9 / 9
その名は……?はよ名乗れ
しおりを挟む
「大丈夫だったかい?」
前略、盗賊団に絡まれて結構ピンチだったが、突如現れたイケメン剣士に助けられた。
白金に輝く煌びやかな鎧に身を包み、美しいブロンド色に輝く髪は風に撫でられ靡いている。憂いを孕むそのアンニュイな彗星色の瞳には、無条件に惹かれる力を感じる。その瞳の端に浮かぶ涙ホクロもセクシーである。
……とどのつまりはイッケメーン。
「で、誰よ?」
ハイサル、至極当然なツッコミ。
「あぁ済まない。ボクは王国の……まぁ、剣士のような者かな。それでいて……」
「はよ名乗れ」
「あぁ、済まない。肩書きが多くてつい……」
穏やかに微笑むと、剣士と名乗った男はこちらに向き直る。
「ボクは、『ディヴァイン』。王国の剣士だと思って貰えれば嬉しいな」
「っという事は……」
フォルトは、トキシーを見て再び逃げる姿勢を取る。
「……ん?あぁ、安心して。ボクは確かに王国の人間だけど、指名手配犯を追求する気も無ければ、衛兵に突き出すような真似もしないよ」
ディヴァインと名乗った美形剣士は、どうやらトキシーの件で追ってきた訳では無いらしい。
「よかったねートキシー」
「そうですわね~。あ、ハイサル君口元に食べカスが……」
懐から出したハンカチで、ハイサルの口をフキフキするトキシー。
「……だが、王国の剣士がこんな所で何をしているんだ?」
「う~ん、ちょっと説明が難しいんだけど……国からの依頼でちょっと人を探していてね」
「へ~、国から追われる事になったオレ達とは大違いだなー」
ハイサルの頬を引っ張りつつ、フォルトは続ける。
「……要人なのか?」
「まぁ、そんな所だね。それで外を探していた所、君たちが襲われていたから加勢したって所かな」
「……そうか、危ない所を助けて貰って感謝する」
「大丈夫。人を助けるのも、ボクの仕事だからね」
ディヴァインが穏やかに微笑み、続けてトキシーの方を見る。
「君は、トキシーだね。教会から異端扱い、そして王国からは指名手配されている……か」
「あら、わたくしをご存知なのですか~?」
「君は良くも悪くも有名人だからね。しかし、そのせいで随分と不自由しているみたいだ」
「わたくしはやりたい事をしただけですわよ~」
「そっか。だけど、そこの二人まで巻き込まれているのは流石に可哀想だ」
トキシーは王国で指名手配されているはずだが、ディヴァインは特に捕まえる気が無いらしい。
「そうだ。君たち、ボクの人探しを手伝ってくれないかい?」
「……何でだ?」
フォルトが警戒気味に聞くと、ディヴァインは心を見透かしたように続ける。
「手伝ってくれれば、ボクから王国のお偉いさんに進言できる。勿論、無罪放免にはならないと思うけど、王国を出入り出来るようにはなる筈だよ……まぁ、人探しっていっても危険もあるだろうから……」
「良いよー」
「……え!?早く無いかい!?」
二の句を待たず了承したハイサルに、ディヴァインの方が面食らう。
「まぁ、『勇者候補』っていう目的も無くなっちゃったしー。ディヴァインに助けられて無かったら、オレ達危なかったしぃー」
楽観的なハイサルを見て、フォルトは顔を抑える。
「……またお前は何も考えずに……」
「あらあら、良いじゃありませんか。善行は積んで損はありませんよ?」
「指名手配犯が言うな……」
「……ハハッ、ハハハッッ!!」
突然、ディヴァインが笑う。
「面白い人達だね。いいや、違うな。ボクはこう見えてパーティを組むのが久しぶりなんだ。不謹慎だけど、この状況を楽しんでるボクがいる」
腰のベルトから、煌びやかで神々しい剣をとって前にだす。
「よろしく、えーっと……」
「あ、そうか。オレはハイサル。よろしくなーディヴァイン!」
「フォルトだ」
「うん、ハイサルとフォルトか。あとトキシー、君もだね。よろしく」
「あらあら~」
コンッとお互いの手の甲をぶつける。古き良き、パーティ結成の合図だ。
「……う……」
そこで、盗賊団長が呻き声を上げた。
「あ、そう言えば。彼らを忘れていたな……」
「早く縛れ!!!」
「あら~」
フォルトが急いで盗賊達を後手に縛り始める。
「案外抜けてんのね」
「うーん、締まらないなぁ」
イタズラっぽくツンツンと突っ込むハイサルに、照れるように笑顔を浮かべるディヴァイン。
「お前らも手伝え!!」
「あら~、ならわたくしも~」
「いや、お前は大人しくしててくれ」
目に見えてしょんぼりするトキシー。まずは、嬉々として薬品を取り出す事をやめるところからである。
前略、盗賊団に絡まれて結構ピンチだったが、突如現れたイケメン剣士に助けられた。
白金に輝く煌びやかな鎧に身を包み、美しいブロンド色に輝く髪は風に撫でられ靡いている。憂いを孕むそのアンニュイな彗星色の瞳には、無条件に惹かれる力を感じる。その瞳の端に浮かぶ涙ホクロもセクシーである。
……とどのつまりはイッケメーン。
「で、誰よ?」
ハイサル、至極当然なツッコミ。
「あぁ済まない。ボクは王国の……まぁ、剣士のような者かな。それでいて……」
「はよ名乗れ」
「あぁ、済まない。肩書きが多くてつい……」
穏やかに微笑むと、剣士と名乗った男はこちらに向き直る。
「ボクは、『ディヴァイン』。王国の剣士だと思って貰えれば嬉しいな」
「っという事は……」
フォルトは、トキシーを見て再び逃げる姿勢を取る。
「……ん?あぁ、安心して。ボクは確かに王国の人間だけど、指名手配犯を追求する気も無ければ、衛兵に突き出すような真似もしないよ」
ディヴァインと名乗った美形剣士は、どうやらトキシーの件で追ってきた訳では無いらしい。
「よかったねートキシー」
「そうですわね~。あ、ハイサル君口元に食べカスが……」
懐から出したハンカチで、ハイサルの口をフキフキするトキシー。
「……だが、王国の剣士がこんな所で何をしているんだ?」
「う~ん、ちょっと説明が難しいんだけど……国からの依頼でちょっと人を探していてね」
「へ~、国から追われる事になったオレ達とは大違いだなー」
ハイサルの頬を引っ張りつつ、フォルトは続ける。
「……要人なのか?」
「まぁ、そんな所だね。それで外を探していた所、君たちが襲われていたから加勢したって所かな」
「……そうか、危ない所を助けて貰って感謝する」
「大丈夫。人を助けるのも、ボクの仕事だからね」
ディヴァインが穏やかに微笑み、続けてトキシーの方を見る。
「君は、トキシーだね。教会から異端扱い、そして王国からは指名手配されている……か」
「あら、わたくしをご存知なのですか~?」
「君は良くも悪くも有名人だからね。しかし、そのせいで随分と不自由しているみたいだ」
「わたくしはやりたい事をしただけですわよ~」
「そっか。だけど、そこの二人まで巻き込まれているのは流石に可哀想だ」
トキシーは王国で指名手配されているはずだが、ディヴァインは特に捕まえる気が無いらしい。
「そうだ。君たち、ボクの人探しを手伝ってくれないかい?」
「……何でだ?」
フォルトが警戒気味に聞くと、ディヴァインは心を見透かしたように続ける。
「手伝ってくれれば、ボクから王国のお偉いさんに進言できる。勿論、無罪放免にはならないと思うけど、王国を出入り出来るようにはなる筈だよ……まぁ、人探しっていっても危険もあるだろうから……」
「良いよー」
「……え!?早く無いかい!?」
二の句を待たず了承したハイサルに、ディヴァインの方が面食らう。
「まぁ、『勇者候補』っていう目的も無くなっちゃったしー。ディヴァインに助けられて無かったら、オレ達危なかったしぃー」
楽観的なハイサルを見て、フォルトは顔を抑える。
「……またお前は何も考えずに……」
「あらあら、良いじゃありませんか。善行は積んで損はありませんよ?」
「指名手配犯が言うな……」
「……ハハッ、ハハハッッ!!」
突然、ディヴァインが笑う。
「面白い人達だね。いいや、違うな。ボクはこう見えてパーティを組むのが久しぶりなんだ。不謹慎だけど、この状況を楽しんでるボクがいる」
腰のベルトから、煌びやかで神々しい剣をとって前にだす。
「よろしく、えーっと……」
「あ、そうか。オレはハイサル。よろしくなーディヴァイン!」
「フォルトだ」
「うん、ハイサルとフォルトか。あとトキシー、君もだね。よろしく」
「あらあら~」
コンッとお互いの手の甲をぶつける。古き良き、パーティ結成の合図だ。
「……う……」
そこで、盗賊団長が呻き声を上げた。
「あ、そう言えば。彼らを忘れていたな……」
「早く縛れ!!!」
「あら~」
フォルトが急いで盗賊達を後手に縛り始める。
「案外抜けてんのね」
「うーん、締まらないなぁ」
イタズラっぽくツンツンと突っ込むハイサルに、照れるように笑顔を浮かべるディヴァイン。
「お前らも手伝え!!」
「あら~、ならわたくしも~」
「いや、お前は大人しくしててくれ」
目に見えてしょんぼりするトキシー。まずは、嬉々として薬品を取り出す事をやめるところからである。
10
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(7件)
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
おい、なんかきたぞ?
おい、またなんか来たぞ?
凄い対象的なのが( ˙꒳˙ )
普通ならこっちが主人公……
やばそーな人(仮)がヤバい奴(確定)になった
更新して、2分で感想が来るやべー人もいる。作者より感謝を込めて。
うん、、もう、、想定以上だわ、
、、援護、、とは?
援護!!(攻撃)