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下界にレッツゴー!!と思ったら…
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改善されない激務。
サクラは荷造りを始める。
「サクラちゃ~ん!って。え!!何?家出??」
休みの日に、いつものようにやってきた前髪の一部分を赤く染めた銀髪の細マッチョイケメン。『戦神』のゼロス兄様はあたふたしている。
「サクラちゃ~ん。遊ぼ…って、えっ??」もう1人、『創造神』ランファア兄様。
「……。」
「なんか、怒ってる?」オロオロオロオロ。
「………ちょっと現場(下界)に行ってきます。しばらく戻らないのでフォローお願いします。」
「「ええー!!」」
2人の兄様はダメだよ、ダメだよとオロオロ。
いや、大好きな兄様達でも我慢の限界なんです。もういったい何百年争いが続いていると思ってるんですか。戦大好きゼロス兄様は面白がって終わらせる気は無いし、基本面倒事放置のランファア兄様だし。雲の上で見てたって何も変わらない『事件は現場で起こってるんだ!』ですよ。
「死神の教育と、戦争を終わらせてきます。」
「「じゃあ、オレ(私)も行く。」」
「銀髪が3人も現れたら、目立つので遠慮します。」
銀髪は神の証。下界では稀に現れる勇者や聖女も銀だが、それは遊びなのか、何か目的があって降りた神様に違いない。
そうそう、補足として死神は、下界でそう呼ばれているだけで神様ではない。冥界の使いなだけだ。
冥界に魂は連れていかれ、『善』『悪』に割り振られ、『善』の者だけサクラの元に送られてメンテナンスし、ランファア兄様のところで転生させるというシステムだ。
『悪』は……鬼(?)にプチっとな……と、想像どおりだ。たぶん。
兄様達とモメモメしていたら、サクラは日頃の疲れから目眩を起こし、準備して開いていた下界に繋がる扉から、倒れるように落ちてしまった。
何も持たずに。
「「嗚呼嗚呼!!」」兄様の悲鳴が木霊する。
バタン。扉は閉まった。
あー、神様が過労で倒れるなんて。
仮にも『癒し』の神様なのに!!?前世でも、今も自己管理できない自分がイヤだ。
しかも、受け身もとれずに下界に落ちたから、結構な衝撃だった。
痛いなぁ。
怠いなぁ。
魔物に食われたら洒落にならないなぁ。
………兄様、ワガママ言ってゴメンね。いつも、思い立ったらすぐに行動するタイプなんです。
………誰か、助けて。
気付いたら、フカフカの布団だった。
知らない部屋。
どうやら、誰かに助けられたようだ。
ムクッと体を起こし、周りの様子を伺うが誰もいないようだ。
ハンガーに掛けてあったマントをつけ、フードを深く被る。
ここは、何処なのか。
確認しようと、ベッドから降り部屋を出ると、下の方から大勢の話し声と笑い声。下に向かい階段をおりて、ヒョコッと覗いてみた。
ガタイの良い、鍛えられた男達。女性も皆、筋肉質で武器を所持している。
ジーっと様子を見ていると、視線に気付いたのか皆無言になり、一斉にサクラに視線が集中する。
『うわぁっ』なんで気付いたんだろう??壁に隠れる。
それでも、勇気を振り絞ってもう一度壁から覗くと、目の前に壁???
いやいや、人でした。目の前に背の高い男の人の胸です。
ゆっくりと見上げると、男はニヤッと笑った。
濃紺の髪、ガーネットのような紅い瞳。日に焼けた肌のちょっと目付きの悪いイケメンさん。
『ひぃっ!!』反射的に逃げたが、ガッチリ捕まえられた。
ここは、何処なんでしょう。
悪い人達で無いことを祈ります。
サクラは荷造りを始める。
「サクラちゃ~ん!って。え!!何?家出??」
休みの日に、いつものようにやってきた前髪の一部分を赤く染めた銀髪の細マッチョイケメン。『戦神』のゼロス兄様はあたふたしている。
「サクラちゃ~ん。遊ぼ…って、えっ??」もう1人、『創造神』ランファア兄様。
「……。」
「なんか、怒ってる?」オロオロオロオロ。
「………ちょっと現場(下界)に行ってきます。しばらく戻らないのでフォローお願いします。」
「「ええー!!」」
2人の兄様はダメだよ、ダメだよとオロオロ。
いや、大好きな兄様達でも我慢の限界なんです。もういったい何百年争いが続いていると思ってるんですか。戦大好きゼロス兄様は面白がって終わらせる気は無いし、基本面倒事放置のランファア兄様だし。雲の上で見てたって何も変わらない『事件は現場で起こってるんだ!』ですよ。
「死神の教育と、戦争を終わらせてきます。」
「「じゃあ、オレ(私)も行く。」」
「銀髪が3人も現れたら、目立つので遠慮します。」
銀髪は神の証。下界では稀に現れる勇者や聖女も銀だが、それは遊びなのか、何か目的があって降りた神様に違いない。
そうそう、補足として死神は、下界でそう呼ばれているだけで神様ではない。冥界の使いなだけだ。
冥界に魂は連れていかれ、『善』『悪』に割り振られ、『善』の者だけサクラの元に送られてメンテナンスし、ランファア兄様のところで転生させるというシステムだ。
『悪』は……鬼(?)にプチっとな……と、想像どおりだ。たぶん。
兄様達とモメモメしていたら、サクラは日頃の疲れから目眩を起こし、準備して開いていた下界に繋がる扉から、倒れるように落ちてしまった。
何も持たずに。
「「嗚呼嗚呼!!」」兄様の悲鳴が木霊する。
バタン。扉は閉まった。
あー、神様が過労で倒れるなんて。
仮にも『癒し』の神様なのに!!?前世でも、今も自己管理できない自分がイヤだ。
しかも、受け身もとれずに下界に落ちたから、結構な衝撃だった。
痛いなぁ。
怠いなぁ。
魔物に食われたら洒落にならないなぁ。
………兄様、ワガママ言ってゴメンね。いつも、思い立ったらすぐに行動するタイプなんです。
………誰か、助けて。
気付いたら、フカフカの布団だった。
知らない部屋。
どうやら、誰かに助けられたようだ。
ムクッと体を起こし、周りの様子を伺うが誰もいないようだ。
ハンガーに掛けてあったマントをつけ、フードを深く被る。
ここは、何処なのか。
確認しようと、ベッドから降り部屋を出ると、下の方から大勢の話し声と笑い声。下に向かい階段をおりて、ヒョコッと覗いてみた。
ガタイの良い、鍛えられた男達。女性も皆、筋肉質で武器を所持している。
ジーっと様子を見ていると、視線に気付いたのか皆無言になり、一斉にサクラに視線が集中する。
『うわぁっ』なんで気付いたんだろう??壁に隠れる。
それでも、勇気を振り絞ってもう一度壁から覗くと、目の前に壁???
いやいや、人でした。目の前に背の高い男の人の胸です。
ゆっくりと見上げると、男はニヤッと笑った。
濃紺の髪、ガーネットのような紅い瞳。日に焼けた肌のちょっと目付きの悪いイケメンさん。
『ひぃっ!!』反射的に逃げたが、ガッチリ捕まえられた。
ここは、何処なんでしょう。
悪い人達で無いことを祈ります。
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