21 / 38
第四章
第四章 怨霊の、正体見たり《五》
しおりを挟む
同じ日の、昼九つ。
江戸城吹上御庭で一人、善次郎は竹箒を持ち、掃除をしていた。秋の深まる庭は、どれだけ掃いても、すぐに落葉が舞い落ちる。
忙しなく箒を動かしても一向に庭が片付かない訳は、大量の落葉だけではなかった。
ここに来る前、皓月堂の壁に鏝絵を施す長七を観察した。目の当たりにした姿が、頭に焼き付いて、離れなかった。
壁に漣の文様を塗っていた時とは比べ物にならない、覇気を帯びた眼。瞬きも忘れるほどに気鋭に満ちた眼の先では、沈静で澱みない気を纏った手指が繊細に動き、絵を紡ぎ出す。
塗るだの描くだのと表すより、生み出している、と感じた。
(迷いなく確かな手から流れ込んだ気の濃さ。まだ半ばなのに、あの絵は、生きておった)
長七の技も、形を成していく鏝絵も、ぞっとするほどに、美しい。背筋が寒くなったのは、それだけでない。
(あれは、長七にしかできぬ技だ。模倣できる代物ではない)
同じ技が使えれば、などと考えていた自分が、如何に浅はかだったかを、思い知った。
長七が何年も掛けて辿り着いた境地。しかも本人にすれば、まだ道半ばの心情だろう。
考えれば、皓月の砥ぎも環の刺青も、円空の仏像も。気の使い方や技は、個々に違う。だが、すべて一流だ。
(儂にしかできぬ法が、きっとある。それさえ見付ければ、心剣を扱える)
長七の技が、善次郎に心剣を思い出させた。最も大事な父の教えだ。糸口を掴むきっかけになった長七の鏝絵から得る学びは、きっと、もっとある。
漠然としながらも確かな思いは、善次郎の胸から消えていなかった。
急く気持ちと高まる気概で、竹箒を持つ手に力が入る。思わず勢いがつき、集めた葉が風に攫われる。空に舞い上がった枯葉が、はらはらと再び庭に降り散った。
「それでは掃除にならぬな。竹箒の扱いを忘れたか、善次郎」
はっとして、振り返る。忠光が、平素と変わらぬ相好で、善次郎を眺めていた。
竹箒を左手に持ち替え、走り寄る。善次郎は低頭した。
「お姿に気が付かず、申し訳ございませぬ」
「気にせずとも良い。それより、顔を見せてくれ」
忠光の指が、やんわりと善次郎の顎を持ち上げる。促されるままに、善次郎は顔を上げた。
「まるで、別人の変わりようだ。この三日で、何があった」
忠光の顔には、満足げな色が浮かぶ。しかし目は、いつになく鋭い。善次郎は再び頭を下げた。
「神社の狛犬が壊される真相を、掴みました。犯人は、御公儀に牙を剥かんとする怨霊と、然有る社の獅子で、ございます」
二人の間に、沈黙が降りた。枯葉が地を舞う、からからとした音が、やけに乾いて響く。
「大儀であった。怨霊の名と、社の名は?」
善次郎は忠光に歩み寄った。忠光が扇子を開き、耳元に寄った善次郎の口元を隠す。
「怨霊は、五年前に逝去された源壽院(松平左近将監乗邑)様にございます。獅子のあった社は、日本橋瀬戸物町に鎮座する福徳稲荷神社で、ございます。怨霊は獅子を従え、大きな社の獅子を壊し荒魂を集め、力を蓄えておる様子です」
掠れそうに小さな声で、善次郎は答える。
「宇八郎は、おったか」
忠光の唐突な問いに、善次郎は一度、口を噤んだ。
「……我が兄、明楽宇八郎は死霊と化し、怨霊と獅子の荒魂を抑えております。衰弱が激しく、怨霊を抑え込むは困難。このままでは怨霊が力を増します」
私情を挟まぬように心掛け、淡々と事実だけを告げた。
「そうか」
声を震わせたのは、忠光だった。たった一言に籠った憤りは、善次郎にさえ、感じ取れた。
気後れしそうになった身を律する。喉の奥に力を籠め、息を飲み込んだ。
「無礼を承知で申し上げます。この善次郎に、怨霊討伐の御役目を御指示くださいませ。必ずや、武功を上げて御覧に入れます」
腹から湧き出た言葉を聞いて、忠光が静かに身を離した。善次郎の顔をじっと見詰める。その顔は、最初に御役目を指示された三日前と同じ。御庭番の先達が噂する、冷淡な忠光だ。
善次郎は口を引き結び、忠光を見詰め返した。
「本に、良い面持ちになったものだ、善次郎」
忠光の表情が、和らいだ。幼い頃から善次郎が見てきた、柔らかな忠光だ。
「心構えは眼に現れる。其方の決意、しかと受け取った。公方様に上申の後、新たな役目を下す次第となろう」
善次郎の胸中に、三日前とは違った発憤が湧き上がる。
「二刻後、谷中の≪鍵屋≫に来い。其方に伝えねばならぬ話が、ある」
そっと囁いて、忠光は城内に戻った。
発憤が湧いたばかりの胸中に、不穏なざわめきが擡げていた。
江戸城吹上御庭で一人、善次郎は竹箒を持ち、掃除をしていた。秋の深まる庭は、どれだけ掃いても、すぐに落葉が舞い落ちる。
忙しなく箒を動かしても一向に庭が片付かない訳は、大量の落葉だけではなかった。
ここに来る前、皓月堂の壁に鏝絵を施す長七を観察した。目の当たりにした姿が、頭に焼き付いて、離れなかった。
壁に漣の文様を塗っていた時とは比べ物にならない、覇気を帯びた眼。瞬きも忘れるほどに気鋭に満ちた眼の先では、沈静で澱みない気を纏った手指が繊細に動き、絵を紡ぎ出す。
塗るだの描くだのと表すより、生み出している、と感じた。
(迷いなく確かな手から流れ込んだ気の濃さ。まだ半ばなのに、あの絵は、生きておった)
長七の技も、形を成していく鏝絵も、ぞっとするほどに、美しい。背筋が寒くなったのは、それだけでない。
(あれは、長七にしかできぬ技だ。模倣できる代物ではない)
同じ技が使えれば、などと考えていた自分が、如何に浅はかだったかを、思い知った。
長七が何年も掛けて辿り着いた境地。しかも本人にすれば、まだ道半ばの心情だろう。
考えれば、皓月の砥ぎも環の刺青も、円空の仏像も。気の使い方や技は、個々に違う。だが、すべて一流だ。
(儂にしかできぬ法が、きっとある。それさえ見付ければ、心剣を扱える)
長七の技が、善次郎に心剣を思い出させた。最も大事な父の教えだ。糸口を掴むきっかけになった長七の鏝絵から得る学びは、きっと、もっとある。
漠然としながらも確かな思いは、善次郎の胸から消えていなかった。
急く気持ちと高まる気概で、竹箒を持つ手に力が入る。思わず勢いがつき、集めた葉が風に攫われる。空に舞い上がった枯葉が、はらはらと再び庭に降り散った。
「それでは掃除にならぬな。竹箒の扱いを忘れたか、善次郎」
はっとして、振り返る。忠光が、平素と変わらぬ相好で、善次郎を眺めていた。
竹箒を左手に持ち替え、走り寄る。善次郎は低頭した。
「お姿に気が付かず、申し訳ございませぬ」
「気にせずとも良い。それより、顔を見せてくれ」
忠光の指が、やんわりと善次郎の顎を持ち上げる。促されるままに、善次郎は顔を上げた。
「まるで、別人の変わりようだ。この三日で、何があった」
忠光の顔には、満足げな色が浮かぶ。しかし目は、いつになく鋭い。善次郎は再び頭を下げた。
「神社の狛犬が壊される真相を、掴みました。犯人は、御公儀に牙を剥かんとする怨霊と、然有る社の獅子で、ございます」
二人の間に、沈黙が降りた。枯葉が地を舞う、からからとした音が、やけに乾いて響く。
「大儀であった。怨霊の名と、社の名は?」
善次郎は忠光に歩み寄った。忠光が扇子を開き、耳元に寄った善次郎の口元を隠す。
「怨霊は、五年前に逝去された源壽院(松平左近将監乗邑)様にございます。獅子のあった社は、日本橋瀬戸物町に鎮座する福徳稲荷神社で、ございます。怨霊は獅子を従え、大きな社の獅子を壊し荒魂を集め、力を蓄えておる様子です」
掠れそうに小さな声で、善次郎は答える。
「宇八郎は、おったか」
忠光の唐突な問いに、善次郎は一度、口を噤んだ。
「……我が兄、明楽宇八郎は死霊と化し、怨霊と獅子の荒魂を抑えております。衰弱が激しく、怨霊を抑え込むは困難。このままでは怨霊が力を増します」
私情を挟まぬように心掛け、淡々と事実だけを告げた。
「そうか」
声を震わせたのは、忠光だった。たった一言に籠った憤りは、善次郎にさえ、感じ取れた。
気後れしそうになった身を律する。喉の奥に力を籠め、息を飲み込んだ。
「無礼を承知で申し上げます。この善次郎に、怨霊討伐の御役目を御指示くださいませ。必ずや、武功を上げて御覧に入れます」
腹から湧き出た言葉を聞いて、忠光が静かに身を離した。善次郎の顔をじっと見詰める。その顔は、最初に御役目を指示された三日前と同じ。御庭番の先達が噂する、冷淡な忠光だ。
善次郎は口を引き結び、忠光を見詰め返した。
「本に、良い面持ちになったものだ、善次郎」
忠光の表情が、和らいだ。幼い頃から善次郎が見てきた、柔らかな忠光だ。
「心構えは眼に現れる。其方の決意、しかと受け取った。公方様に上申の後、新たな役目を下す次第となろう」
善次郎の胸中に、三日前とは違った発憤が湧き上がる。
「二刻後、谷中の≪鍵屋≫に来い。其方に伝えねばならぬ話が、ある」
そっと囁いて、忠光は城内に戻った。
発憤が湧いたばかりの胸中に、不穏なざわめきが擡げていた。
0
あなたにおすすめの小説
剣客居酒屋草間 江戸本所料理人始末
松風勇水(松 勇)
歴史・時代
旧題:剣客居酒屋 草間の陰
第9回歴史・時代小説大賞「読めばお腹がすく江戸グルメ賞」受賞作。
本作は『剣客居酒屋 草間の陰』から『剣客居酒屋草間 江戸本所料理人始末』と改題いたしました。
2025年11月28書籍刊行。
なお、レンタル部分は修正した書籍と同様のものとなっておりますが、一部の描写が割愛されたため、後続の話とは繋がりが悪くなっております。ご了承ください。
酒と肴と剣と闇
江戸情緒を添えて
江戸は本所にある居酒屋『草間』。
美味い肴が食えるということで有名なこの店の主人は、絶世の色男にして、無双の剣客でもある。
自分のことをほとんど話さないこの男、冬吉には実は隠された壮絶な過去があった。
多くの江戸の人々と関わり、その舌を満足させながら、剣の腕でも人々を救う。
その慌し日々の中で、己の過去と江戸の闇に巣食う者たちとの浅からぬ因縁に気付いていく。
店の奉公人や常連客と共に江戸を救う、包丁人にして剣客、冬吉の物語。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
【時代小説】 黄昏夫婦
蔵屋
歴史・時代
江戸時代、東北地方の秋田藩は貧かった。
そんな中、真面目なひとりの武士がいた。同僚からは馬鹿にされていたが真面目な男であった。俸禄は低く貧しい。娘二人と実母との4人暮らし。
秋田藩での仕事は勘定方である。
仕事が終わると真っ直ぐ帰宅する。
ただひたすら日中は城中では勘定方の仕事をまじめにして、帰宅すれば論語を読んで知識を習得する。
そんな毎日であった。彼の名前は立花清左衛門。年齢は35歳。
娘は二人いて、一人はとめ15歳。もう一人は梅、8歳。
さて|黄昏《たそがれ》は、一日のうち日没直後、雲のない西の空に夕焼けの名残りの「赤さ」が残る時間帯のことを言う。「|黄昏時《たそがれどき)」。 「黄昏れる《たそがれる》」という動詞形もある。
「たそがれ」は、江戸時代になるまでは「たそかれ」といい、「たそかれどき」の略でよく知られていた。夕暮れの人の顔の識別がつかない暗さになると誰かれとなく、「そこにいるのは誰ですか」「誰そ彼(誰ですかあなたは)」とたずねる頃合いという意味で日常会話でよく使われた。
今回の私の小説のテーマはこの黄昏である。
この風習は広く日本で行われている。
「おはようさんです」「これからですか」「お晩でございます。いまお帰りですか」と尋ねられれば相手も答えざるを得ず、互いに誰であるかチェックすることでヨソ者を排除する意図があったとされている。
「たそかれ」という言葉は『万葉集』に
誰そ彼と われをな問ひそ 九月の 露に濡れつつ 君待つわれそ」
— 『万葉集』第10巻2240番
と登場するが、これは文字通り「誰ですかあなたは」という意味である。
「平安時代には『うつほ物語』に「たそかれどき」の用例が現れ、さらに『源氏物語』に
「寄りてこそ それかとも見め たそかれに ほのぼの見つる 夕顔の花」
— 『源氏物語』「夕顔」光源氏
と、現在のように「たそかれ」で時間帯を表す用例が現れる。
なおこの歌は、帖と登場人物の名「夕顔」の由来になった夕顔の歌への返歌である。
またこの言葉の比喩として、「最盛期は過ぎたが、多少は余力があり、滅亡するにはまだ早い状態」をという語句の用い方をする。
漢語「|黄昏《コウコン》」は日没後のまだ完全に暗くなっていない時刻を指す。「初昏」とも呼んでいた。十二時辰では「戌時」(午後7時から9時)に相当する。
「たそがれ」の動詞化の用法。日暮れの薄暗くなり始めるころを指して「空が黄昏れる」や、人生の盛りを過ぎ衰えるさまを表現して「黄昏た人」などのように使用されることがある。
この物語はフィクションです。登場人物、団体等実際に同じであっても一切関係ありません。
それでは、小説「黄昏夫婦」をお楽しみ下さい。
読者の皆様の何かにお役に立てれば幸いです。
作家 蔵屋日唱
【完結】ふたつ星、輝いて 〜あやし兄弟と町娘の江戸捕物抄〜
上杉
歴史・時代
■歴史小説大賞奨励賞受賞しました!■
おりんは江戸のとある武家屋敷で下女として働く14歳の少女。ある日、突然屋敷で母の急死を告げられ、自分が花街へ売られることを知った彼女はその場から逃げだした。
母は殺されたのかもしれない――そんな絶望のどん底にいたおりんに声をかけたのは、奉行所で同心として働く有島惣次郎だった。
今も刺客の手が迫る彼女を守るため、彼の屋敷で住み込みで働くことが決まる。そこで彼の兄――有島清之進とともに生活を始めるのだが、病弱という噂とはかけ離れた腕っぷしのよさに、おりんは驚きを隠せない。
そうしてともに生活しながら少しづつ心を開いていった――その矢先のことだった。
母の命を奪った犯人が発覚すると同時に、何故か兄清之進に凶刃が迫り――。
とある秘密を抱えた兄弟と町娘おりんの紡ぐ江戸捕物抄です!お楽しみください!
※フィクションです。
※周辺の歴史事件などは、史実を踏んでいます。
皆さまご評価頂きありがとうございました。大変嬉しいです!
今後も精進してまいります!
無用庵隠居清左衛門
蔵屋
歴史・時代
前老中田沼意次から引き継いで老中となった松平定信は、厳しい倹約令として|寛政の改革《かんせいのかいかく》を実施した。
第8代将軍徳川吉宗によって実施された|享保の改革《きょうほうのかいかく》、|天保の改革《てんぽうのかいかく》と合わせて幕政改革の三大改革という。
松平定信は厳しい倹約令を実施したのだった。江戸幕府は町人たちを中心とした貨幣経済の発達に伴い|逼迫《ひっぱく》した幕府の財政で苦しんでいた。
幕府の財政再建を目的とした改革を実施する事は江戸幕府にとって緊急の課題であった。
この時期、各地方の諸藩に於いても藩政改革が行われていたのであった。
そんな中、徳川家直参旗本であった緒方清左衛門は、己の出世の事しか考えない同僚に嫌気がさしていた。
清左衛門は無欲の徳川家直参旗本であった。
俸禄も入らず、出世欲もなく、ただひたすら、女房の千歳と娘の弥生と、三人仲睦まじく暮らす平穏な日々であればよかったのである。
清左衛門は『あらゆる欲を捨て去り、何もこだわらぬ無の境地になって千歳と弥生の幸せだけを願い、最後は無欲で死にたい』と思っていたのだ。
ある日、清左衛門に理不尽な言いがかりが同僚立花右近からあったのだ。
清左衛門は右近の言いがかりを相手にせず、
無視したのであった。
そして、松平定信に対して、隠居願いを提出したのであった。
「おぬし、本当にそれで良いのだな」
「拙者、一向に構いません」
「分かった。好きにするがよい」
こうして、清左衛門は隠居生活に入ったのである。
アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)
三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。
佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。
幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。
ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。
又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。
海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。
一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。
事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。
果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。
シロの鼻が真実を追い詰める!
別サイトで発表した作品のR15版です。
【読者賞】江戸の飯屋『やわらぎ亭』〜元武家娘が一膳でほぐす人と心〜
旅する書斎(☆ほしい)
歴史・時代
【第11回歴史・時代小説大賞 読者賞(読者投票1位)受賞】
文化文政の江戸・深川。
人知れず佇む一軒の飯屋――『やわらぎ亭』。
暖簾を掲げるのは、元武家の娘・おし乃。
家も家族も失い、父の形見の包丁一つで町に飛び込んだ彼女は、
「旨い飯で人の心をほどく」を信条に、今日も竈に火を入れる。
常連は、職人、火消し、子どもたち、そして──町奉行・遠山金四郎!?
変装してまで通い詰めるその理由は、一膳に込められた想いと味。
鯛茶漬け、芋がらの煮物、あんこう鍋……
その料理の奥に、江戸の暮らしと誇りが宿る。
涙も笑いも、湯気とともに立ち上る。
これは、舌と心を温める、江戸人情グルメ劇。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる