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可愛い弟
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「お前、あれから父さんと……。仲良くやれているか?」
「普通だよ。普通。男親とべたべたなんてしないだろ、この歳で」
「そうだけどさ。お前たちが仲良くしてくれないと……」
「兄さんが困る? そう思うなら帰ってきてよ。あの時とは違う。僕だってもうすぐ社会人だ。さっきみたいにさ? もう兄さんを支えられる。大丈夫だから一緒にまた暮らそうよ? 」
「帰れるはずないだろ……。俺のせいで父さんとお前は……」
柚希。は久しぶりに自ら触れてしまった話題に傷ついて、熱っぽさで赤くなっていた唇をぎゅっと白くなるほど噛みしめた。そんな兄を慰めるように、和哉が片手を伸ばし、手の甲が白くなるほどがちがちに組んだ柚希の手を上、からそっと包み込むように掴んだ。
(大きな手……。もう父さんの手と変わらないくらい大きいや)
番持ちΩであった母は、夫を亡くした後、発情期には想像を絶する苦しみを経ていた。今柚希が感じているようなしんどさなど比ではないだろう。
いくら相手を求めても得られることのない永遠の渇望感に苛まれてもだえ苦しんでいた。そんな時、身を挺して母を助けてくれたのが和哉の父だった。
和哉の父の敦哉は男らしくて真っすぐで、学生結婚をしたΩの妻を心から愛していたのに不慮の事故でなくしてしまっていた。
生涯番を作るつもりはないと心に決めていたようだけれど、柚希の母が苦しむ姿を見て居られずに手助けをしてくれていたらしい。
二人は尊敬しあえる友人のような関係から一歩進むことを選んで夫婦になった。αである父はまだ若いし新しい番を作ることができるが、初めての妻に報いて新しい妻にも操立てをした。
そういう一本気ないい男で柚希も尊敬してやまない。敦哉のような男になりたいと憧れていたほどだ。
子育ても柚希の母と互いに支え教え合いながら少しずつ上手になってきて、愛らしい顔にいつもどこか翳りがあった和哉も、いかにも無邪気な表情を見せることが増えてきた。
これからもずっとずっと四人で新たな家庭を築いて、仲良く暮らしていけるとそう信じていたのだ。
「普通だよ。普通。男親とべたべたなんてしないだろ、この歳で」
「そうだけどさ。お前たちが仲良くしてくれないと……」
「兄さんが困る? そう思うなら帰ってきてよ。あの時とは違う。僕だってもうすぐ社会人だ。さっきみたいにさ? もう兄さんを支えられる。大丈夫だから一緒にまた暮らそうよ? 」
「帰れるはずないだろ……。俺のせいで父さんとお前は……」
柚希。は久しぶりに自ら触れてしまった話題に傷ついて、熱っぽさで赤くなっていた唇をぎゅっと白くなるほど噛みしめた。そんな兄を慰めるように、和哉が片手を伸ばし、手の甲が白くなるほどがちがちに組んだ柚希の手を上、からそっと包み込むように掴んだ。
(大きな手……。もう父さんの手と変わらないくらい大きいや)
番持ちΩであった母は、夫を亡くした後、発情期には想像を絶する苦しみを経ていた。今柚希が感じているようなしんどさなど比ではないだろう。
いくら相手を求めても得られることのない永遠の渇望感に苛まれてもだえ苦しんでいた。そんな時、身を挺して母を助けてくれたのが和哉の父だった。
和哉の父の敦哉は男らしくて真っすぐで、学生結婚をしたΩの妻を心から愛していたのに不慮の事故でなくしてしまっていた。
生涯番を作るつもりはないと心に決めていたようだけれど、柚希の母が苦しむ姿を見て居られずに手助けをしてくれていたらしい。
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