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幼なじみのお兄ちゃんへの気持ち。

32 だめえええええええっ! ~三人でお星をいっぱい見ました~

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 答える余裕など、もうない。
 もう、十分すぎる程に理解してしまったから。

 二人に、好きだって言われて。
 丹念に丹念にイヤらしい事をされて。

 気持ち良くない訳がない。
 
 ほのかと葛の唇が、舌が、指が。
 そんな妄想が、僕の体中を痺れさせる。

 これがグッズで、煽りだとしても。
 からかいだって言われたとしても。

 こんなに好きだったんだってわかってしまった。

 気持ちよさが、止まらない。
 ほのかと葛への気持ちが、止まらない。

 ほどかれた手の拘束は、形を変え。
 ほのかと葛の片方の手との、恋人繋ぎに変わっていた。

 この恋人繋ぎでさえも。
 時折握り返してくる二人の気持ちさえも。
 
 更なる快感へと導いていく。

「えへへ☆お兄ちゃんの、すっごくビクビクしてる!もうすぐかな?いっぱい気持ちくなってね!」

 ん、あー。
 ん。

「うあ?!」

 包み込まれた僕。
 余りの気持ち良さに、腰が跳ね上がった。

 

「あら、優ちゃん可愛い顔して。もっと声も聞かせて?」
「あああっ!」

 何かが、僕に沿って上下して。
 何かが、付け根の裏側を何度も通過する。

 ゆっくり。
 激しく。
 根元まで絞り込んでいく。

「ぷはっ。次からは、ほのかと葛のかわりばんこだよ!10秒交代するから、気持ちーほうでぴゅぴゅっ!てしてね!」
「私の、に決まってるでしょ?ね、優ちゃん」
「お兄ちゃんラブぱわーなら負けないよっ!」
「私が負けるわけないでしょう?ふふ、今日は一段と大きい……興奮してるのね、嬉しいわ」

 あーん。
 んふ。

 僕の先っぽの。
 へりを、その裏側を。
 ぬるぬるとしたものに、柔らかく纏わりつかれては通過していく。

 葛の挑戦的な声が、くぐもった息遣いになり。
 こつんこつんと先っぽにあたる度に、悲鳴に変わる。

 そして、10秒ごとにまた変わり。
 次は別の方向から同時に攻められる。



 これは、ほのかのグッズなのか。
 それとも、本当にしているのか。
 あの可愛い顔と長い舌で。

 今は、葛のグッズなのか。
 それとも。
 あの美しい顔を上下させて。



 見えない光景が。
 妄想が。
 気持ちよさに追い打ちをかけていく。

 荒い息遣いと。
 くぐもった声と。
 響き渡る、別々の水っぽい音が絡み合って。

「はあ、はあ、はあ……あ、ほのか!葛!もう、あ!」

 悲鳴の様な声が出た。

 もう、ダメだ。
 おへその下あたりから、せり上がってきた。

 このまま。

 柔らかさと葛の温かさに包まれながら。
 きっとパトスを出してしまうだろう。

 恥ずかしい僕の、迸る瞬間を見られて。
 二人の身体に、粗相をしてしまうかもしれない。

 もしかすると、二人が使うグッズに。
 もしかすると……ほのかと葛の口の中に。

 もしかすると。
 大好きなほのかの。
 大好きな葛の中に。

 
 気持ちよさが止まらない。
 妄想が止まらない。
 二人への好きが、止まらない。

 僕が粗相をする。その前に。
 大好きな二人に、僕も何かしてあげたい。

 手探りで見つけたほのかの熱く湿るところを、上下にこすっていく。
 葛の息遣いの下に手を伸ばして、指先で二つの硬い感触を優しく弄ってみる。

 二人の体が、びくん!と跳ねた。
 すぐに触りやすいように身体をずらしてくれた。

 両手の先には、とんでもなく潤った固いものがある。
 これは。
 まさか、これは二人の。

 妄想で、僕の腰が跳ねあがる。
 こつんこつんこつん!と突いてしまう。
 くぐもった悲鳴が上がる。

 僕の手が、ぐちゅぐちゅぐちゅという音と共に二人の声をかき乱す。
 上下左右から、違うぬめりが僕に絶え間なく襲い掛かる。

 僕らの動きがどうしようもなく早まっていく。
 僕らの声が、悲鳴しかなくなっていく。

「あ!あ!お兄ちゃんの指!指ぃ……!そんなにこりこりしたらっ……やあっ?!」
「んふぅ!……んん!はぁ!優兄ちゃ!もっと喉の奥をごつんごつんしてえ!んむう!ん!ん!」
「お兄ちゃん好き!好き!好き!」
「ん!ん!ん!ん、ん、ん、んんっんんっんんっ!」

 激しさを増した声と動きと、快感に。
 僕はとうとう、叫んだ。

「ほのか、葛!お兄ちゃんも大好きだ!……あ!ああ!!」
「ああああ、あ!……はえっ?嘘っ!今、好……あ!だめえええええええっ!」
「?!……んん?!んんんーーーーー!!!」


 同時に、震えて。
 叫んで。

 汗ばんだ体を絡み合わせながら。
 何度も何度も名前を呼び合いながら。
 撫であう体を震わせながら。

 僕らは動きを止めた。

 でも。

 僕らは止まらない。
 温もりの中でまた僕らは興奮し。
 誰からともなく、ついばみ始める。
 


● 


 真っ暗な闇の中。
 夢とは思えない、夢のような温もりの中。

 何度も何度も。
 ゆっくりと星が流れて、消えていった。
 
 


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