呪い呪われ恋焦がれ

すぅこ

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その後

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その後。

ヒスイの『呪い』の件では、ヒスイが思っていたより、呆気なく済まされた。
皆、ヒスイが老婆であれ、少女であれ、街のために戦い、皆の病気やケガを治し、話し相手になり、いろんな人と触れ合える場所も提供してくれた女性なのだ。
姿は違えど、その人柄は一緒である。

優しく、強く、少し抜けていて、なにを言われようが憎めない。それがヒスイらしい。
中には、多少納得できない人もいたけど、かと言って関係が悪くなるわけでは無いそうだ。
怒ってこなく人はいない。みんなこの場所を好きな事が、また嬉しい。


そう、変わったと言えば、老人と騎士のふれあい憩いの広場から、いろんな人が訪れる国公認『ふれあい公園』にグレードアップしたこと。本当に、そのうち、老人ホームが建たりそうな気がします。


シーネルト王子に過去で会ったアズベルト王の話で盛り上がった。
豪快に笑うアズベルト王と、今の品のあるシーネルト王子は結び付かないが、威厳ある姿は似ていると思う。
まさか、別人だと思っていた翡翠の魔女が本人だとは、ヒスイ本人も思っても見なかった。ブリーチのみぞ知る。

そして、グレドジャーノがあの後に、短期間でものすごい勢いで勉強し、出世して、城に勤務しているとの事。
いろいろあったが、根っからの悪党ではない。国を恨みつつも領土の事を考え、飢えないために作物を研究したり、努力をしていたらしい。領民はむしろ伯爵に感謝していた。領民思うゆえの行動だったとも言えるのだ。

暇を見てはオルティニスとともに遊びに来る。
グレドジャーノは魔法使いの素質もあり、オルティニスと仲が良いそうだ。


ヒスイとシャドウはというと、なんというか、特に急激な進展も無く、まったりと、今までと変わらず過ごしている。
あれだけ、『愛』『愛』『愛』…言ってたわりに何故だろう。


グレドジャーノは、あれだけ女をはべらせていただけあって、かなり女の扱いが上手い。褒めて褒めて、攻めてくる。

オルティニスも、妙に色気があり、親切でクールな外見とのギャップに萌える。

ノイ…は、可愛い男の子って感じ。甘え上手になった。


グレドジャーノに、オルティニスに、ノイに口説かれてても、シャドウはただ傍観して、止めもしないのは、如何なものか。よく分からない。

ただただ、ずっとヒスイを見つめている。幸せそうに。

戦いでは『闘神』であるのに、普段は、穏やかすぎる。
奪ってほしいなんて恥ずかしくて言えませんが。


『あーあ、もっとシャドウと二人の時間がほしいな…と思う今日この頃。

私、欲求不満かも。』



シャドウは思う。
『こうやって、幸せそうに笑う人々の中にいると心地よい。
問題ごとが落ち着いたのに、何故、ヒスイの側に寄れないのだろう。
いつも、アイツらが横を陣取っていやがる。彼女はモテる。

まだ、狙ってるのか?私のものになったと思ったのに。

もっと、ヒスイとの時間が欲しい。

そうだ!!……』

そよそよと気持ち良い風が吹く。

気がつくとシャドウの姿が消えていた。

そしてしばらく、シャドウは姿を見せなくなった。


シャドウは、私と会えなくて平気なんだ。
不安なのは私だけ?
もしかしたら、他に好きな人ができたのかもしれない。

ヒスイは不安ばかりが募った。

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