不思議な巡り合わせ

romi

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結婚騒動前編

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何十年の片思いをこえて、兄妹のような彼に対して、ずっと隠していたほうがいい。誰にも言っちゃいけない感情なんだと、押し殺し、彼が夢にでてくることは多く、そのときはいつもうっとり、やっぱりいいなとかんじる。
彼氏がいようが他に片思いしている人がいようが、起きてからもうっとり浸ってしまうのだ。

コロ◯の影響で、世の中の出会いが著しく制限されるようになったころ、ひとみは出会いがなく、彼氏もおらず、彼の事で頭いっぱいになり、どうしたらいいかわからなくなっていた。
どういう順番だったのかあまり覚えていないが、抑え切れない気持ちを彼の両親に電話で話して、困らせたり反対されたり、おじさんは喜んでいたが、おばさんが拒絶反応を示して電話からもため息がきこえてきた。
しかし生半端な気持ちではないひとみは、そんなことがあっても、彼の一人暮らしの家に、大好きですとかなんかかなり一生懸命、手紙をしたため、送ったりしたが、返事は無理!とラインでかえってきて、ラインブロックされてしまった。

しかし占い師の経験もある、感受性の強いひとみには、これまで、彼が不思議とひとみが人生で重要でつらい場面にいたこと、助けてくれたこと、その態度から大切にされてることは感じるが、嫌われてるはずがないと感じていた。

直感にしたがってついに彼の一人暮らしの家に突撃しようと、電車に乗ったひとみは、正直「帰れよ!こわいんだけど!」という態度をとられたらどうしようという凍える気持ちのなか、ある年の2月、バレンタインに最高級GODIVAをたずさえ、彼の一人暮らしの家に突然押しかけた(ラインブロックされていたので突然になった)
彼は驚く様子もなく、「寒いからいれて」というひと言であっけなく部屋にいれてくれた。うれしい気持ちでひとみは部屋を見渡したり、座ったりしていた。綺麗に片付いていて暖房のよく効いた居心地のいいリビングに座る。
「仕事中なんだけど」などといいながら
彼はしばらくPCをいじっていたが、在宅勤務かな、さすが大手企業、、とひとみが思っていると、
「え、誕生日?じゃあ仕方ない、食事でも奢ってやるよ」
(ひとみの誕生日はバレンタインに近い日だ)
と言って、ふたりで外にでた。サッサと先をいく彼に一生懸命追いついて手をにぎろうとしたら、バッとかわされた。彼はどういう店がいいか一応聞きながらも、時間がないのか、じゃ、はいここなと入っていった。
そのリードされてるかんじがここちよい。
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