
「いえ僕は有香さんと真剣な」
「真剣?ふざけんな!お前複数の女と付き合ってるんだよな」
あまりの迫力に天馬の体の震えが止まらず、失禁までしてしまった。
「いいかすぐに自分の悪行をネットに載せろ。そして妹たちの前から去れ。二度と現れんな、さもないと」
「あっ、ははい」
もう涙声で失神寸前。それ以後に天馬が学校に登校してくることはなくなった。
数日後に発刊された裏業界の月刊誌に〝世直し代行屋ファー〟代表S氏のインタビューが載った。
「世直し代行なのねらいは何ですか?」
悪がのさばってる 世直し世直し
「きっかけは何ですか?」
法が弱者を守ってないから代わって仇討ち
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「最後に、世間に向けて一言お願いします」
悪さしてるお前ら さぞかし夜道に気をつけろよ
あなたの恨み買います
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