ウィズウィルス

幽零

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景色

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外へ出た俺は、驚きの連続だった。この施設に入る前、ここは確かに大都市として栄えていた事を覚えている。しかし、今やここは植物の楽園のような場所になっている。

木々は生い茂り、よく分からん虫みたいなものがふわふわ飛んでいる。


……変わった、の一言で済まして良いのだろうか?ただ俺はこの景色を神秘的だとも思ってしまった。まるでそこに人間の文明は必要ないもののように思えたんだ。……いや、その通りなのかもしれない。元から地球上にいらなかったものは人間の文明の方だったのかもしれない。



俺はしばらくこの壮大な景色を眺めていたが、それが目的であの施設を出た訳ではない。足を進める事にする。


歩いている道には植物がアスファルトを突き破って、生い茂っていた。


「……すごいなぁ」


植物の生命力に驚きながら、俺は小銃のベルトを持ち直し、ズンズン進んでいった。


途中何やらツボのような植物が道端に生えてるいるのを見つけた。それは本当にツボのような形をしており、中に水分を含んでいるようだった。喉も乾いてきたのでそろそろ水分が欲しいと思っていたところだが、これは大丈夫なのか……?


「うーん、下手に体調も崩したくないしなぁ…」


そこで思い出したのが、施設にあったあの端末だった。

端末を取り出し、横のスイッチを入れると、端末の上部がカチャッと音を立て開き、そこから針のような物が出た。この針を植物にさしたりするとそれがどのようなものか自動で検索してくれる機能らしい。いやはや、俺が監禁されているうちにトンデモ技術が出来上がったものだ。


針をツボのような植物に刺し、しばらくするとピピッという機械音がなった。タッチパネル式の端末の画面には、『ミズボ』と表示されている。このツボのような植物はミズボというものらしい。植物名の下に説明書きのような物があったので読んでみる。


『ミズボ』はそのツボのような花弁の内側に雨などで溜まった水をろ過して貯めておくことの出来る植物。ミズボ自体は食べれないが、中に貯まっている水分は人間が飲んでも問題ない。水分の多い場所に発生する。



「ふーん、つまり食べれないけど、この中の水は飲んでも平気って事かぁ」


俺は『ミズボ』なる植物の、一応は花弁に当たるらしい部分であるツボをちぎって中の水分を飲んだ。ツボのサイズは手で握って少し大きいぐらい。まぁ小さめのペットボトルのようなサイズだ。


『ミズボ』で喉の乾きを潤すと、また道無き道を歩いていく。


シャクシャクと植物を踏みながら歩いていると、もう風化してしばらく経つのか、さびた標識のような物がたっているのが目に入った。標識にかろうじて読める、『止まれ』と言う文字を見るあたり、どうやら俺の歩いている道は道路だったらしい。まぁ、こんなだだっ広い道が道路じゃなければ何の道なんだって話だが。


俺は何の気なしに持っている小銃をそれっぽく構えて見る。『VTIH』の『抗体保持者』と言うことを除けば、ただの一般人である俺は当然ながら小銃など生まれてこの方持った試しは無いし、撃ったことなどもちろんない。自衛目的で持ち歩いているが、どれぐらいの威力なのかは知っておいた方がいいだろうと思った。


黒光りする銃身を構え、恐らく『ドットサイト』と呼ばれる、赤丸のついたスコープを覗きながら、標識に狙いを定める……


「FPS」と呼ばれるゲームをやりこんでいた時はあったが、ゲームと現実ではその『重み』が違う事に気付かされる。引き金に指を当てて……


生まれて初めて、本物の銃の引き金を引いた…


『ドドドンッ』と言う銃声と共に三発の弾丸が発射された。三発しか撃てないのか?と持ったのだが、どうやらこの武器は「単発」「三連発」「連射」と使い分けることの出来る、かなり高性能な小銃だったらしい。

「……結構反動あるなぁ…」

肩に当てていた部分からかなりの反動を感じた。……少し痺れただろか?


標識に目をやると、丸い標識の中央から上にかけて3つ穴が空いているのを確認した。風化しても鉄。それを貫通できるのなら、護身用としては充分な威力だろう。


……狙いが定まるように練習は必要だろうな。まぁ弾丸はそれこそ腐るほどある訳だし、標識など良いターゲットを見つけたら練習するべきかもしれない。


とりあえず俺は「小銃の狙いを定める練習」をするべき行動に加え、再び道を歩き始める。










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