アレク・プランタン

かえるまる

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第2章 幼年編

516 共済という考え

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 夏がはっきりと近づいている。

 家の前。
 青々と茂る稲の生育は上々だ。

 家の前に田んぼがあるなんて幸せだな。そういや爺ちゃん家で夏休みには田んぼ見ながら西瓜食ってたっけ。 
 この世界にもどっかに西瓜はあるのかな。あったらかぶりつきたいな。

 今は秋のお米の収穫が楽しみだよ。
 
 「こめはそんなにうまいのかアレク?」

 「ああデーツ。お前みたいな大食いには1度食ったら戻れなくなるくらいだぞ」

 「デーツ、わしも1度食っただけだが、米は本当にうまかったぞ。なぁアレク」

 「だろ。オヤジも忘れられないだろ」

 「ああ。ありゃたしかにうまかった。米そのものというより料理の旨さを引き出すものだな」

 「おかずを米に乗っけて食ったら最高だぞデーツ」

 「アレクの言うとおりだな。秋が楽しみだぞ」

 「へへっ。父さんがそう言うなら。俺も秋が楽しみだ」



 デーツも普通に会話できるようになったんだ。
 ただまだ不安定なんだよな。オヤジに対しても「父さん」と呼ぶこともあれば「父上」って呼ぶこともあるし、もちろん「オヤジ」もある。自分自身が定まらないからだよな。


 学校にはマリアンヌ先輩が迎えに来てくれてるからデーツも週の半分くらいは通うようになったよ。
 (今でも行きたくない日は朝ごはんを食べ終わると、すぐに部屋に逃げ戻ってるけど)


 「おじさまおはようございます。アレク君もおはよう」

 「ちーすマリアンヌ先輩」

 「おはようマリアンヌ。いつもすまんな」

 「いいえ。アリサちゃん、クロエちゃん、バブーシュカもおはよ」

 「「「マリーお姉ちゃん(マリアンヌ様)おはよう」」」

 「デーツは?」

 「デーツお兄ちゃんは‥‥」

 アリサが階上を指差して苦笑いしている。

 「そう。仕方ないわね。じゃあアリサちゃん一緒に学校に行きましょ」

 「うん!」

 アリサとマリアンヌ先輩が先に学校に行った。


 マリアンヌ先輩は引きニートなデーツに対しても文句を言うこともなければ「がんばれがんばれ」と励ますこともないんだ。

 できた嫁だよ。あっ、まだ結婚はしてないんだったか。
 くそー!羨ましいぞデーツめ!なんであんな引きニートがモテるんだよ!


 「アレク。アンタは1人で学校に行きなヒッヒッヒッヒッ」

 「くそー!デーツの奴めー!バブ婆ちゃん俺もあんな学園生活を送りたいよ‥‥」

 「アレク‥‥あんた‥‥」

 「アレク‥‥お前‥‥」

 くそー!バブ婆ちゃんもオヤジも2人して残念な子どもを見る顔しやがって!

 「クロエちゃん、クロエちゃんはお兄ちゃんを見捨てないでちゅよね。アレクお兄ちゃんと学校に行きまちゅか?」

 「アレクお兄ちゃん、クロエもお友だちが迎えに来るからお兄ちゃんは1人で行ってね」

 「う、ううっ‥‥」

 「泣くなアレク。そんなら俺が」

 「なんでオヤジと学校に行くんだよ!」

 「アレク、婆が」

 「なんの罰ゲームだよ!」

 「もういいよ!行ってきまーす」

 「「いってらっしゃい
」」





 デーツももうすぐっていいたいところだけど、まだちょっとかかるかな。かなり良くはなったけどね。
 でも何か決定的なことがなきゃ、覚悟が決まらないんじゃないかな。



【  生徒会side  】

 生徒会活動も必然的に狂犬団の主導になったんだ。

 学内。ふだんの生徒会活動はトンを中心に事務的なことにも興味のある狂犬団の幹部連がしっかりとやってくれているよ。
 俺はなぜか肩書きだけ生徒会長になってるけど。


 「制服のおかげで帝都学園生ってことがよくわかるようになったわ」

 「「そうね」」

 「学園生とわかって言いがかりをつけてくる輩はいなくなったわ」

 「「「うんうん」」」

 「でも‥‥学園生にいじめられたって言う苦情は数件寄せられてるわ」

 「どこから?」

 「南区や隣接する港区あたりが多いわね」

 「港区は教会もないだろ?」

 「そうですね」

 「新設の区だから仕方ないか」

 「はい」



 「学園生の誰がどこに住んでるとか、その通学経路はどうだとかも把握したほうがいいかもしれないな」

 「おぉー!さすがトン。通学経路まで把握するってか」

 「だって団長、もし学園生になんかあっても初動の対策がぜんぜん違いますよ」

 「「「おぉー!」」」

 「でもお前、それは普通の学園生の考えじゃねぇからな。やっぱ海洋諸国人だわ」

 「キャー私トン君に襲われるぅぅー」

 女子団員に合わせて俺も言ってみた。

 「俺もぉー襲われるぅーー」

 「間違っても団長は襲いませんよ!」

 ワハハハハハ
 わははははは


 「じゃあさ、なんかの緊急用に学園生全員の通学経路も紙に書いてもらうか」

 「「「はい」」」


 「あと学園生が何年の誰かってわかるようにした方がいいのかもな」

 「名札とか?」

 「学園内では名札着用にするか」

 「「「賛成!」」」

 「学外ではどうする?」

 「学外でも名札は?」

 「それはやめたほうがいいな」

 「何年の何組ってことは一般の人は知らないほうがいいかもな」

 「「「なるほど」」」

 「じゃどうする?」

 「「「うーん」」」

 「団長何かいい考えはありますか?」

 「へっ?!俺?俺はね‥‥」


 深く考えずに言ったんだ。頭に浮かんだのはハリウッドの戦争映画。
 米兵が、亡くなった親友の認識票を持って帰るっていう話。

 自衛隊員はこの認識票を首から下げてるらしいね。俺も兵隊さんのイメージでは認識票は誰もが首から下げるものなんだって思ってたけど、実際には違うらしいね。
 首から下げるのは自衛隊員で、足首に巻いてるのが米兵らしいね。

 「‥‥だからさ、そんな認識票もあってもいいかもな」

 「「認識票かぁ」」

 「うん。認識票だよ」


 認識票。
 又の名をドッグタグと言われているものなんだ。
 自衛隊では首から2枚の認識票を下げてて、不幸にして隊員が亡くなるとその1枚を外して‥‥ってなるらしい。さっきも言ったけど米軍兵は足首につけてるらしいね。首から上がふっ飛んでも足首なら、っていうらしいよ。

 「「「認識票、それいいね」」」

 「「「私も賛成!」」」

 「じゃあ認識票も採用ってことで」

 「「「はい!」」」

 学園生は認識票を携帯することが即決したんだ。学園生は認識票を首から下げても足首に巻いてもどちらでもいいってね。

 「通し番号、名前、生年月日、性別、出身地を入れとこうか。ああ、それと認識票には傷害保険の有無(⚪︎×)も入れとこう。すぐに対応できるから」

 「「「しょーがいほけん?」」」

 「うん。通学途中で何か突発的な事故に遭ったとき。あるいは不可抗力で誰かの大切な物を壊したらその弁償をしなきゃいけないだろ」

 「「「うんうん」」」

 「それと例えばだよ。喧嘩に巻き込まれて怪我をしたら。学外ならポーションの代金が要るよな。下手すりゃハイポーションが要るかもしんねぇよな。 
 さらにもっと悪く、瀕死の重体になればエリクサーが要るかもしれないじゃん。そのときお金がないと困るだろ。だからいざというとき用の費用、お金。それが保険なんだよ」

 「「「ほけん‥‥」」」

 「「「エ、エリクサー‥‥」」」

 身近なポーションはまだしもハイポーションはおそろしく高額なんだ。ましてエリクサーに至っては‥‥名前だけは知ってるレベルの超高値の花の高額お薬……。
 みんなの意識がエリクサーにいったみたい。

 「あとさ、不幸にももし本人や親が死んだら家族に見舞金があるといいよな」

 いきなり父ちゃんが死んだら家族は路頭に迷う。この世界でそれはわりとよくあることなんだ。

 「「「そりゃそうですけど……」」」

 「保険ってのはさ、共に助け合うこと。共済っていうことなんだよ。だからこの考えが軌道に乗れば、みんなも安心できるよな」

 「「「団長‥‥」」」


 「1人じゃできないこともみんなで協力したらできるだろ。
 お金も1人1Gでも3,000人集めれば3,000Gじゃん。パン買う300Gをみんな集めたら900,000Gの大金だぜ。どうよ?おギン?コウメ?みんな?」

 「‥‥たしかに考えたことなかったです」

 「「「私も(俺も)」」」

 「私‥‥いつも思うんですけど、団長の頭のどこからそんなアイデアが湧いてくるんですか?フフフ、ゴブリンなのに」

 おギンが俺の頭を触ってのぞき見ながらそう言った。

 「だれがゴブリンやねん!」

 おギンに頭触られるのはなんだか気持ちいいな。へへっ。

 「お兄ちゃん、顔がいやらしいわ!こないだの鼻血のときからなんかおかしいもん!」

 しまった!アリサがいたんだ。

 「な、な、なんにもおかしかねぇぞ!?」

 「あら。頭を触るくらいならいつでも触りますよ団長」

 疑り深い眼差しのアリサ。
 アザとかわいい視線のおギン。

 「ううっ‥‥」


 ダメだダメだダメだ!なんも考えちゃダメだ!
 あっ!そうだ!
 バブ婆ちゃんに撫でられてるんだよ今は!
 バブ婆ちゃんバブ婆ちゃんバブ婆ちゃんバブ婆ちゃんバブ婆ちゃん‥‥

 「「お兄ちゃん(団長)‥‥」」


 「団長、ほけんの話。僕もすごく興味ありますからお爺ちゃんにも話していいですか?」

 「おお。逆に俺から聞きたいくらいだよ。ジンさんに聞いといてくれよ。そうだ!急で悪いけど、できたら明日狂犬団の本部に来てくれないかって。そんで話を聞きたいって」

 「わかりました」

 「団長私もハチに言っておきますね。たぶんハチの父ちゃんがやってきますよ」

 「団長、俺も学園長に話しときます。なんか俺たちだけで話す次元じゃない気がするんですよ」

 「「「うんうん」」」

 話がどんどん大きくなっていったんだ。




 【  6年10組side  】

 「たりぃな」

 「「ああ(ええ)」」

 「なんだよ獣人を虐めない、弱い者を虐めないって!」

 「「だよな(だよね)」」

 「獣人は獣人だし、弱い奴は弱いだろ!」

 「あの狂犬団の奴らには逆らえねぇしな」

 「あと半年の辛抱よ」

 「「だな」」

 それは6年10組に所属する48位49位50位。帝都学園6年500人の最底辺にいる3人の男女だった。

 「おい。あそこの獣人ちょっくら虐めて遊ぶか」

 「そうね。気分転換に協力してもらおうかしら」

 「だな」












 「おーい、そこの犬っころ」

 「ヒッッ!」

 「ちょっくら俺らと遊ぼうか」

 「嫌っ!」

 まさかの事態がこの後に訪れるとはまるで思わない3人だった。



―――――――――――――――


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