アレク・プランタン

かえるまる

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第2章 幼年編

599 蒼いダンジョンへ

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 「なぁキザエモン。生存者がいるってなんでわかるんだ?」

 「アレク関。それは騎士団のドロップ品の特徴でごわす」

 「特徴?」

 「騎士団のドロップ品は起動したら最後、鳴らした人間が死なない限りは対が合わせるまで鳴ってるでごわす」

 「へぇーそれでか」

 たしかに騎士団本部でブーーッて重低音の警告音が鳴り続いてたもんな


――――――――――


 (本当にこの童、走り通しおった‥‥)

 (馬より速い。なんなんだよこのガキ!)

 まだ明けきらぬ暗いうちに蒼いダンジョンに到着したんだ。

 そこは大きな岩山の谷にある洞窟の外観だった。

 トンカントンカントンカントンカン‥‥

 「急げ急げ!」

 「手を緩めるなー!」

 蒼いダンジョンの前では老若男女、100人を超える人工さんたちが手作業で岩を積んだり扉を作ったりしていた。

 これスタンピード(パレード)防止だよな。

 「そうよ」

 「スタンピードが起こったら近くの街や村なんかひとたまりもないわよ」

 「そうなんだ」


 蒼いダンジョンの前には天幕が用意されていた。

 「本部のみなさんはこちらにどうぞ」

 下馬した帝都騎士団員の精鋭20人+ルシうざおっさん、キザエモン、俺が天幕の中に案内された。

 「あらためて経過を説明してくれるかい」

 先に着いていた騎士団員さんが説明してくれたんだ。

 「はい。本部からの一報にあわせてすぐに蒼いダンジョンを封鎖。スタンピード防止の作業に入りました」

 「うん。ご苦労様」

 「いえ。現在までのところ異常はありません。第2陣の帰還後は誰も下山しておりません」

 「そうかい。中の造りは?」

 「蒼いダンジョンは1本道のみです。問題のダンジョンの入口もすぐにわかります。5日か6日歩けば着きます。迷うことはありません」

 「ではすぐに向かおうか。救助に向かうみんなには契約魔法を結んでもらうよ。ルシウスさんもね」

 「ふん。仕方ないの」

 メイズ騎士団長がそう言ったんだ。
 ジャック副騎士団長さんがこっそり言ってくれたよ。

 「(アレク君はこの間に必要な食糧などを馬車から点検、先発の団員を指示して詰め込んでくれるかい)」

 「(わかりました)」


――――――――――


 「これとこれとそれをこっちへ。それからこれもお願いします」

 先発している騎士団員さんたちが荷下ろしを手伝ってくれたよ。

 「お前何者なんだ?」

 「俺?俺はただの鉄級冒険者のポーターですよ」

 「「「‥‥」」」

 みんな不審な顔をしてたよ。

 「なあ。これだけの量どこに積むんだ?」

 「ああ大丈夫です。このリアカーに積んでください」

 「「「へっ?いつの間に!」」」

 「金属魔法か!?」

 「なんて早い発現だよ!?」

 その反応は契約魔法を終えて天幕から出てきた騎士団員さんたちも同じだったんだ。

 「馬車にリアカーなんて積んでなかったぞ!」

 「まさかこれもこの小僧が?」

 「「「‥‥」」」



 【  バリーside  】

 本部に現れたときから気にいらなかったんだ。なんでこんなガキが偉そうな顔してるんだって。

 先任の団員が不祥事とかでクビになった代わりとして、第2分隊配属となった俺。

 本当は帝都学園か悪くてもアポロ校に入りたかったんだ。だけど入れなかった。
 騎士団養成校を卒業してやっと本格的な騎士団員になれたと張り切っていたんだ。
 第2分隊唯一の若手だから「期待してる」って分隊長も言ってくれたし。

 メリッサさんもジュディさんも爺さんの「おやっさん」も俺によくしてくれた。見習い学生のフリージアさんは俺のかわいい後輩なんだ。

 「ポーターはすげぇ学園生らしいぞ」

 同期の仲間から聞かされたときから、なんか嫌な感情が生まれてたんだ。だって学園生なんだろ。聞けば1組だっていうし。
 俺からすれば順風満帆の世間知らずのガキ。

 俺のフリージアさんとも知り合いみたいだし。くそっ!気にいらねぇ。



 「お前いったい何者なんだよ!」

 赤毛の若い騎士団員さんが吠えたんだ。

 「何者って。俺はただの帝都学園生ですよ。あと冒険者もやってますけど?」

 そこにフリージアと話をしてた第2分隊の綺麗なお姉さんたちもやってきたんだ。

 「何者ってうちのフリージアが手も足もでなかったアレク君よねー」

 「そうそう狂犬団の団長さんでもあるし」

 「フリージアが大好きな男の子」

 フフフフフ
 ふふふふふ
 フフフフフ

 「フリージアが俺を?あーそれは絶対ないと思います。だって俺、フリージアにへ、へ、変な人って思われてるから」

 「「「そうなんだ。ふーーん」」」

 「自己紹介しとくね。私はフリージアの隊、第2分隊の分隊長のオリビアよ」

 赤髪ショートボブ。大きな瞳の綺麗カッコいい系のお姉さんが自己紹介してくれたよ。

 「私はフリージアの先輩ちゃんのメリッサよ」

 メリッサさんは肩までの髪を綺麗に揃えたふんわか系の綺麗お姉さんだった。

 「私もフリージアの先輩ちゃんのジュディよ」

 ジュディさんは肩下のロングヘアをポニーテールでまとめた快活なスポーティー美女。

 3人ともバインバインで目のやり場に困るな……。

 「俺はバリーだ」

 赤茶色の癖っ毛。勝ち気な鋭い目つきで俺を睨んでる。180メルと長身の若者がバリーさん。

 「しっかりポーターやれよ。俺様の後ろにさえいれば護ってやるからな」

 「は、はい」

 さらにバリーさんが言ったんだ。

 「しかしよぉ、なんでてめーみたいなガキにメイズ騎士団長もジャック副騎士団長も契約魔法なんか結ばせたんだ?」

 「(分隊長、バリー君がアレク君に絡んでるわ)」

 「(うちの若い男ってこんなのばっかりなの?)」

 「(彼は辞めちゃってもういないけどね)」

 「(大丈夫よ。見てごらんなさい。アレク君のほうが大人よ)」

 「「(そうね)」」

 「おい!聞いてんのかガキ?!」

 「はぁ」

 「どうせてめー団長たちに金積んだんだろ?箔つけるために」

 「あははは」

 そこに副騎士団長さんもやってきたんだ。

 「アレク君準備はいいかい?」

 「はいジャックさん。いつでも大丈夫です」

 「これは?」

 「キザエモンと俺がが運ぶ荷物用にリアカーを発現しときました。リアカーがあれば荷物もたくさん詰めますし、いざというときはすぐにキザエモンも闘えますから」

 「それはありがたい。キザエモン君もかなり使えそうだね」

 キザエモンを見ながらジャックさんが答えたんだ。もちろんジャックさんはキザエモンの魔力が見えるからな。

 「はい。キザエモンなら問題なくいけます」

 「そうかい。では頼むよ」

 「了解です」



 「おいアレクっ言ったか。てめーガキの、しかも冒険者の分際で副騎士団長にタメ口とはふざけんなよ!」

 「あははは。すいません。なにせ冒険者なもんでそのへんのとこわかんなくて」

 「気をつけろ!」

 「はーい」

 無駄に喧嘩しちやダメだもんな。

 「えーとバリーさん」

 「なんだガキ?」

 「あの‥‥キザエモンの魔力って見えますか?」

 「キザエモン?あの変な顔したブッヒーか?力だけはありそうだな。ありゃ暑苦しいだけだろ」

 「あはは。ソウデサネ」



 「小童!遅れずに着いてこいよ!」

 ああまた絡んできたよルシうざおっさんも。

 「(アレク君、今なんて言ったの?)」

 「(あのおっさんうざいんですよ。だからルシうざおっさんです)」

 アハハハハハ
 あははははは
 フフフフフフ

 「なんじゃ騎士団の小娘どもが!まさかわしを笑っておるのか!」

 「「「いえ魔法軍軍団長殿!」」」

 3人の綺麗なお姉さんがそろって敬礼してたよ。

 腹のでたうざいおっさんを前にしてるから余計綺麗に見えるお姉さんたちだな。ブッヒーと真珠だったっけ?

 「(アレク君しーっ!声漏れてるわよ!)」

 「あわわわわっ」



 「よし。それでは救助に向かう。アレク君が発現してくれた時計の時間どおりに進むぞ。先ずは昼の12点鐘までだ」

 時計を発現してリアカーに載せてあるんだよね。もう何度も何度も発現してるからティッシュの箱2個分くらいのサイズの時計なら問題なく発現できるよ。

 「「「お気をつけて!」」」

 「「「よろしくお願いします」」」

 「「「ご武運を!」」」

 蒼いダンジョンのスタンピード防止の狭い入口を抜けると、いきなり広い通路になったんだ。だいたい地下鉄の広さくらいかな。
 
 1本道がどこまでもどこまでも続いているよ。薄らと青く光る光苔のおかげで照明には困らないな。

 「おい。ポーターアレク。てめー学園生なんだってな」

 「はいバリーさん」

 「冒険者で学園生か。なめやがって」

 「あははは。すんません」

 「アレク、てめーなんの魔法が発現できるだ?」

 「えーっといろいろ?」

 「なんだそりゃ。てめー鉄級の最上級とか聞いたけど、なんだそれ?」

 「えーっとなにかな?知りません」

 「いちいち癪に触るガキだな。そういやフリージアさんを負かせた奴も帝都学園生だってな」

 「あははは。そうみたいデスネ」

 フリージアだけ「さん」付けだよ!バリーさん、顔が少し紅くなったからフリージアが好きなんだよ!

 「てめー水と火くらい出せるんだろうな?」

 「はいバリーさん。大丈夫です」

 「まあそんならメシもなんとかなるな」

 「あはははは」

 「(アレク君私たちは期待してるわよ)」

 「(なにせフリージアがアレク君のご飯はおいしいって力説してたから)」

 「(はい。期待に応えられるよううまいメシ作りますね!)」

 「「「(やったー!)」」」





 「グギャーーッッ!」

 ザスッッッ!

 「ギャッッ‥‥」

 時おり出てくるのは最弱の魔獣だけだから、斥候の2人が軽く倒していた。探知に引っかかるのは弱い魔獣だけだったし。
 だから道中まったく問題なかったよ。


 ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ‥‥

 「アレク関リアカーは楽でごわすなぁ」

 キザエモンがリアカーを軽々と曳いてくれるからいいな。進行方向を邪魔する岩や窪みが有れば、俺とキザエモンでリアカーを担ぐつもりだったけど。

 「アレク関、おい1人で問題ないでごわす」

 「キザエモンお前さすがの力持ちだよな。すげぇよ!」

 キザエモンは重いリアカーを1人で抱えて岩場も軽々と通り抜けたんだ。

 「ガハハハハハ。このくらいなんてことないでごわす」

 すげぇな。熊獣人やワニ獣人クラスの力持ちだよ。

 「てめーら遅くなっても待っちゃいねぇからな!」

 「はい。遅れないように頑張ります」

 「頑張るでごわす」

 そんなバリーさんの言い方、俺もキザエモンもまったく気にしてなかったんだ。だって俺たち、バリーさんの魔力量がまる見えだったから。

 それよかさ。早く着かなきゃって嫌な予感がしてたんだ。てか嫌な予感しかしない。


 地下鉄くらいの広さがあるダンジョンの坑道がだんだん広くなってきた。幅20メルの直線道。高さも含めて。まんま学校の体育館がずっと続いている。でもこれはまだ従来の蒼いダンジョンなんだよな。

 救助隊。
 斥候として2名が先頭。メイズ騎士団長とジャック副騎士団長を扇の真ん中に据えて機動力のある剣士が両翼を固める。その後ろには盾役、リアカーのキザエモンと俺。俺たちの周囲を護ってくれるのは第2分隊のお姉さんたち。後続にも強者が護ってくれているからほぼ理想的な隊列だよ。

 メイズさんが近づいてこっそり教えてくれたんだ。

 「(アレク君契約魔法を結んであるから、いざというときは遠慮なくやってくれていいからね)」

 「(はいメイズさん)」

 その様子をバリーさんが聞いてたんだ。

 「ど、ど、どういう意味だよ!お前いったい何者なんだ!?」

 あーまただよ。どうせ俺はモブ代表だからそれでいいんだよ。

 「何者ってバリーさん。俺はただの学園生ですよ」

 「なっ‥」

 「フリージアが手も足もでない学園生だもんねー」

 ロングヘアをポニーテールでまとめた快活なスポーティー美女のジュディさんが言った。

 「バリー君見た目で人を判断しないことは大切なことよ」
 
 第2分隊長のオリビアさんが注意を促すようにバリーさんに言ったんだ。

 「そりゃそうですすが……。分隊長こいつらは‥‥とくにアレクってガキはがっつり未成年ですよ!」

 「そうね、アレク君は未成年よね。だけど彼はとても強いわ。わかる?」

 「いえ‥‥わかりません」

 「そのへんがわからなきゃバリー君は強くなれないわよ」

 「‥‥」

 不満アリアリの顔で下を向くバリーさんだった。

 「若いの。お前さんは何も悪くないぞ。
 この小童に騙されとるメイズたちが悪いんじゃ!彼奴の目は節穴なんじゃ!小童の親からどうせ金でも貰ったんじゃろ!」




 【  魔法軍軍団長ルシウスside  】

 最近の若いもんは権威を蔑ろにしておる。実にけしからん。
 しかもわが国の奴らは魔法を下にみておる。戦場の空気を一変させるのが魔法じゃというのに!

 我ら魔法軍は学問としても魔法を大系的に考察しておる。それは経験と深い知力に基づくものじゃ。

 然るに最近の若いもんは学も経験もなにもないくせに軽口をたたきおる!

 どうせこのアレクとかいうガキもそうであろう。なぜこんなガキに対して契約魔法をする必要があろうか!
 いや、やはり他者には知らせぬメイズの武技であろうな。

 いずれにせよじゃ。この蒼いダンジョンでわしの偉大な力を見せつけてやるわ!




 バリーさんに加えて。ルシうざおっさんも参戦してきたんだ。

 俺、自分のことを言われるのは我慢できるけどメイズさんの悪口は聞き捨てならないよ!

 「うざっ‥‥」

 「な、な、なんと言った小童!わしを誰だと思っておる!」

 ルシうざおっさんが真っ赤な顔をして叫んだんだ。
 あーマジでウザいな。このおっさん。

 ゴーン  ゴーン  ゴーン  ゴーン‥‥

 そこにお昼の12点鐘の鐘が鳴ったんだ。

 「あ、お昼よ。アレク君私お腹が空いたわ!」

 「「私も!」」

 「あっ!そうだ!」












 すうーーーーーっ。
 はあぁぁぁぁぁっ。

 すうーーーーーっ。
 はあぁぁぁぁぁっ。

 深呼吸。

 「怒る前に6秒待つんじゃなかった?お爺ちゃんが言ってたでしょアンガーマネジメントだって」

 「うん‥‥」

 「小童!おい小童!」

 「‥‥」

 「そうよアレク、ノー眼中よ」

 「うんシルフィ」

 「(オリビアさんありがとうございます。
 俺‥‥まだまだ青いです)」

 「(フフフ)」

 「なにが食べれるのかなあ」

 「「ホントねー!」」

 わざと明るく大きな声で言ってくれた第2分隊長のオリビアさんたち。お姉さん3人組に感謝だよ。

 「よし今より1点鐘休憩とする。アレク君食事をお願いできるかい?」

 「はいメイズさん!」


――――――――――


 「おつかれ様です。みなさんちょっと座って待っててくださいね」

 「「お、おい見たか!?」」

 「「椅子と机が発現したぞ!?」」

 簡単な長椅子と長テーブルを発現したんだ。ちょっと座るだけでも楽だもんね。20人分くらい雑作ないよ。

 それと同時に‥‥

 「お水で我慢してください。そこのコップでお好きにどうぞ」

 「「水の入れ物か!」」

 「「こんな大きなものが2台も発現したぞ!」」

 「「しかも冷たい!」」




 「内堀さん、外堀さんいらっしゃーい」

 ズズズーーーッッ!
 ズズズーーーッッ!

 「この先と後ろの100メル先に堀を2重 に発現してあります。たぶん乗り越えられる魔獣はいないと思いますからのんびりしてください」

 「ア、アレク君。堀とは?」

 ジャック副騎士団長さんが聞くから答えたんだ。

 「ダンジョン用なんです。幅、深さともに3メルと5メルありますからよほどの魔獣じゃないと跳びこえられないと思いますよ」

 「警備は?」

 「鳥系がいたら別ですけど、堀があるから警備は要りません。だってジャックさんもわかりますよね。俺も200メルくらい先まではわかりますから」

 肩の弓矢を指差して言ったんだ。

 「ワハハハハ。君が参加してくれて本当によかったよ。そうですねメイズ団長」

 「ああジャック」

 わははははは
 ワハハハハハ

 そう言ったジャックさんはメイズさんと笑いあったんだ。

 「小童!お前こんなもののために貴重な魔力を無駄遣いしたのか!」

 「別にー。こんなもんなら100でも200でも余裕で発現できますけど、なにか?」

 「くっ!」

 「(分隊長、アレク君って案外血の気が多いのね)」

 「(そんなところもフリージアが惹かれたのよ)」

 「「(そうよねー)」」





 昼ごはんはスピード重視だからね。ぱぱっと作ったんだ。

 「お待たせしました」

 「「「(もうできたのか!?)」」」

 「今日の昼ごはんはめちゃくちゃ簡単なものですいません。明日からはもっとちゃんと準備してもっとうまいもんを作りますから」

 今日の昼ごはんは、コッペパンに具材を挟んだもの。

 ミンチ肉を挟んだハンバーグサンド(ツクネサンド)と粉芋から作ったポテサラサンド。
 どっちもスプーンやフォークなどカトラリーも要らないからね。

 スープはコンソメスープ。持参したコンソメ顆粒は便利なんだよね。お湯を注ぐだけでいいから。

 「水はこのウォーターサーバーからお好きにどうぞ。あとお皿とコップは土魔法で発現してますから飲んだらそのまま捨ててもらって構いません。ダンジョン内だから土に還るだけですから」

 「ねえアレク君このパンって今焼いたの?」

 「はいジュディさん。土魔法は竈門が発現できるから便利なんですよね」

 「柔らかくてとっても美味しいパンだわ」

 「メリッサさん、騎士団さんの小麦粉をたくさん持ってきましたからね。今夜からはたくさん焼きますからどんどんお代わりしてくださいね」

 「モグモグモグ。とっても美味しいわ。ありがとうね!」

 「こんな美味しいスープも初めてよ」

 「アレク君は火魔法も発現できるの?」

 分隊長のオリビアさんが聞いたから答えたんだ。だって契約魔法結んでもらってるからバレても大丈夫だし。

 「あはは。ちょっぴり?」

 「水、土、火?ひょっとしてトリプルなの?!」

 「違うわ分隊長。アレク君は金も発現できたわ!」

 「ま、まさか4つ発現できるの?ウ、ウソ!?」

 「あははは。もうちょっと多めかな?」

 「すごい!すごいわ!フリージアが好きになるはずよね!」

 「いやいやオリビアさん違いますって。フリージアはただの友だちですって。だいたいあいつは俺をへ、へ、変なやつって思ってますから」

 「フフフ。本当に変な子ねアレク君は」

 「あははは。よく言われます」

 食事中、ルシうざおっさんは黙って俺を睨んでたよ。うん、俺はノー眼中だ。
 バリーさんはひたすら夢中で食ってた。

 「「「ごちそうさま(ごちそうさん)」」」

 多めに作ったハンバーグサンドもポテサラサンドもみんな食べきってくれたよ。ウォーターサーバーの水もほとんど飲んでくれたな。

 「じゃあ片します」

 ズズズーーッッ

 机も椅子もパン焼釜もウォーターサーバーも土に還っていった。

 「「「‥‥」」」

 あれ?ルシうざおっさんもバリーさんも喋らなくなったよ。

 ゴーン♪

 午後の1点鐘の鐘が鳴った。

 「よし。では6点鐘まで走るぞ」

 「「「はい!」」」


 ダッダッダッ‥‥

 ゴロゴロゴロ‥‥

 「アレク関、うまい昼メシだっだでごわすが‥‥おいはもっと腹が膨れる鍋がいいでごわす」

 「キザエモン、ちゃんこのことか?」

 「なんでアレク関はちゃんこを知ってるでごわすか!?」

 「マジかよ?ヤバいわ!」



―――――――――――――――


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