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#20 人外な山賊
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「たっぷり身代金をふんだくってやろう」
山賊が黄色い歯を覗かせます。
「人質はお貴族様一人ともう一人で十分だ。残りは縛ってその辺に転がしておけ。明日までには誰かここを通るはずだ。そいつらに助けてもらえ」
護衛の兵士を倒された私たちに為す術はありません。山賊たちは子爵を縛り上げると、剣の柄で後頭部を殴りつけて失神させ、彼らが木々の裏に隠していた馬車に乗せました。
残された私たちは見ることしか出来ません。
「誰を連れていきやす?」
「そうだな。一番綺麗な奴にしろ」
「了解!」
山賊たちの下卑た視線が私に集まりました。
こうして私は山賊に縛られ子爵と同じ馬車に乗せられました。そして、山賊たちは私たちが乗ってきた馬車まで奪い、だみ声を響かせて高笑いをするのでした。
◆◇
「そろそろ縄を解いてくれる?」
「かしこまりました」
私と子爵が山賊に攫われてから少し経ちました。
揺れる馬車の中、山賊の長が私を縛る縄を解き、何処から取り出したのかティーカップに注がれた熱々の紅茶を差し出しました。私はそれを受け取り、香りを鼻腔一杯に吸い込みます。
「やっぱりこの茶葉が一番好き」
傍から見た人は何が何だかわからないでしょう。先ほどまで狼藉を働いていた山賊がしおらしく私の世話をしているのです。魔法で服従させたわけではありません。彼らにそういった魔法は効きません。
だってこの山賊たちは私の配下のジンたちですから。
魔法も何も最初から私の支配下なのです。
つまり、私は子爵を捕まえるために山賊に擬態させたジンたちを使って一芝居打ったというわけです。私はオペラが好きですから、こういうちょっとした寸劇をしてみたかったのです。
「こいつが我が主を毒殺した人間ですか?」
山賊の長が気絶している子爵を覗き込む。
「そうよ。そいつが私を殺したの」
「目覚めてたらどんな顔をするのか楽しみですね」
「ええ」
さて、それでは子爵を山賊のアジト、もとい悪魔城の地下牢へ運びましょう。
山賊が黄色い歯を覗かせます。
「人質はお貴族様一人ともう一人で十分だ。残りは縛ってその辺に転がしておけ。明日までには誰かここを通るはずだ。そいつらに助けてもらえ」
護衛の兵士を倒された私たちに為す術はありません。山賊たちは子爵を縛り上げると、剣の柄で後頭部を殴りつけて失神させ、彼らが木々の裏に隠していた馬車に乗せました。
残された私たちは見ることしか出来ません。
「誰を連れていきやす?」
「そうだな。一番綺麗な奴にしろ」
「了解!」
山賊たちの下卑た視線が私に集まりました。
こうして私は山賊に縛られ子爵と同じ馬車に乗せられました。そして、山賊たちは私たちが乗ってきた馬車まで奪い、だみ声を響かせて高笑いをするのでした。
◆◇
「そろそろ縄を解いてくれる?」
「かしこまりました」
私と子爵が山賊に攫われてから少し経ちました。
揺れる馬車の中、山賊の長が私を縛る縄を解き、何処から取り出したのかティーカップに注がれた熱々の紅茶を差し出しました。私はそれを受け取り、香りを鼻腔一杯に吸い込みます。
「やっぱりこの茶葉が一番好き」
傍から見た人は何が何だかわからないでしょう。先ほどまで狼藉を働いていた山賊がしおらしく私の世話をしているのです。魔法で服従させたわけではありません。彼らにそういった魔法は効きません。
だってこの山賊たちは私の配下のジンたちですから。
魔法も何も最初から私の支配下なのです。
つまり、私は子爵を捕まえるために山賊に擬態させたジンたちを使って一芝居打ったというわけです。私はオペラが好きですから、こういうちょっとした寸劇をしてみたかったのです。
「こいつが我が主を毒殺した人間ですか?」
山賊の長が気絶している子爵を覗き込む。
「そうよ。そいつが私を殺したの」
「目覚めてたらどんな顔をするのか楽しみですね」
「ええ」
さて、それでは子爵を山賊のアジト、もとい悪魔城の地下牢へ運びましょう。
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