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別れ
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占いの街を出た2人は、ゲーセンに寄ってしばらく遊んだ後に別れた。
夕方、颯太は家に帰ってきた。
「ただいま」
リビングに入ると母親だけが居た。
「お帰り。さっきの電話は何だったの?」
と母は颯太が帰ってくるなり聞いてきた。
「うん。さっき周平と占いの街に行ってきたんだ」
と颯太はあつこさんとの出会いと弟の事を語った。
「そうなんだぁ。私も気にはなっていたんだよね。忘れたつもりはなかったんだけど、何にもしてあげてなかったねえ」と呟くように語った。
「ちょっと線香をあげてくる。母さんは?」
「お母さんはさっき手を合わせたわ」
「そう。じゃあ、行ってくる」そういうと颯太は仏間へと向かった。
颯太の自宅は、戦後、事業を起こして手広く商売をしていた祖父が建てた家で、周囲の一軒家の中では大きい方の一軒家だった。
おかげで結構広めの仏間があった。
部屋に入ると壁に掛けてある亡くなった祖母や祖父の遺影が目に入る。
仏壇の扉は空いていたのでろうそくに火をつけ線香も焚いて手を合わせた。
「健太、ごめんな。忘れていて。これから毎日手を合わせるからな。お兄ちゃんを恨むなよ。」と心の中で弟の事を祈った。
颯太はしばらく仏壇の前に正座したまま動かなかった。
「本当にごめんな。俺、まだ2歳だったから記憶に残らんかった。」
部屋の中には線香の香りが漂う。
「この頃の線香って良い匂いするなあ……」と颯太は感じた。
なんだか傍に弟の健太がいるような気がして、この場を離れ難かった。
しばらく仏壇の前で正座していたが、
「さてと」と言って
颯太は腰を上げて立ち上がった。ロウソクを消して部屋から出て行った。
仏壇に飾ってあったしきびの葉が揺れた。
夕御飯を食べてから自分の部屋に戻った颯太はしばらくネットでゲームをしていたが、時計の針が12時を越えたのに気がついてベッドに潜り込んだ。
ウトウトと寝かけた時に何か声みたいなものが聞こえた気がした。
しかしそれは夢見心地の颯太にとっては遠い遠い向こうの方から聞こえるこだまのような感じで、声と認識さえできていなかった。
また聞こえた。そして3度目に聞こえた時それは颯太の耳にはっきりと言葉となった。
「兄ちゃん……」
「う……ん……」
「お兄ちゃん」
「う~ん……え?」
「お兄ちゃん」
「……もしかして健太か?」
「うん」
颯太は目を開いて周りを見回したが、窓から入る街灯の光だけでは部屋の中はよく見えない。
手足を動かして金縛りに合ってないか確認したが、普通に手足は動いた。
「げ、化けて出たか?」
「違う」
「でも声が聞こえる」
「声だけね」
颯太には健太の声が普通に目の前で話をしているように聞こえている。
「なんで出てきた?」
「兄ちゃんが僕の声が聞こえるようになったから」
颯太は自分が今寝ぼけていない事を確認するために上半身を起こした。
「うん。寝ぼけてないな」
「夢じゃないよ。夢の中で話をしても良かったんだけど、起こしてみた。」
相手が弟とわかっていたからか颯太には恐怖感が全く無かった。それよりも今日まで全く忘れていたくせに懐かしささえ感じた。
「ごめんな。お前の事忘れていて。」
「良いよ。思い出してくれただけで満足だよ。それだけで、もう行ける」
「行くってどこへ?」
「よく分かんないけど上の方」
「そうなんだ。天国ってあるのかな」
「どうだろう?よく分からないよ。行った事ないから」
「そうかぁ。お前ず~と俺の横にいたのか」
「そんな訳ではないけど、でも……まあ居たかな」
「16年以上もよく居たなぁ」
「時間なんかあっという間だったよ。そういう感覚はなくなるみたい。」
「そうかぁ……でもお前と話するのは初めてだな」
「うん。そうだね」
「もっと早く話をしたかったな。」
颯太の頭もはっきりしてきたようだ。もう完全に目が覚めている。
「実は小学校の時は話をしていたよ。兄ちゃんが気がつかなかっただけで……」
颯太は軽く驚いて
「そうなんだ。知らなかった」
「周りから見たら兄ちゃんが独り言をブツブツ言っているだけにしか見えなかっただろうけどね。」
「あ、なんだか思い出した。自問自答しながら歩いていた事が何度もあったけど、あれってお前だったんだ……」
「そうだよ。兄ちゃんは気がつかなかったけどね。」
「やっぱりそうかぁ……自問自答にしては思いもよらない返事が帰ってくるなあ……と思っていたんだ。それによく父さんや母さんに『独り言の多い子供だ』と心配されていたんだが、あれはお前のせいか……」
「僕のせいかもしれないが、そこで存在に気づいて欲しかったな」
颯太はできれば健太の姿を見たいと思って部屋中を健太の姿を探しながら見回していたが、健太の姿は見えなかった。
「まあな。言われてみたらそうだな……あ、健太、ひとつ聞いて良いか?」
「何?」
「何故、俺の肩なんだ?姉ちゃんでも母さんでも、父さんでも良かったのに、なんで俺の左肩なんだ?」
「う~ん。なんでだろうねえ……。兄ちゃんが全く忘れ果てていたからかなぁ……。いや、兄ちゃんが一番近かったからかな。」
「近かった?」
「そう。歳も感覚も……なんだろう……色々なものが似ていたのかもしれない。」
「そうかぁ……でも残念な事をしたな。もっと早く気がついてやれば良かったな。」
颯太は天井を見上げてそう言った。
「兄ちゃん」
「なんだ?」
「今日は思い出してくれてありがとう。」
「もう行くのか?」
「うん。そろそろ行くよ。結構長い間、居過ぎたみたいだから……」
「分かった。これが最後か?」
「多分……」
「できたらまた来いよ」
「それはどうだろう?来れたら来ても良い?」
「良いよ。お前とはもっと話がしたいし兄弟なんだから会いたいのは当たり前じゃないか」
「分かった。じゃあ、また来るよ」
「お、待ってるよ」
「じゃあ、兄ちゃん行くね。」
「母さん達に何か言う事はあるか?」
「良いよ……言わなくても。変に言ったら母さんや父さん心配するよ。姉さんなんか絶対に兄ちゃんがおかしくなったと思うよ」
「そうかもしれんなあ……」
「じゃあね」
「うん。またな。」
部屋の空気が軽くなった。
部屋に仏間で炊いた線香の香りが漂っている。
「行ったか……今度こそ本当にさよならかな……」
颯太は少し寂しい気持ちになったまま、またベッドに横になった。
天井を見上げながら
「健太はどこに行くんだろう……いい所だったら良いのにな。」と思った。
「明日、あつこさんに会いに行ってみよう」と颯太は思った。
翌朝、朝食を取ってから颯太は周平の携帯に電話をかけて
「周平?俺。今日ヒマ?」
と聞いた。
「おお、悲しいかなヒマだな」
「じゃあ、また占いに行かない?」
「なんだ?颯太今度はお前か?」周平は笑いながら応えた。
「占いと言うか、昨日の結果報告と言うか……」
「お、そうだったな。弟が化けて出たか?」
「うん。あれを出たというなら出たな。」
「え~すっげ~。どんな感じで出た?」
と周平は非常にびっくりしたようだった。
「それは会って話すよ。今から出てこれる?」
「行ける!行ける!」
「じゃあ、占いの街のビルの前で」
「了解」
颯太は携帯電話を切ると
「ちょっと周平と会ってくる」と母親に行ってから出てかけた。
颯太と周平はビルの前で落ち合ってから、エレベーターに乗って3階で降りた。
二人であつこのブースを覗いてみたら、あつこが暇そうに本を読んていた。
「おはようございます」
と颯太と周平が入り口に居るのを見て、あつこは
「おはよう。入って」
と言って招き入れた。
「あ、まだチケット買ってない。」
と颯太が言うと
「良いわよ。モーニングサービスにしてあげる。」
とあつこがほほ笑んだ。
「済みません」
颯太はちょっと恐縮した。
「今日はどうしたの?」
と、優しく尋ねるあつこに颯太は
「実は弟が昨日の夜出たんです。声だけですけど」
と昨晩の事をあつこと周平に語った。
ほとんど黙って聞いていたあつこは話が終わると
「今は、颯太君の肩に弟さんいないよ。本当にもう行ったみたいね」
「やっぱり居ませんか……」
颯太はそれはそれでちょっと寂しかった。
それを見透かしたようにあつこが
「でもそれは良い事だよ。弟さんにとって。だから笑顔で送ってあげて」
と言った。
「はい。」
と颯太は返事をしたが、そのまま続けて
「僕がいつかあの世に行ったら弟に会えますかねえ?」
あつこは少し考えて
「思いがちゃんとあれば会えると思うよ」
「そうかぁ。だったら会いたいな。」
「うん。会えると良いね」
颯太はそのあつこの言葉が心に響いた。
この世では会えなかったがあの世では会いたいな。
出来ればまた兄弟でまた生まれてきたいな。兄弟げんかもしたかったな。
颯太はそんな事を思いながらあつこの顔を見た。
あつこは優しく笑って頷いた。
「また会おう……健太。」
颯太は心の中で強く思った。
夕方、颯太は家に帰ってきた。
「ただいま」
リビングに入ると母親だけが居た。
「お帰り。さっきの電話は何だったの?」
と母は颯太が帰ってくるなり聞いてきた。
「うん。さっき周平と占いの街に行ってきたんだ」
と颯太はあつこさんとの出会いと弟の事を語った。
「そうなんだぁ。私も気にはなっていたんだよね。忘れたつもりはなかったんだけど、何にもしてあげてなかったねえ」と呟くように語った。
「ちょっと線香をあげてくる。母さんは?」
「お母さんはさっき手を合わせたわ」
「そう。じゃあ、行ってくる」そういうと颯太は仏間へと向かった。
颯太の自宅は、戦後、事業を起こして手広く商売をしていた祖父が建てた家で、周囲の一軒家の中では大きい方の一軒家だった。
おかげで結構広めの仏間があった。
部屋に入ると壁に掛けてある亡くなった祖母や祖父の遺影が目に入る。
仏壇の扉は空いていたのでろうそくに火をつけ線香も焚いて手を合わせた。
「健太、ごめんな。忘れていて。これから毎日手を合わせるからな。お兄ちゃんを恨むなよ。」と心の中で弟の事を祈った。
颯太はしばらく仏壇の前に正座したまま動かなかった。
「本当にごめんな。俺、まだ2歳だったから記憶に残らんかった。」
部屋の中には線香の香りが漂う。
「この頃の線香って良い匂いするなあ……」と颯太は感じた。
なんだか傍に弟の健太がいるような気がして、この場を離れ難かった。
しばらく仏壇の前で正座していたが、
「さてと」と言って
颯太は腰を上げて立ち上がった。ロウソクを消して部屋から出て行った。
仏壇に飾ってあったしきびの葉が揺れた。
夕御飯を食べてから自分の部屋に戻った颯太はしばらくネットでゲームをしていたが、時計の針が12時を越えたのに気がついてベッドに潜り込んだ。
ウトウトと寝かけた時に何か声みたいなものが聞こえた気がした。
しかしそれは夢見心地の颯太にとっては遠い遠い向こうの方から聞こえるこだまのような感じで、声と認識さえできていなかった。
また聞こえた。そして3度目に聞こえた時それは颯太の耳にはっきりと言葉となった。
「兄ちゃん……」
「う……ん……」
「お兄ちゃん」
「う~ん……え?」
「お兄ちゃん」
「……もしかして健太か?」
「うん」
颯太は目を開いて周りを見回したが、窓から入る街灯の光だけでは部屋の中はよく見えない。
手足を動かして金縛りに合ってないか確認したが、普通に手足は動いた。
「げ、化けて出たか?」
「違う」
「でも声が聞こえる」
「声だけね」
颯太には健太の声が普通に目の前で話をしているように聞こえている。
「なんで出てきた?」
「兄ちゃんが僕の声が聞こえるようになったから」
颯太は自分が今寝ぼけていない事を確認するために上半身を起こした。
「うん。寝ぼけてないな」
「夢じゃないよ。夢の中で話をしても良かったんだけど、起こしてみた。」
相手が弟とわかっていたからか颯太には恐怖感が全く無かった。それよりも今日まで全く忘れていたくせに懐かしささえ感じた。
「ごめんな。お前の事忘れていて。」
「良いよ。思い出してくれただけで満足だよ。それだけで、もう行ける」
「行くってどこへ?」
「よく分かんないけど上の方」
「そうなんだ。天国ってあるのかな」
「どうだろう?よく分からないよ。行った事ないから」
「そうかぁ。お前ず~と俺の横にいたのか」
「そんな訳ではないけど、でも……まあ居たかな」
「16年以上もよく居たなぁ」
「時間なんかあっという間だったよ。そういう感覚はなくなるみたい。」
「そうかぁ……でもお前と話するのは初めてだな」
「うん。そうだね」
「もっと早く話をしたかったな。」
颯太の頭もはっきりしてきたようだ。もう完全に目が覚めている。
「実は小学校の時は話をしていたよ。兄ちゃんが気がつかなかっただけで……」
颯太は軽く驚いて
「そうなんだ。知らなかった」
「周りから見たら兄ちゃんが独り言をブツブツ言っているだけにしか見えなかっただろうけどね。」
「あ、なんだか思い出した。自問自答しながら歩いていた事が何度もあったけど、あれってお前だったんだ……」
「そうだよ。兄ちゃんは気がつかなかったけどね。」
「やっぱりそうかぁ……自問自答にしては思いもよらない返事が帰ってくるなあ……と思っていたんだ。それによく父さんや母さんに『独り言の多い子供だ』と心配されていたんだが、あれはお前のせいか……」
「僕のせいかもしれないが、そこで存在に気づいて欲しかったな」
颯太はできれば健太の姿を見たいと思って部屋中を健太の姿を探しながら見回していたが、健太の姿は見えなかった。
「まあな。言われてみたらそうだな……あ、健太、ひとつ聞いて良いか?」
「何?」
「何故、俺の肩なんだ?姉ちゃんでも母さんでも、父さんでも良かったのに、なんで俺の左肩なんだ?」
「う~ん。なんでだろうねえ……。兄ちゃんが全く忘れ果てていたからかなぁ……。いや、兄ちゃんが一番近かったからかな。」
「近かった?」
「そう。歳も感覚も……なんだろう……色々なものが似ていたのかもしれない。」
「そうかぁ……でも残念な事をしたな。もっと早く気がついてやれば良かったな。」
颯太は天井を見上げてそう言った。
「兄ちゃん」
「なんだ?」
「今日は思い出してくれてありがとう。」
「もう行くのか?」
「うん。そろそろ行くよ。結構長い間、居過ぎたみたいだから……」
「分かった。これが最後か?」
「多分……」
「できたらまた来いよ」
「それはどうだろう?来れたら来ても良い?」
「良いよ。お前とはもっと話がしたいし兄弟なんだから会いたいのは当たり前じゃないか」
「分かった。じゃあ、また来るよ」
「お、待ってるよ」
「じゃあ、兄ちゃん行くね。」
「母さん達に何か言う事はあるか?」
「良いよ……言わなくても。変に言ったら母さんや父さん心配するよ。姉さんなんか絶対に兄ちゃんがおかしくなったと思うよ」
「そうかもしれんなあ……」
「じゃあね」
「うん。またな。」
部屋の空気が軽くなった。
部屋に仏間で炊いた線香の香りが漂っている。
「行ったか……今度こそ本当にさよならかな……」
颯太は少し寂しい気持ちになったまま、またベッドに横になった。
天井を見上げながら
「健太はどこに行くんだろう……いい所だったら良いのにな。」と思った。
「明日、あつこさんに会いに行ってみよう」と颯太は思った。
翌朝、朝食を取ってから颯太は周平の携帯に電話をかけて
「周平?俺。今日ヒマ?」
と聞いた。
「おお、悲しいかなヒマだな」
「じゃあ、また占いに行かない?」
「なんだ?颯太今度はお前か?」周平は笑いながら応えた。
「占いと言うか、昨日の結果報告と言うか……」
「お、そうだったな。弟が化けて出たか?」
「うん。あれを出たというなら出たな。」
「え~すっげ~。どんな感じで出た?」
と周平は非常にびっくりしたようだった。
「それは会って話すよ。今から出てこれる?」
「行ける!行ける!」
「じゃあ、占いの街のビルの前で」
「了解」
颯太は携帯電話を切ると
「ちょっと周平と会ってくる」と母親に行ってから出てかけた。
颯太と周平はビルの前で落ち合ってから、エレベーターに乗って3階で降りた。
二人であつこのブースを覗いてみたら、あつこが暇そうに本を読んていた。
「おはようございます」
と颯太と周平が入り口に居るのを見て、あつこは
「おはよう。入って」
と言って招き入れた。
「あ、まだチケット買ってない。」
と颯太が言うと
「良いわよ。モーニングサービスにしてあげる。」
とあつこがほほ笑んだ。
「済みません」
颯太はちょっと恐縮した。
「今日はどうしたの?」
と、優しく尋ねるあつこに颯太は
「実は弟が昨日の夜出たんです。声だけですけど」
と昨晩の事をあつこと周平に語った。
ほとんど黙って聞いていたあつこは話が終わると
「今は、颯太君の肩に弟さんいないよ。本当にもう行ったみたいね」
「やっぱり居ませんか……」
颯太はそれはそれでちょっと寂しかった。
それを見透かしたようにあつこが
「でもそれは良い事だよ。弟さんにとって。だから笑顔で送ってあげて」
と言った。
「はい。」
と颯太は返事をしたが、そのまま続けて
「僕がいつかあの世に行ったら弟に会えますかねえ?」
あつこは少し考えて
「思いがちゃんとあれば会えると思うよ」
「そうかぁ。だったら会いたいな。」
「うん。会えると良いね」
颯太はそのあつこの言葉が心に響いた。
この世では会えなかったがあの世では会いたいな。
出来ればまた兄弟でまた生まれてきたいな。兄弟げんかもしたかったな。
颯太はそんな事を思いながらあつこの顔を見た。
あつこは優しく笑って頷いた。
「また会おう……健太。」
颯太は心の中で強く思った。
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