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episode 2

望まぬ再会

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席に座って書面に目を通し始めても、藤瀬くんのことが気になって仕方がない。

チラチラとその表情を盗み見してしまう。

そういえば……。

その伏せた目も。

長いまつ毛も。

すっと通った鼻筋も。

少し薄くて柔らかそうな唇も。

パーツの一つ一つをじっくり見ていけば、あの頃の藤瀬くんの面影が残っている。

大人になってずいぶんと色気が増しているけれど。

それでもあの頃の、大好きだった藤瀬くんのまま。

そう思うと胸がキュッと締め付けられるような感覚で。

……いやいや。

危ない危ない。

私は一体なにに浸ろうとしてるんだ。

過去は振り返らないで前を向くと決めたはずでしょ。

心機一転、リセット。

それを忘れちゃいけない。

私も藤瀬くんも、昔とは違うのだから。

そうよ。

昔の藤瀬くんは、あんなふうに意地悪くニヤリと笑う人じゃなかった。

自分のことを棚に上げて、人を責めるような言い方をするひとじゃなかった。

私の大好きだった藤瀬くんは、もう消えてしまったのだから。

フッと短く息を吐き、私は書類を持つ手に力を込めて集中することに務めた。
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