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リナリアを胸に抱いて
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返事の代わりにぎゅっと強く抱き着いてくる透が可愛い。間接照明に照らされた寝室に入ると、透をベッドの縁に座らせた。
透が身に着けているダボっとしたパジャマは本来雷のものだ。お揃いで透のものを用意してあるが、いつだったか事後にぼーっとした透が、もそもそと上だけを羽織った姿があまりに愛らしくて、それからはわざとこちらを着てもらっている。
雷はスウェットの上を脱ぎ捨て、そんな透を正面から屈んで抱きしめた。首筋に消えない噛み痕がある。ここに口付けせずにはいられない。
「くすぐったい……。ぞわぞわする」
「うなじはオメガの弱点だっていうから」
身体を離して覗き込むと、透の黒目が情欲に濡れていた。
成人する前の透は儚げな笑顔をもつ、清純な色香が可憐だった。だが今ベッドヘッドの柔らかな灯りに照らされた透は白っぽい小さな顔から迸る色気が妖艶そのものだ。
そして番を誘うために広がる香りに煽られながら、雷は跪いて透のパジャマの裾をまくり上げる。相変わらず、腰が絞られたように細い。美しい身体の稜線をなぞると、白い胸の上ですでに頂が尖っていた。
感じやすい透は鳥肌を立てて「んっ」と身じろぎした。じっと見つめる雷の視線から逃れるように顔を背ける仕草が逆にそそられる。
「透さん、俺の事みてくれないの?」
わざと甘えたな仕草で彼を下から見あげると、透は雷の両肩に手を乗せて首を振る。
「雷くん、脱ぐと余計に逞しくて、綺麗すぎるから、見つめるの、恥ずかしい」
何度も身体を重ねているし、兄にもあれだけ執拗に愛された身体だというのに、透は相変わらず心に初心なところを持ち合わせたままだ。
「透さんの方が綺麗です」
「……また、からかう」
「からかってない。俺が今まで出会った人の中で、一番綺麗だ。ずっと、忘れられなかったほど」
「雷くん……」
透がベッドヘッドの方に尻でゆっくりとずり上がっていく。パジャマの下はそもそもはいていないから、白く長い脚が艶めかしい。誘われるように雷もベッドの上に膝から乗り上げていく。
指を透の小さな口元にもっていけば、ちゅぷ、ちゅっとわざと音を立てて指の腹を舐めとってくる。お返しとばかり、雷は透の胸飾りを唇ではみ、舐め、転がす。
色素の薄い身体をした透のそれは、そこだけ綺麗にぷっくりと色づいていた。そのコントラストのいやらしさを目にするたび、若い雷は喉を鳴らし興奮を隠せなくなる。だが同時に何度打ち消しても兄の影がちらついてしまうのも事実だ。
透は雷にとって、ずっとずっと、幼い頃から恋焦がれた人だ。
アメリカに行ってからも日本にいる従姉妹たちに透の事をそれとなく探ってもらっていた。だが兄はいつまでたっても透を手放さなかった。もう諦めようと思ったことも一度や二度ではない。雷のステータスに群がってくる者たちと一夜限りの関係を繰り返した時期もあった。だがどうしても透を忘れることはできなかった。
夏のあの一週間にも満たない僅かな日々、一人ぼっちだった雷に寄り添い、傍に居てくれた透。フリージアを見るたびに思い出した、儚げな笑顔が可愛かった。離れてみて初めて今まで感じないようにしていた『寂しい』という感情を味わった。
寂しい、恋しい、会いたい、触れたい。
思春期に入った雷の情動のすべては透につながっていた。
透が身に着けているダボっとしたパジャマは本来雷のものだ。お揃いで透のものを用意してあるが、いつだったか事後にぼーっとした透が、もそもそと上だけを羽織った姿があまりに愛らしくて、それからはわざとこちらを着てもらっている。
雷はスウェットの上を脱ぎ捨て、そんな透を正面から屈んで抱きしめた。首筋に消えない噛み痕がある。ここに口付けせずにはいられない。
「くすぐったい……。ぞわぞわする」
「うなじはオメガの弱点だっていうから」
身体を離して覗き込むと、透の黒目が情欲に濡れていた。
成人する前の透は儚げな笑顔をもつ、清純な色香が可憐だった。だが今ベッドヘッドの柔らかな灯りに照らされた透は白っぽい小さな顔から迸る色気が妖艶そのものだ。
そして番を誘うために広がる香りに煽られながら、雷は跪いて透のパジャマの裾をまくり上げる。相変わらず、腰が絞られたように細い。美しい身体の稜線をなぞると、白い胸の上ですでに頂が尖っていた。
感じやすい透は鳥肌を立てて「んっ」と身じろぎした。じっと見つめる雷の視線から逃れるように顔を背ける仕草が逆にそそられる。
「透さん、俺の事みてくれないの?」
わざと甘えたな仕草で彼を下から見あげると、透は雷の両肩に手を乗せて首を振る。
「雷くん、脱ぐと余計に逞しくて、綺麗すぎるから、見つめるの、恥ずかしい」
何度も身体を重ねているし、兄にもあれだけ執拗に愛された身体だというのに、透は相変わらず心に初心なところを持ち合わせたままだ。
「透さんの方が綺麗です」
「……また、からかう」
「からかってない。俺が今まで出会った人の中で、一番綺麗だ。ずっと、忘れられなかったほど」
「雷くん……」
透がベッドヘッドの方に尻でゆっくりとずり上がっていく。パジャマの下はそもそもはいていないから、白く長い脚が艶めかしい。誘われるように雷もベッドの上に膝から乗り上げていく。
指を透の小さな口元にもっていけば、ちゅぷ、ちゅっとわざと音を立てて指の腹を舐めとってくる。お返しとばかり、雷は透の胸飾りを唇ではみ、舐め、転がす。
色素の薄い身体をした透のそれは、そこだけ綺麗にぷっくりと色づいていた。そのコントラストのいやらしさを目にするたび、若い雷は喉を鳴らし興奮を隠せなくなる。だが同時に何度打ち消しても兄の影がちらついてしまうのも事実だ。
透は雷にとって、ずっとずっと、幼い頃から恋焦がれた人だ。
アメリカに行ってからも日本にいる従姉妹たちに透の事をそれとなく探ってもらっていた。だが兄はいつまでたっても透を手放さなかった。もう諦めようと思ったことも一度や二度ではない。雷のステータスに群がってくる者たちと一夜限りの関係を繰り返した時期もあった。だがどうしても透を忘れることはできなかった。
夏のあの一週間にも満たない僅かな日々、一人ぼっちだった雷に寄り添い、傍に居てくれた透。フリージアを見るたびに思い出した、儚げな笑顔が可愛かった。離れてみて初めて今まで感じないようにしていた『寂しい』という感情を味わった。
寂しい、恋しい、会いたい、触れたい。
思春期に入った雷の情動のすべては透につながっていた。
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