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14.ミッション
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六年一組のクラスメイトたちを乗せた大型バスが、トンネルを抜ける。
「海だー!」
窓から海を見下ろして、みんなが歓声を上げた。
待ちに待った、臨海学校の初日。
私たちは高速バスに乗って、みんなで一緒に寝泊まりする「自然の家」まで向かっていた。
自然の家は、元々は小学校だったらしい。廃校になってしまって、校舎を改造して臨海学校で使えるようにしたんだって。
高速道路の下の街の向こうには、絵に描いたような青い空と、青い海が広がっている。
海無し県で生活しているから、海のパノラマはみんなにとって新鮮な光景だった。
(わあ……)
私も海を見るのは初めてだ。もちろん映像では見たことがあるけれど、迫力が全然違う。
「はあー」
海を待ちきれないみんながきゃあきゃあ騒ぐ中、やけに静かな後ろの座席を振り返る。
一番後ろの座席にひとりで座る、昴くんのため息だった。
バスの座席はくじ引きで決まったんだけど、昴くんは一番後ろに一人で座ることになってしまったのだ。
「どうしたの、昴くん。酔っちゃった?」
「いや。俺は車酔いしないから。……それより、月渚は海で泳がないのか?」
「うん。みんなが海に入っているのを見てるだけ」
雨に濡れることもできないのに、海に入るなんてもってのほか。
学校でのプールの授業も始まったけど、やっぱり参加することはできなくて、授業中はプールや体育館の周りを掃除しているだけだった。
「じゃあなんで臨海学校に来たんだよ~。海に入れないのに来たって、つまんないだろ」
「思い出作りたいんだもん!」
だって、臨海学校では、遊泳以外にもイベントがたくさんある。
一日目はクイズ大会に、私と樹里ちゃんが出場するカラオケ大会。二日目の夜には肝試しもキャンプファイヤーもある。
本物の月渚だったら、たとえ泳げなくても、絶対に臨海学校へ来ていたはず。
(それに……)
私は膝の上のポシェットを見下ろした。
中には「アン活」のための充電コードや月渚のスマホの他に、大事なサシェが入っている。
(……頑張るぞ!)
ポシェットを撫でながら私は心に誓った。
実は私は、人知れずミッションを抱えているのだった……!
一週間前、樹里ちゃんのおかげで「くまくまダイアリー」の存在を知った私は、朝から晩までずっとそこに書かれた日記を読むようになった。
月渚が最初に日記を書いたのは、小学二年生だったときみたいだ。
毎日毎日、日記を書いていたというわけではないようだけど、約三年間分の日記を全て読むのは、骨が折れるような作業だった。(私には、骨は無いんだけど)
日記を読み進めていくうちに、私はある事実を知った。
「海だー!」
窓から海を見下ろして、みんなが歓声を上げた。
待ちに待った、臨海学校の初日。
私たちは高速バスに乗って、みんなで一緒に寝泊まりする「自然の家」まで向かっていた。
自然の家は、元々は小学校だったらしい。廃校になってしまって、校舎を改造して臨海学校で使えるようにしたんだって。
高速道路の下の街の向こうには、絵に描いたような青い空と、青い海が広がっている。
海無し県で生活しているから、海のパノラマはみんなにとって新鮮な光景だった。
(わあ……)
私も海を見るのは初めてだ。もちろん映像では見たことがあるけれど、迫力が全然違う。
「はあー」
海を待ちきれないみんながきゃあきゃあ騒ぐ中、やけに静かな後ろの座席を振り返る。
一番後ろの座席にひとりで座る、昴くんのため息だった。
バスの座席はくじ引きで決まったんだけど、昴くんは一番後ろに一人で座ることになってしまったのだ。
「どうしたの、昴くん。酔っちゃった?」
「いや。俺は車酔いしないから。……それより、月渚は海で泳がないのか?」
「うん。みんなが海に入っているのを見てるだけ」
雨に濡れることもできないのに、海に入るなんてもってのほか。
学校でのプールの授業も始まったけど、やっぱり参加することはできなくて、授業中はプールや体育館の周りを掃除しているだけだった。
「じゃあなんで臨海学校に来たんだよ~。海に入れないのに来たって、つまんないだろ」
「思い出作りたいんだもん!」
だって、臨海学校では、遊泳以外にもイベントがたくさんある。
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本物の月渚だったら、たとえ泳げなくても、絶対に臨海学校へ来ていたはず。
(それに……)
私は膝の上のポシェットを見下ろした。
中には「アン活」のための充電コードや月渚のスマホの他に、大事なサシェが入っている。
(……頑張るぞ!)
ポシェットを撫でながら私は心に誓った。
実は私は、人知れずミッションを抱えているのだった……!
一週間前、樹里ちゃんのおかげで「くまくまダイアリー」の存在を知った私は、朝から晩までずっとそこに書かれた日記を読むようになった。
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日記を読み進めていくうちに、私はある事実を知った。
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