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第3話 食堂イベだってよ
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「おっしゃ!食堂イベだ!!」
あーもうすぐで昼食の時間かぁ。
お腹すいたなぁ.....いつもは売店で買ってあちこちで食ってたけど、王道君が居るから今日は食堂かな。俺は特待生で食費とか全部学校持ちでタダだからどれだけ高いものを食べようが懐が痛まない!あぁ特待生制度最高!
ん?なんでいつも食堂で食べないかだって?
そりゃーあんな騒がしいところで食べるなんて食欲失せちゃうよ。普通に乱闘とかやってるからね?チキンな俺はそんな物騒な空間で食事なんてできないのさ。
「食堂イベ♪食堂イベ♪さぁ、愛斗!食堂へ行こうじゃないか!」
三津谷さぁ....まだ授業終わってないんだけど。見てみ?卯月先生の悲しそうな顔。
今まで真面目(?)に授業を受けていた三津谷が急に奇声を発したり、意味のわからんことを言い出したりして目を白黒させてたぞ。
数少ない真面目生徒が減ったんだ卯月先生の悲しさは推し量れない。
授業中みんな静かなんだけど俺みたいにノートとってるやつなんて片手で数えれる程しかいないからね?だいたいスマホ弄ってるか寝てるかだよ。
.....俺も偶に、たま~に寝てるけど。
キーンコーンカーンコーンーー
「終わった~!じゃ行こうか!」
「お、おい晃輝!?っ未途」
「痛たたたたた!?ちょ、俺も行くから!そんな掴まないでっ。」
腕ちぎれるかと思った。とりあえず三津谷に落ち着けと頭を叩き黙らせ....復活しやがった。
もういいや.....。
王道君は三津谷に引っ張られ、俺は王道君に引っ張られる形で食堂へドナドナされた。
と、その道中ある男を発見した。
「あ!仁哉!!」
「あ゛?」
おぉう、ドスの効いた低い声ぇ。
前方に歩いていた済賀君を発見した王道君は三津谷の腕を振り払い俺を掴んだまま済賀君に駆け寄った。いや、三津谷の腕振りほどけるんかーい!
ってかなんで俺を掴んだまま行動するの??
「仁哉っ一緒に食堂行こうぜ!」
「うぜぇ。.....?なんで設楽が居るんだよ?」
「えーっと王道じゃなくて、砂杜君のお世話係になったんだ。この学園のことまだわかんないだろうし。」
「.....へぇ、珍しいな。」
「未途!愛斗って呼べよ!友達なんだから!」
「あはは、は」
ここは笑って返事を誤魔化す!
済賀君は抵抗したが王道君の力によって無理矢理食堂へ行く仲間になった。
テッテレー♪
済賀 仁哉が仲間に加わった!
攻撃力:90
頭脳:85
顔の怖さ:90
状態異常:怒り
ヒェッ.......。
俺は王道君に同じ様に腕を掴まれている済賀君の方を見れないでいる。右側から怖いくらいの威圧感がするからだ。
さっきまで周りが王道君に罵詈雑言吐いてたのに今では誰もこっちを見ないし、俺達の歩く音しか聞こえないという.....。
済賀君まじパネェ。
そんな済賀君をグイグイ引っ張る王道君の小さな身体に、どこにそんな力があるのか不思議でならない。あの済賀君が振り解けないって相当の力だよ?
あのど腐れ野郎はなんかブツブツ言っててキモいし。
静かな廊下にボソボソと聞こえる声.....
「うっわ~、一匹狼の済賀様を手懐けてる愛斗hshs。済賀様最初嫌そうにしてたけど振りほどいてないって事は満更でもない感じですか!?うっは萌え。今まで見た目で敬遠されてた俺に怯えず対等に話してくる愛斗に心奪われちゃったんですね!?もぉ~素直じゃないなぁ済賀様。だけど愛斗と2人っきりになったら素直に甘えるんですよね!?そうですよね?ご馳走様です!今だって手繋がれて柄にもなくドキドキしてるとかっ、ヤバい鼻血でそう!」
キメェ。
三津谷お前な!その独り言俺に聞こえてるってことは済賀君にも聞こえてるんだよ!俺の隣にいるから!!
済賀君が不機嫌なオーラ出してんのお前のせいじゃないの!?王道君関係なしで!
ほんとにまじ黙れよ。俺がもし不機嫌な済賀君の拳の餌食になったらお前まじ許さんからな?
俺は生きた心地のしないまま食堂へたどり着いた。ぶっちゃけもう食欲失せとるんだが。
行かなきゃダメ?
そんな俺の気持ちなどお構い無しに三津谷が扉をくぐり食堂へと足を踏み入れた。
「うおー!!スゲェ!これが食堂?レストランじゃねーか!?」
うわん、耳いてぇ。そんな近距離で大声出さんといてくれよ。隣の済賀君がもうやばいんだけど。
まぁ王道君の言いたいことはわかる。高校でここに入ってきた時俺も驚いたからなこの豪華さに。そしてこの食堂が破壊される光景に。
.....今思い出しても身を震えさせられる。金がかかってそうなテーブルや食器、料理が乱闘によりぐちゃぐちゃになる光景は恐ろしい。幾ら弁償金を払えばいいのか....。金がなくて特待生で入学してる身としてはここの備品を壊すことは出来ない!
食堂って俺にとっちゃ地雷原なんだよなぁ。
「おーい愛斗!ここ座ろう!」
俺達は三津谷が獲得した席に座った。
.....俺は見た。ここに座っていたゴリラ系男子達が三津谷の顔を見て鼻の下を伸ばして席を譲ったことを。そして三津谷に握手を求めその握られた手の匂いを嗅いでいたことを。
嫌なもん見ちまったな。更にない食欲がどん底になったんだけど。
三津谷顔だけはいいからなぁ。でも変態だし。
あの変態ゴリラ共と三津谷って案外気が合うかもな。変態同士で。
「なぁなぁこれタッチパネルか?これで注文するのか?」
「あぁ、タッチパネルで料理を注文するのは合ってるんだけど、その前に部屋のカードキーをここにスライドして、そんで頼むんだ。ここでは大体がカードキーで解決できるから無くさないようにね?今日は三津谷の奢りらしいから好きなの頼んでいいってさ。」
「え、俺そんなこと一言も、ってえ!?いつの間に俺のカードキーを!?」
「うんわかった!うぉーハイテクだ。何にしようかなぁ.....よしオムライスにするぞ!」
「ナイスチョイス!やっぱり王道と言えばオムライスだよね!流石愛斗。期待を裏切らない。もーいくらでも奢っちゃう!」
「晃輝ごっつぁん!」
この腐男子チョロいな。
俺もなんか頼も。メニュー見てたらどん底だった食欲も盛り返してきたし。
隣に座る済賀君は顰めっ面しながらもタッチパネルで頼んでいた。チラッと見えたが生姜焼き定食だったよ。....うん、済賀君らしい。
俺は軽いものにしよ。よし決めた。
カツサンドだ。
素早くタッチパネルで頼んで目の前の王道君と三津谷のじゃれ合いをぼーっと見る。
思ったんだけど済賀君ちゃんと一緒に食ってくれるんだね、俺達と。王道君からもう手を離されて自由の身なのに。
はっ!?まさか三津谷が言っていたことはあながち間違ってなかったとか?
もしかして済賀君マジで王道君にほの字ですかね?
「おい、今何考えた?」
「!?」
あばばばばばばばばばば!?
頭を片手で捕まれ握り潰す気では!?と思ってしまうほどの怒気を感じた。
そろりと済賀君を見ると目元をピクピクさせ凶悪な顔でこちらを見ている。.....笑顔が怖いっす。
「なんかすげぇ不快なこと考えてなかったか?鳥肌が収まんねぇんだけど?」
「あ、ははは。いや、さっき三津谷が言ってたことについて考えてたんだよ。」
「三津谷?.....あぁ宇宙人か。」
( *゚∀゚)・∵ブハッ
あぶねっ、吹き出すとこだった!
あの腐れ野郎もはや人間扱いされてねぇww
いや、腐った人間って人間.......?
まぁ三津谷が俺達人とは違うのは確定だから深く考えなくていいか。
「あの宇宙人が吐く言葉は10割妄言だろ。真に受けると汚染されるぞ、あの類は。」
「っふぶ、ごほんっ!うん、そうだね。ありがとう済賀君、危うく汚染されるとこだった。」
三津谷の吐く言葉は全てが妄言ww
済賀君めちゃくちゃ言うねぇ。済賀君に思わず笑いかける。
「お前にーーーーー」
「お待たせいたしました。オムライスのお客様?」
「あ、俺だ!!うっまそー。」
「どうぞ。」
「おぉ、ありがとう!」
「.......いえ、こちらこそ。ごゆっくりどうぞ。」
おぉ、いい笑顔。これも王道展開ってやつか。
っていうかウェイターと王道君のやり取りで済賀君の声聞き取れなかったよ。
「済賀君さっき何か言った?」
「.....別に」
おぉう?なぜ不機嫌に?
まさか先にオムライスがきたことがお気に召さなかったとか?
「さっきの人なんでこちらこそなんだ?」
「そ・れ・は!料理の頼み方に慣れてほとんどが料理が勝手に来るもんだと思ってるから!まぁここって金持ち校じゃん?だからお坊ちゃまが大勢居て、そんな奴らって給仕が当たり前の思考なんだよねぇ。だから料理を運んでもらうことが当たり前だから『ありがとう』とか言わないんだよ。だからあのウェイター愛斗の感謝の言葉にノックアウトされたね。あの笑顔見た?花が咲くように笑ってたよ!これはもう爽やかウェイター×王道がきたのでは!?くっ、なかなか会う機会のないウェイターが愛斗が来る度に想いを募らせ、とうとう料理に自分の一部を入れて提供するとか!?はっー、何そのヤンデレサイコー!!爽やかからのヤンデレってヤバいよっ!」
「このオムライスうめぇ!あ、晃輝のエビフライもーらい!」
カオス。この空間にいたくねぇ。
三津谷は相変わらずキメェし、王道君はもはや無視して三津谷の唯一のエビフライを食ってるし。
王道君...君容赦ないね。三津谷の頼んだエビフライ定食のエビフライ全部なくなっちゃったよ。
もはやただの野菜定食.....。
済賀君は我関せずで生姜焼き定食食ってるし....俺も食べよ。
「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」」」
「っ何だ!?」
「こ、これはまさかっ!」
どうしたんだろ?変態でも出たのかな?
カツサンドうまうま。この肉厚素晴らしい。サクサク衣とパンの柔らかさマッチしすぎでは?
「きゃーかっこいい!!八尋様ー!」
「八尋様っ今夜空いてますか?」
「おいブス!今夜は僕だ!引っ込んでろ!」
「生徒会の皆様が勢揃いだ!」
「食堂イベ本命キターーー!!!」
「フェイ様~!!」
「はぁ華谷様....お美しい。」
「うぉぉぉぉ!朱里ちゃーん!!!」
「僕化粧崩れてないかな?」
これもう帰っていいですかね?ダメ?
あぁそう。.......三津谷鼻血垂らしてるぅ。そのまま出血死すればいいのに。
これは絶対にこっちきてますよね生徒会の皆様。
だって向かってくるの見えてるんだもん。
俺は気配を消しさり気なく椅子を動かし済賀君の後ろに移動する。これで向こうから見えまい。
済賀君が背高くて助かった....決して俺が小さい訳ではないからな?俺は平均身長だ。
「あ、慶佐!!」
ヒョェ......
食堂から音が消えた。食器のぶつかる音さえも聞こえなくなるほどの静寂。
この王道君生徒会副会長の名前呼び捨てで呼んだんだけど.....これ死ぬんちゃう?
あ~副会長が見たことも無い笑みでこちらに駆けてくるぅ....。
「愛斗!今朝ぶりですね。私と別れた後大丈夫でしたか?私は愛斗がどこぞの輩に襲われてるんじゃないかと気が気じゃなかったですよ。」
「おう、大丈夫だぜ!それにもし襲われても返り討ちにしてやるよ!俺はこう見えて強いんだぜ!」
「あぁそれは良かった。でも何かあったら私に言ってくださいね?愛斗が傷つくなんて私には耐えられません。」
うわぁ副会長の目の熱量パネェェ。
これ絶対に王道君に惚れてるじゃん。なに?まさか通常装備の胡散臭い笑顔指摘されちゃった?
.......それっぽいよなぁ。今生き生きしてるし。その笑顔眩しすぎて目が潰れそうです副会長様っ。
「こいつかァ?お前の気に入ってるやつって.........お前コレはないだろ。」
ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!?
この耳に絡みつくような低音ボイスはっ
あーもうすぐで昼食の時間かぁ。
お腹すいたなぁ.....いつもは売店で買ってあちこちで食ってたけど、王道君が居るから今日は食堂かな。俺は特待生で食費とか全部学校持ちでタダだからどれだけ高いものを食べようが懐が痛まない!あぁ特待生制度最高!
ん?なんでいつも食堂で食べないかだって?
そりゃーあんな騒がしいところで食べるなんて食欲失せちゃうよ。普通に乱闘とかやってるからね?チキンな俺はそんな物騒な空間で食事なんてできないのさ。
「食堂イベ♪食堂イベ♪さぁ、愛斗!食堂へ行こうじゃないか!」
三津谷さぁ....まだ授業終わってないんだけど。見てみ?卯月先生の悲しそうな顔。
今まで真面目(?)に授業を受けていた三津谷が急に奇声を発したり、意味のわからんことを言い出したりして目を白黒させてたぞ。
数少ない真面目生徒が減ったんだ卯月先生の悲しさは推し量れない。
授業中みんな静かなんだけど俺みたいにノートとってるやつなんて片手で数えれる程しかいないからね?だいたいスマホ弄ってるか寝てるかだよ。
.....俺も偶に、たま~に寝てるけど。
キーンコーンカーンコーンーー
「終わった~!じゃ行こうか!」
「お、おい晃輝!?っ未途」
「痛たたたたた!?ちょ、俺も行くから!そんな掴まないでっ。」
腕ちぎれるかと思った。とりあえず三津谷に落ち着けと頭を叩き黙らせ....復活しやがった。
もういいや.....。
王道君は三津谷に引っ張られ、俺は王道君に引っ張られる形で食堂へドナドナされた。
と、その道中ある男を発見した。
「あ!仁哉!!」
「あ゛?」
おぉう、ドスの効いた低い声ぇ。
前方に歩いていた済賀君を発見した王道君は三津谷の腕を振り払い俺を掴んだまま済賀君に駆け寄った。いや、三津谷の腕振りほどけるんかーい!
ってかなんで俺を掴んだまま行動するの??
「仁哉っ一緒に食堂行こうぜ!」
「うぜぇ。.....?なんで設楽が居るんだよ?」
「えーっと王道じゃなくて、砂杜君のお世話係になったんだ。この学園のことまだわかんないだろうし。」
「.....へぇ、珍しいな。」
「未途!愛斗って呼べよ!友達なんだから!」
「あはは、は」
ここは笑って返事を誤魔化す!
済賀君は抵抗したが王道君の力によって無理矢理食堂へ行く仲間になった。
テッテレー♪
済賀 仁哉が仲間に加わった!
攻撃力:90
頭脳:85
顔の怖さ:90
状態異常:怒り
ヒェッ.......。
俺は王道君に同じ様に腕を掴まれている済賀君の方を見れないでいる。右側から怖いくらいの威圧感がするからだ。
さっきまで周りが王道君に罵詈雑言吐いてたのに今では誰もこっちを見ないし、俺達の歩く音しか聞こえないという.....。
済賀君まじパネェ。
そんな済賀君をグイグイ引っ張る王道君の小さな身体に、どこにそんな力があるのか不思議でならない。あの済賀君が振り解けないって相当の力だよ?
あのど腐れ野郎はなんかブツブツ言っててキモいし。
静かな廊下にボソボソと聞こえる声.....
「うっわ~、一匹狼の済賀様を手懐けてる愛斗hshs。済賀様最初嫌そうにしてたけど振りほどいてないって事は満更でもない感じですか!?うっは萌え。今まで見た目で敬遠されてた俺に怯えず対等に話してくる愛斗に心奪われちゃったんですね!?もぉ~素直じゃないなぁ済賀様。だけど愛斗と2人っきりになったら素直に甘えるんですよね!?そうですよね?ご馳走様です!今だって手繋がれて柄にもなくドキドキしてるとかっ、ヤバい鼻血でそう!」
キメェ。
三津谷お前な!その独り言俺に聞こえてるってことは済賀君にも聞こえてるんだよ!俺の隣にいるから!!
済賀君が不機嫌なオーラ出してんのお前のせいじゃないの!?王道君関係なしで!
ほんとにまじ黙れよ。俺がもし不機嫌な済賀君の拳の餌食になったらお前まじ許さんからな?
俺は生きた心地のしないまま食堂へたどり着いた。ぶっちゃけもう食欲失せとるんだが。
行かなきゃダメ?
そんな俺の気持ちなどお構い無しに三津谷が扉をくぐり食堂へと足を踏み入れた。
「うおー!!スゲェ!これが食堂?レストランじゃねーか!?」
うわん、耳いてぇ。そんな近距離で大声出さんといてくれよ。隣の済賀君がもうやばいんだけど。
まぁ王道君の言いたいことはわかる。高校でここに入ってきた時俺も驚いたからなこの豪華さに。そしてこの食堂が破壊される光景に。
.....今思い出しても身を震えさせられる。金がかかってそうなテーブルや食器、料理が乱闘によりぐちゃぐちゃになる光景は恐ろしい。幾ら弁償金を払えばいいのか....。金がなくて特待生で入学してる身としてはここの備品を壊すことは出来ない!
食堂って俺にとっちゃ地雷原なんだよなぁ。
「おーい愛斗!ここ座ろう!」
俺達は三津谷が獲得した席に座った。
.....俺は見た。ここに座っていたゴリラ系男子達が三津谷の顔を見て鼻の下を伸ばして席を譲ったことを。そして三津谷に握手を求めその握られた手の匂いを嗅いでいたことを。
嫌なもん見ちまったな。更にない食欲がどん底になったんだけど。
三津谷顔だけはいいからなぁ。でも変態だし。
あの変態ゴリラ共と三津谷って案外気が合うかもな。変態同士で。
「なぁなぁこれタッチパネルか?これで注文するのか?」
「あぁ、タッチパネルで料理を注文するのは合ってるんだけど、その前に部屋のカードキーをここにスライドして、そんで頼むんだ。ここでは大体がカードキーで解決できるから無くさないようにね?今日は三津谷の奢りらしいから好きなの頼んでいいってさ。」
「え、俺そんなこと一言も、ってえ!?いつの間に俺のカードキーを!?」
「うんわかった!うぉーハイテクだ。何にしようかなぁ.....よしオムライスにするぞ!」
「ナイスチョイス!やっぱり王道と言えばオムライスだよね!流石愛斗。期待を裏切らない。もーいくらでも奢っちゃう!」
「晃輝ごっつぁん!」
この腐男子チョロいな。
俺もなんか頼も。メニュー見てたらどん底だった食欲も盛り返してきたし。
隣に座る済賀君は顰めっ面しながらもタッチパネルで頼んでいた。チラッと見えたが生姜焼き定食だったよ。....うん、済賀君らしい。
俺は軽いものにしよ。よし決めた。
カツサンドだ。
素早くタッチパネルで頼んで目の前の王道君と三津谷のじゃれ合いをぼーっと見る。
思ったんだけど済賀君ちゃんと一緒に食ってくれるんだね、俺達と。王道君からもう手を離されて自由の身なのに。
はっ!?まさか三津谷が言っていたことはあながち間違ってなかったとか?
もしかして済賀君マジで王道君にほの字ですかね?
「おい、今何考えた?」
「!?」
あばばばばばばばばばば!?
頭を片手で捕まれ握り潰す気では!?と思ってしまうほどの怒気を感じた。
そろりと済賀君を見ると目元をピクピクさせ凶悪な顔でこちらを見ている。.....笑顔が怖いっす。
「なんかすげぇ不快なこと考えてなかったか?鳥肌が収まんねぇんだけど?」
「あ、ははは。いや、さっき三津谷が言ってたことについて考えてたんだよ。」
「三津谷?.....あぁ宇宙人か。」
( *゚∀゚)・∵ブハッ
あぶねっ、吹き出すとこだった!
あの腐れ野郎もはや人間扱いされてねぇww
いや、腐った人間って人間.......?
まぁ三津谷が俺達人とは違うのは確定だから深く考えなくていいか。
「あの宇宙人が吐く言葉は10割妄言だろ。真に受けると汚染されるぞ、あの類は。」
「っふぶ、ごほんっ!うん、そうだね。ありがとう済賀君、危うく汚染されるとこだった。」
三津谷の吐く言葉は全てが妄言ww
済賀君めちゃくちゃ言うねぇ。済賀君に思わず笑いかける。
「お前にーーーーー」
「お待たせいたしました。オムライスのお客様?」
「あ、俺だ!!うっまそー。」
「どうぞ。」
「おぉ、ありがとう!」
「.......いえ、こちらこそ。ごゆっくりどうぞ。」
おぉ、いい笑顔。これも王道展開ってやつか。
っていうかウェイターと王道君のやり取りで済賀君の声聞き取れなかったよ。
「済賀君さっき何か言った?」
「.....別に」
おぉう?なぜ不機嫌に?
まさか先にオムライスがきたことがお気に召さなかったとか?
「さっきの人なんでこちらこそなんだ?」
「そ・れ・は!料理の頼み方に慣れてほとんどが料理が勝手に来るもんだと思ってるから!まぁここって金持ち校じゃん?だからお坊ちゃまが大勢居て、そんな奴らって給仕が当たり前の思考なんだよねぇ。だから料理を運んでもらうことが当たり前だから『ありがとう』とか言わないんだよ。だからあのウェイター愛斗の感謝の言葉にノックアウトされたね。あの笑顔見た?花が咲くように笑ってたよ!これはもう爽やかウェイター×王道がきたのでは!?くっ、なかなか会う機会のないウェイターが愛斗が来る度に想いを募らせ、とうとう料理に自分の一部を入れて提供するとか!?はっー、何そのヤンデレサイコー!!爽やかからのヤンデレってヤバいよっ!」
「このオムライスうめぇ!あ、晃輝のエビフライもーらい!」
カオス。この空間にいたくねぇ。
三津谷は相変わらずキメェし、王道君はもはや無視して三津谷の唯一のエビフライを食ってるし。
王道君...君容赦ないね。三津谷の頼んだエビフライ定食のエビフライ全部なくなっちゃったよ。
もはやただの野菜定食.....。
済賀君は我関せずで生姜焼き定食食ってるし....俺も食べよ。
「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」」」
「っ何だ!?」
「こ、これはまさかっ!」
どうしたんだろ?変態でも出たのかな?
カツサンドうまうま。この肉厚素晴らしい。サクサク衣とパンの柔らかさマッチしすぎでは?
「きゃーかっこいい!!八尋様ー!」
「八尋様っ今夜空いてますか?」
「おいブス!今夜は僕だ!引っ込んでろ!」
「生徒会の皆様が勢揃いだ!」
「食堂イベ本命キターーー!!!」
「フェイ様~!!」
「はぁ華谷様....お美しい。」
「うぉぉぉぉ!朱里ちゃーん!!!」
「僕化粧崩れてないかな?」
これもう帰っていいですかね?ダメ?
あぁそう。.......三津谷鼻血垂らしてるぅ。そのまま出血死すればいいのに。
これは絶対にこっちきてますよね生徒会の皆様。
だって向かってくるの見えてるんだもん。
俺は気配を消しさり気なく椅子を動かし済賀君の後ろに移動する。これで向こうから見えまい。
済賀君が背高くて助かった....決して俺が小さい訳ではないからな?俺は平均身長だ。
「あ、慶佐!!」
ヒョェ......
食堂から音が消えた。食器のぶつかる音さえも聞こえなくなるほどの静寂。
この王道君生徒会副会長の名前呼び捨てで呼んだんだけど.....これ死ぬんちゃう?
あ~副会長が見たことも無い笑みでこちらに駆けてくるぅ....。
「愛斗!今朝ぶりですね。私と別れた後大丈夫でしたか?私は愛斗がどこぞの輩に襲われてるんじゃないかと気が気じゃなかったですよ。」
「おう、大丈夫だぜ!それにもし襲われても返り討ちにしてやるよ!俺はこう見えて強いんだぜ!」
「あぁそれは良かった。でも何かあったら私に言ってくださいね?愛斗が傷つくなんて私には耐えられません。」
うわぁ副会長の目の熱量パネェェ。
これ絶対に王道君に惚れてるじゃん。なに?まさか通常装備の胡散臭い笑顔指摘されちゃった?
.......それっぽいよなぁ。今生き生きしてるし。その笑顔眩しすぎて目が潰れそうです副会長様っ。
「こいつかァ?お前の気に入ってるやつって.........お前コレはないだろ。」
ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!?
この耳に絡みつくような低音ボイスはっ
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