3 / 8
3
しおりを挟む
今朝は朝早くに起きれたから、いつもより早くに家を出た。出発する時間が違うだけで、まるで他の場所に行っているような気分になった。
教室に着くと誰一人いなくて、私は図書室に行くことにした。
誰もいないという優越感の中、試しに廊下を走ってみようと思った。これでも優等生で通っているので廊下を走るなんてした事がなかった。
いざ走ってみると、なかなか楽しいものだった。はしゃぎきって、前も見ていなかった私は何かとぶつかった。
「牧岡さん?大丈夫?」
私はすぐに顔をあげ、先生の存在に気付いた。周りを見ると、先生が持っていたであろうプリントが散乱していた。
「すみません!」
すぐに立ち上がり、私は散乱したプリントを拾い始めた。先生はすぐに「いいよ、いいよ」と優しい声で共にプリントを拾った。
「こんなところで何していたんです?」
私は自分のしていた事に恥じらいを感じ、耳を赤くしてプリントで顔を隠した。
「いろいろあって、」
苦笑いをしながら、先生は最後の一枚のプリントを手に取った。私は申し訳なさから先生にある提案をした。
「せっかくなので今から一緒に図書室に行きませんか?」
先生は「プリント置いてくるから、先行っててください」と言い、ふわりと笑った。
先生に言われたとおり、さきに図書室に向かった。朝日が窓から入ってきて、まるで図書室が輝いているかのように見えた。しばらく待っていると、扉の開く音がした。
「牧岡さん、お待たせしました」
扉の方を見ると先生は息を途切れさせながらこちらを向いていた。走ってきたのだろうか。
「すみません、岩尾先生に呼ばれてしまって、」
私を待たさないために走ってきてくれたのなら、先生はとてもいい人だ。
「大丈夫です」
「読みたい本があってね、取ってきてもいいかい?」
私は頷いた後、自分が読みたい本を取りに行った。しばらくの時間の後、先生がこっちにきた。
「気になる本あった?」
先生は私の顔を覗き込むようにしながら、そう聞いてきた。
「この本が気になったんですけどご存知ですか?」
そう言いながら、私は先生を試すように三大奇書と呼ばれるドグラ・マグラをさした。私の示す方向を見た瞬間、先生は笑った。
「夢野久作だね。もちろん知ってるよ。図書室にこんなのが置いてあるとは」
「知ってましたか。読んだことありますか?」
笑いながら私と目を合わせ、先生は頷いた。
「精神に異常きたしてるんですね」
と、ドグラ・マグラの裏表紙に『これを読むものは一度は精神に異常をきたす』書いてあるのでそれを使って先生をからかった。
そんな他愛もない話をしているうちにあっという間に時間は過ぎていた。静かな図書室に予鈴は鳴り響く。
「もう、もどろうか」
そう先生が言った。鍵を先生に託し図書室を出て、教室に向かう途中に幼馴染の男子に会った。
「よう。杏奈」
目があった途端、犬のように尻尾を振りこちらに走ってきた。
「また図書室か。友達出来ねぇぞ?」
一野瀬翔太とは生まれる前から親同士が仲が良く家も近かったことから仲良くなった。
「余計なお世話。私は私で楽しんでるから」
そう言った後、翔太は急に近づいてきて私を匂ってきた。
「男の匂いがする」
くんくんと、鼻を鳴らしながら私を匂ってそう言った。
「きもい」
私は翔太を軽く押して教室に戻ろうとした。翔太が後ろから、「神谷が帰ってきたのに」と言ったのが聞こえた。そういえば、私にもクラスに1人友達がいたような。
教室に戻ると入り口に多くの人が集まっていた。大きな円を作っていて、その円の中心を見てみたら、神谷紗凪というクラスのリーダーである、私の友達が立っていた。
紗凪は私に気づいた瞬間走ってきた。
「杏奈!心配してたの!私がいない間誰かにいじめられたりしていない?美咲がいたなら大丈夫よね?」
紗凪は一息で全てを話したので、話終わった後大きく息を吸った。
「心配したのは私の方。急にニューヨークなんか行っちゃって。寂しかったんだから」
紗凪は普通の家庭だけど親が転勤族らしく今回はニューヨークに行く事になったそうだった。大抵、紗凪はついていかないそうだが外国は流石に無理だったそうだ。
「心配してくれていたの?!嬉しい。お土産あるよ」
懐かしい顔で紗凪は微笑んだ。
教室に着くと誰一人いなくて、私は図書室に行くことにした。
誰もいないという優越感の中、試しに廊下を走ってみようと思った。これでも優等生で通っているので廊下を走るなんてした事がなかった。
いざ走ってみると、なかなか楽しいものだった。はしゃぎきって、前も見ていなかった私は何かとぶつかった。
「牧岡さん?大丈夫?」
私はすぐに顔をあげ、先生の存在に気付いた。周りを見ると、先生が持っていたであろうプリントが散乱していた。
「すみません!」
すぐに立ち上がり、私は散乱したプリントを拾い始めた。先生はすぐに「いいよ、いいよ」と優しい声で共にプリントを拾った。
「こんなところで何していたんです?」
私は自分のしていた事に恥じらいを感じ、耳を赤くしてプリントで顔を隠した。
「いろいろあって、」
苦笑いをしながら、先生は最後の一枚のプリントを手に取った。私は申し訳なさから先生にある提案をした。
「せっかくなので今から一緒に図書室に行きませんか?」
先生は「プリント置いてくるから、先行っててください」と言い、ふわりと笑った。
先生に言われたとおり、さきに図書室に向かった。朝日が窓から入ってきて、まるで図書室が輝いているかのように見えた。しばらく待っていると、扉の開く音がした。
「牧岡さん、お待たせしました」
扉の方を見ると先生は息を途切れさせながらこちらを向いていた。走ってきたのだろうか。
「すみません、岩尾先生に呼ばれてしまって、」
私を待たさないために走ってきてくれたのなら、先生はとてもいい人だ。
「大丈夫です」
「読みたい本があってね、取ってきてもいいかい?」
私は頷いた後、自分が読みたい本を取りに行った。しばらくの時間の後、先生がこっちにきた。
「気になる本あった?」
先生は私の顔を覗き込むようにしながら、そう聞いてきた。
「この本が気になったんですけどご存知ですか?」
そう言いながら、私は先生を試すように三大奇書と呼ばれるドグラ・マグラをさした。私の示す方向を見た瞬間、先生は笑った。
「夢野久作だね。もちろん知ってるよ。図書室にこんなのが置いてあるとは」
「知ってましたか。読んだことありますか?」
笑いながら私と目を合わせ、先生は頷いた。
「精神に異常きたしてるんですね」
と、ドグラ・マグラの裏表紙に『これを読むものは一度は精神に異常をきたす』書いてあるのでそれを使って先生をからかった。
そんな他愛もない話をしているうちにあっという間に時間は過ぎていた。静かな図書室に予鈴は鳴り響く。
「もう、もどろうか」
そう先生が言った。鍵を先生に託し図書室を出て、教室に向かう途中に幼馴染の男子に会った。
「よう。杏奈」
目があった途端、犬のように尻尾を振りこちらに走ってきた。
「また図書室か。友達出来ねぇぞ?」
一野瀬翔太とは生まれる前から親同士が仲が良く家も近かったことから仲良くなった。
「余計なお世話。私は私で楽しんでるから」
そう言った後、翔太は急に近づいてきて私を匂ってきた。
「男の匂いがする」
くんくんと、鼻を鳴らしながら私を匂ってそう言った。
「きもい」
私は翔太を軽く押して教室に戻ろうとした。翔太が後ろから、「神谷が帰ってきたのに」と言ったのが聞こえた。そういえば、私にもクラスに1人友達がいたような。
教室に戻ると入り口に多くの人が集まっていた。大きな円を作っていて、その円の中心を見てみたら、神谷紗凪というクラスのリーダーである、私の友達が立っていた。
紗凪は私に気づいた瞬間走ってきた。
「杏奈!心配してたの!私がいない間誰かにいじめられたりしていない?美咲がいたなら大丈夫よね?」
紗凪は一息で全てを話したので、話終わった後大きく息を吸った。
「心配したのは私の方。急にニューヨークなんか行っちゃって。寂しかったんだから」
紗凪は普通の家庭だけど親が転勤族らしく今回はニューヨークに行く事になったそうだった。大抵、紗凪はついていかないそうだが外国は流石に無理だったそうだ。
「心配してくれていたの?!嬉しい。お土産あるよ」
懐かしい顔で紗凪は微笑んだ。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる