アレク・プランタン

かえるまる

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第2章 幼年編

264 海辺の楽園

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 「泳ぐわよ!」

マリー先輩が高らかに宣言した。
いきなり服を脱ぐマリー先輩。
えっ?!着替えシーン見てもいいの?

 「セーラさん水着に着替えてるよね」
 「はい!」

そう言いながらいきなり服を脱ぐマリー先輩とセーラ。
 (なんだ!水着着てるんかい!)

 「セーラさん障壁をお願いね」
 「はい、聖壁(ホーリーシールド)!」


後方ではリズ先輩も障壁を発現している。

「聖壁(ホーリーシールド)!」


いつの間に水着になってたの?気づかなかったよ!


キャーキャー
フフフフフフ


水辺で戯れるエルフと聖職者。
水辺が絵になるエルフと聖職者。
ダンジョンの水辺が地上の楽園と化すエルフと聖職者。
ひたすらガン見する俺。
ひたすらガン見する俺。
ひたすら‥‥。
おいおいおい、マジかよ!これを目が幸せで眼福っていうんだよな。俺もう死んでもいいかも。マリー先輩の赤いビキニが浜辺に揺れる。セーラの白いビキニも捨てがたいなぁー。500メル後方では
リズ先輩のスク水着が見える。

 「むふぅぅぅぅーー」

(あっ、またアレク君があの変態の顔になった!)



シャンク先輩も泳いでいるっていうか、ぷかぷかと浮いている。かわいいなぁ。
キム先輩は‥‥あれ?キム先輩はどこに行った?

 「アレク、受け取れ」

キム先輩は高い木の上に登って椰子の実(コナの実)をクナイで切りとっている。あーなるほどなるほど。コナの青い実はココナッツウォーターだもんな。キム先輩が青い椰子の実ばかりを10個採った。

 「キム先輩、そっちの古いコナの実もどんどん落としてください」
 「ん?水が入ってないぞ?」
 「いえ、水が入ってないからいいんです」
 「アレク、お前海洋諸国に来たことがあるのか?」
 「あるわけないですよ。ヴィンサンダー領とヴィヨルド領しか知りませんよ。でもいつか行きたいです」
 「そうか。いつか来てくれよ。この古いコナの実は料理に使うんだよな」
 「はい」
 「といっても俺は冒険者程度の料理しかできないから青いコナの実の水しか飲まないけどな」
 「じゃあ夜は楽しみにしていてください」
 「ああ、楽しみにしてるよ」


青いコナの実は冷やして土魔法のストローをつけた。後から来るブーリ隊用にも。クラフト魔法が使えたら、木や紙からストローができるんだけどな。教えてもらいたいけど、今のところクラフト魔法を使える人は知らないし。いつか使いたいなぁ。


キム先輩が落としてくれた古いコナの実からココナッツを手に入れた。
ココナッツミルクはメイプルシロップを入れたら美味しい飲みものになる。カウカウの牛乳の代用だね。
あと、ココナッツスープに米の麺を入れたらいかにもアジアンテイストだろうな。てか俺知識でしか知らないんだけど。
ココナッツを含んだ焼菓子(サブレ)も美味しいよな。
シンプルにスライスして揚げたらココナッツチップスだよな。


砂浜をほじったら、なんと浅利や蛤がザクザクでてきた。
ちょっと深いところには鮑やサザエもいる。
海藻もいっぱい生えてるし。
うん、宝の山だな、ここは。

貝拾いや海藻集めに夢中になっていると仲間の声がした。

 「アレク、もう行くよー」
 「はーい」

えーっ!?いつのまに着替えたんだよ。お宝シーンを見逃したじゃないか!

セーラが障壁を解除した途端、大きな魚群が集まってきた。

 「デカ!」

それは体長2.0mほどある口元に特徴のある大きな魚、キングサーモンだ。その数も100尾余り。

 「鮭見っけ!」

これはもう、塩鮭入のおにぎりを作れって言われてるみたいだよ。
無意味な殺生はしたくないから、食べる分だけ獲ろうかな。

 「スパーク!」

ビリビリビリビリビリッ!

気絶するくらいの、弱めの電流を流した。

ぷかぷかぷかぷかぷかぷかぷかぷか~

その場に潜んでいたキングサーモンが一斉に浮いてきた。ヨシ、雄雌を各3尾もらっておこう。雄は内臓をはずしてあとはカラカラになるまで干したら保存食として日持ちもいいしな。昔、東北の爺ちゃんがよく作ってたよな。お腹もパンパンな雌のサーモン。これはイクラも美味しいに違いない。

海藻類はもちろん海苔の佃煮だよ。これもおにぎりの具としてマストなんだよなぁ。

魚や貝のダシを粉末にして、今あるチキンベースの顆粒と合わせたら海鮮系スープの顆粒になるよな。うん、この海はやっぱり宝の山だよ。途中で夢中になって水着シーンを見逃したのは悔やまれるけど。

 「みんな行くよ」
 「「「はーい」」」



【  ブーリ隊side  】

 「おーコナの実だな」
 「キムが採ってくれたんだな」
 「冷やして吸えるものまで付いてるのはアレクなの」

 「かーうめぇぇー!」
 「汗かいたあとはうまいなぁ」
 「冷えてるから余計美味しいの」
 「でもリズ、普通はこんなとこで魔力は使わないよね」
 「ん。普通何があるかわからないから、魔力は大事に使うの」
 「だよね」
 「ん。アレクは変態なの」
 「ははは。やっぱり変態なんだね」



再び歩き出してすぐに。

カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ‥

蟹魔物が現れた。
1.5m10体の蟹魔物だ。

 「やったー!蟹だぜ!今夜は蟹のフルコースだ!」
 (ヒソヒソ。なんかアレクが怖いです‥)
 (ヒソヒソ。よっぽど嬉しいんじゃない。回廊では蟹をもっともっとって言ってたから)

 「サンダーヴァレット!」

雷を銃弾に見立てて圧縮させた魔法だ。

バチバチバチバチバチバチバチバチッ!

グギギギギーーッッ
グギギギギーーッッ


 「どうだー蟹めー!へへーん!」

シルフィが胸をふんすと張って雄叫びをあげている……。


 「まとめて全部倒しちゃったよ!」
 「アレク、すごーい!」


ワタリガニを10体追加した。これでストック分もたっぷりだよ。うん、今日から毎日蟹料理だ。贅沢をしよう。蟹魔物の甲羅はとにかく大きくて、転生前の家の浴槽くらいある。だからこの甲羅をそのまま使って何かうまいものができるよな。

そんなことを考えているときだった。
油断?
もちろん一切油断なんてしなかったよ。



――――――――――――――




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