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61.永い夜⑥side風見育
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王宮から3人が帰宅してから、屋敷は更にドタバタしていた。2階は立ち入り禁止となり、結衣ちゃんは柚子と応接室へ入って行った。深雪さんが隠し牢屋へと望月を連れて行き、残りの人間はダイニングへ集められた。
……こういう非常事態の時、結衣ちゃんは必ず魔除けのハーブティーを淹れるなぁ。そう思い出してキッチンへ向かう。ダイニングに集まる人数分のお茶を用意ーー柚子達の分は……どうする。いや、柚子のケアは結衣ちゃんがしてくれるだろう。下手に魔除けのお茶なんて持って行ったら、望月が避けなければならない何だったと言っているようなものではないか。何かの間違えで手違いでこうなったんだ。望月を信じたいーー柚子と望月の気持ちを信じていたかった。
僕は5人分のお茶だけを持ってダイニングへと入った。
「柚子ちゃんに何かあったら、結衣ちゃんに怒られちゃうからなぁ~と俺は思って~」
深雪さんがご当主様と立花さんに報告の真っ最中だった。みんなが集まっている近くのテーブルにお茶セットを置くと、立花さんがありがとうと小声で言ってくれた。
「あの日ーー、柚子ちゃんが屋敷を襲撃した犯人を見た日の事ね~。俺が外から帰って来たら、知らない人影と別れて屋敷に戻るもう一つの人影が見えたんだよね~」
呑気に深雪さんが言った発言は、なかなか重大なものだった。それを聞いた修斗くんがまたも大声であーだこうだ言い始めた。
「俺はちゃぁーんと、ご当主様に報告したよ~」
重大な事実がご当主様に報告されていて、自分が何も知らされていなかった修斗くんは怒り浸透だ。ご当主様は屋敷内の人間に共有しないで、深雪さんに独自調査をさせていたんだろう。そして柚子もーー深雪さんが見たという人影を見たんだろう、おそらく騎士団には報告したけど、屋敷内に共犯者のいる可能性を考慮して黙っているように言われたんだと僕は推測した。
さてこの短い間に、修斗くんの怒りの矛先はこのよく分からない状況から望月個人に向いたらしい。
「大体っ!なんだアイツは!ったく、追放だ!追放!」
バンっとテーブルを両手で叩いてさらに一言。
「騎士団に連絡して、しょっ引いてもらう!」
「落ち着いてって。ほら、風見がお茶を淹れてくれたから」
慌てた立花さんがお茶を勧めるも修斗くんは立ち上がって騒いでいる。修斗くんにとって、柚子は妹のような守るべき存在なんだろう。それを傷つけたのが同じ屋敷の人間という事実は、彼のポリシーに反するし許せない事なのだろう。そんな様子を横目に深雪さんがお茶を飲み干して、テーブルにカップを置いた。
「あとは俺たちじゃなくて、ご当主様の決めること~ですよね」
その場の全員がご当主様を見つめる。当の本人は真っ暗な窓の外を向いていた。深い深いため息が夜の空気に溶け込んでいった。
……こういう非常事態の時、結衣ちゃんは必ず魔除けのハーブティーを淹れるなぁ。そう思い出してキッチンへ向かう。ダイニングに集まる人数分のお茶を用意ーー柚子達の分は……どうする。いや、柚子のケアは結衣ちゃんがしてくれるだろう。下手に魔除けのお茶なんて持って行ったら、望月が避けなければならない何だったと言っているようなものではないか。何かの間違えで手違いでこうなったんだ。望月を信じたいーー柚子と望月の気持ちを信じていたかった。
僕は5人分のお茶だけを持ってダイニングへと入った。
「柚子ちゃんに何かあったら、結衣ちゃんに怒られちゃうからなぁ~と俺は思って~」
深雪さんがご当主様と立花さんに報告の真っ最中だった。みんなが集まっている近くのテーブルにお茶セットを置くと、立花さんがありがとうと小声で言ってくれた。
「あの日ーー、柚子ちゃんが屋敷を襲撃した犯人を見た日の事ね~。俺が外から帰って来たら、知らない人影と別れて屋敷に戻るもう一つの人影が見えたんだよね~」
呑気に深雪さんが言った発言は、なかなか重大なものだった。それを聞いた修斗くんがまたも大声であーだこうだ言い始めた。
「俺はちゃぁーんと、ご当主様に報告したよ~」
重大な事実がご当主様に報告されていて、自分が何も知らされていなかった修斗くんは怒り浸透だ。ご当主様は屋敷内の人間に共有しないで、深雪さんに独自調査をさせていたんだろう。そして柚子もーー深雪さんが見たという人影を見たんだろう、おそらく騎士団には報告したけど、屋敷内に共犯者のいる可能性を考慮して黙っているように言われたんだと僕は推測した。
さてこの短い間に、修斗くんの怒りの矛先はこのよく分からない状況から望月個人に向いたらしい。
「大体っ!なんだアイツは!ったく、追放だ!追放!」
バンっとテーブルを両手で叩いてさらに一言。
「騎士団に連絡して、しょっ引いてもらう!」
「落ち着いてって。ほら、風見がお茶を淹れてくれたから」
慌てた立花さんがお茶を勧めるも修斗くんは立ち上がって騒いでいる。修斗くんにとって、柚子は妹のような守るべき存在なんだろう。それを傷つけたのが同じ屋敷の人間という事実は、彼のポリシーに反するし許せない事なのだろう。そんな様子を横目に深雪さんがお茶を飲み干して、テーブルにカップを置いた。
「あとは俺たちじゃなくて、ご当主様の決めること~ですよね」
その場の全員がご当主様を見つめる。当の本人は真っ暗な窓の外を向いていた。深い深いため息が夜の空気に溶け込んでいった。
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