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【第4部〜西洋の神々編〜】
第9章 西洋の神々26
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ウリエルはオクタス(S8)ランクである為、セブンスターが10人いても厳しい相手だ。しかし、ベリアルとバエルはオクタス(S8)ランクと、ほぼ変わらない強さだと聞いた。それなのに、これほどまでに押されているのは、ウリエルの強さが出鱈目だと言う事だ。神話がなんとなく頭の片隅にあるが、確かウリエルは堕天しかけた事があり、攻撃力だけならミカエルをも凌ぐかも知れないと言われていた様な…?それならあの強さも頷ける。
遠目からウリエルと魔王達の戦いを見ながら、私とリリスは援軍の為、光速で近づいた。
『光之神槍(ライトニングジャベリン)』
ウリエルが張っていた防御結界を突き破ったが、躱(かわ)されて横腹を掠(かす)めた。次の瞬間、私の目の前に現れて、パンチを繰り出された。走馬灯が頭によぎり、死を予感させた。
『光乃堅牢(ライトニングプリズン)』
ウリエルのパンチは、堅牢に阻まれて助かった。効果時間中は、此方(こちら)から攻撃出来なくなる代わりに、全ての攻撃が無効になるので、唯一、貫通攻撃すら防ぐ防御結界だ。
『灼熱昇太陽槍(ライジングサン)』
ベリアルの炎系魔法が作り出した灼熱の槍も、ウリエルから発せられる冷気の鞭に絡め取られた。
「うぅ、寒い。なんて冷気なの?」
「あれは、ウリエルの氷の心から発せられる冷気です」
「ウリエルは本来、名前の意味である『神の炎』を示す通り、その能力は炎に特化したものが多かったのですが、ある日突然、凍てつく冷気を発する様になりました」
「うーん、何かに絶望しちゃったのかな?」
魔王達の攻撃のほとんどは、凍り付いて効果を失い、ダメージらしいダメージを与える事が出来なかった。私達の苦戦に気付いたコルソンが、援軍に来てくれた。
「お前が女帝か?弱いと聞いてたが、噂ほど酷くは無いな」
「まぁね。封印2つ解いて、今はセブンスターだからね」
「魔王並みか…」
それでもウリエルとの差は大きい。私が一撃でも貰えば塵になりそうだ。そして何よりも、デカい。高層ビルくらいの大きさはある。他の魔王もセブンスターなのに、どうやって凌(しの)いでいるんだ?と観察する事にした。よく見ると、ウリエルの攻撃に合わせて攻撃を行い、僅(わず)かに逸(そ)らしている様に見える。
「なるほど、まともに打ち合っても勝てないから、受け流してカウンターを狙っているのね?」
言った側から、ウリエルに対して攻撃が当たり出した。しかし、ウリエルは受けたダメージをものともせずに攻撃を繰り出している。超回復によって受けた傷が、片っ端から修復されていく。
「何なの、あのバケモノは?」
「魔王達も超回復を持っていますが、あれ程ではありません。その為、苦戦しているのです」
オクタス(S8)ランクのコルソンも、地獄の業火を纏(まと)って、ウリエルの冷気に対抗していたが、決め手が無くて攻めあぐねていた。
「コルソンの攻撃に合わせて、全員で1点に集中攻撃するのよ!」
ウリエルの攻撃をカウンターで、コルソンが返したタイミングを見計らうと、全員で一斉攻撃を繰り出すと、左胸を貫通して風穴を開けた。しかし、修復していくのが見える。キモい。背筋がゾワゾワした。
「勝てないでしょコレ?不死身なの?」
「女帝だろうが!勝てないとか温(ぬる)い事をぬかすなよ!コアだ、コアを狙え!」
「コア?嗚呼、核の事か。何処にあるの?」
「馬鹿だろお前?それが分かれば、とっくに倒してるわ!」
皆んなイライラして短気な奴が多いし、口が悪い。私、これでも闇の女帝なんだけど?それに何で私が当たられないといけないのよ?イラっとするのは、こっちの方だわ!とムカムカして、どうせ私は不死だから死なないでしょう?と思ってウリエルに正面から突っ込んだ。渾身の一撃も、ほとんど無傷で実力差を思い知らされた。ウリエルのカウンターを受け、死を予感した。
「アナト…アナトぉぉ?アナト!!!」
ウリエルは私への攻撃を途中で止めると、大切そうに両手で包み込む様にして、受け止めた。
「?」
「アナトぉぉぉ」
私に頬擦りをすると、大粒の涙が滝の様に降り注いだ。ウリエルは、高層ビルほどの巨大さだ。滝の様に降り注いだと言うのは、形容詞なんかじゃない。涙の雫の直撃を受けて、溺れ死にそうになった。
「ぷはぁっ。今度は一体何なの?」
ウリエルからは、完全に戦意が消え失せていた。
「何なの、ウリエル!大き過ぎて、私の声なんか聞こえないのかな?」
するとウリエルは、人のサイズになった。それでも180㎝は軽く超えてるイケメンだ。
「アナト、ずっと会いたかった…」
ウリエルに強く抱きしめられて、何の事か理解出来ずに、目を丸くしていた。
「何なの一体?私、昔の記憶が無いんだよ。アナトって誰?もしかして、私の事なの?」
「貴女の事です。唯一神ヤハウェと母なる女神アシェラの娘、アナト。それが貴女の本当の名前です」
「アナト、今まで何処にいた?」
「えっ?えーっと、地上で、日本にいました。神崎瑞稀と言います」
「そうか…何度も転生を繰り返したのだな?苦労をかけたな。これからは俺が、アナトを守る」
こんなイケメンに真剣な眼差しで、私を守るとか言われちゃうと、堕ちちゃうわ。めっちゃドキドキする。鼓動、聞こえてないよね?
ウリエルに強く抱きしめられた後、ほっぺや額に何度もキスをされ、首筋にキスしながら胸を触られた。私は抵抗する事もなくされるがままでいると、口付けを求められて受け入れると、舌を絡め合った。
「おい、おい、堂々と俺たちの目の前で浮気するなよ。お前はルシファー陛下の女だろう?」
「浮気って、そもそもルシファーに付き纏われてただけじゃないの、私。何よ、浮気って?結婚どころか、付き合ってもいないわよ」
「お前の事情は知らんが、ルシファー陛下は、お前を妻にすると言ったんだ」
「ルシファー?ルシフェルの事か?」
「そうよ」
「くそっ、またあいつか!今度は絶対にアナトを渡さない」
「ねぇ、ウリエル。唯一神、私のパパに会いたいの。案内してくれる?」
「分かった。ついておいで」
ウリエルの凍てついた、氷の心は既に無く、暖かな陽だまりに包まれているみたいだった。
遠目からウリエルと魔王達の戦いを見ながら、私とリリスは援軍の為、光速で近づいた。
『光之神槍(ライトニングジャベリン)』
ウリエルが張っていた防御結界を突き破ったが、躱(かわ)されて横腹を掠(かす)めた。次の瞬間、私の目の前に現れて、パンチを繰り出された。走馬灯が頭によぎり、死を予感させた。
『光乃堅牢(ライトニングプリズン)』
ウリエルのパンチは、堅牢に阻まれて助かった。効果時間中は、此方(こちら)から攻撃出来なくなる代わりに、全ての攻撃が無効になるので、唯一、貫通攻撃すら防ぐ防御結界だ。
『灼熱昇太陽槍(ライジングサン)』
ベリアルの炎系魔法が作り出した灼熱の槍も、ウリエルから発せられる冷気の鞭に絡め取られた。
「うぅ、寒い。なんて冷気なの?」
「あれは、ウリエルの氷の心から発せられる冷気です」
「ウリエルは本来、名前の意味である『神の炎』を示す通り、その能力は炎に特化したものが多かったのですが、ある日突然、凍てつく冷気を発する様になりました」
「うーん、何かに絶望しちゃったのかな?」
魔王達の攻撃のほとんどは、凍り付いて効果を失い、ダメージらしいダメージを与える事が出来なかった。私達の苦戦に気付いたコルソンが、援軍に来てくれた。
「お前が女帝か?弱いと聞いてたが、噂ほど酷くは無いな」
「まぁね。封印2つ解いて、今はセブンスターだからね」
「魔王並みか…」
それでもウリエルとの差は大きい。私が一撃でも貰えば塵になりそうだ。そして何よりも、デカい。高層ビルくらいの大きさはある。他の魔王もセブンスターなのに、どうやって凌(しの)いでいるんだ?と観察する事にした。よく見ると、ウリエルの攻撃に合わせて攻撃を行い、僅(わず)かに逸(そ)らしている様に見える。
「なるほど、まともに打ち合っても勝てないから、受け流してカウンターを狙っているのね?」
言った側から、ウリエルに対して攻撃が当たり出した。しかし、ウリエルは受けたダメージをものともせずに攻撃を繰り出している。超回復によって受けた傷が、片っ端から修復されていく。
「何なの、あのバケモノは?」
「魔王達も超回復を持っていますが、あれ程ではありません。その為、苦戦しているのです」
オクタス(S8)ランクのコルソンも、地獄の業火を纏(まと)って、ウリエルの冷気に対抗していたが、決め手が無くて攻めあぐねていた。
「コルソンの攻撃に合わせて、全員で1点に集中攻撃するのよ!」
ウリエルの攻撃をカウンターで、コルソンが返したタイミングを見計らうと、全員で一斉攻撃を繰り出すと、左胸を貫通して風穴を開けた。しかし、修復していくのが見える。キモい。背筋がゾワゾワした。
「勝てないでしょコレ?不死身なの?」
「女帝だろうが!勝てないとか温(ぬる)い事をぬかすなよ!コアだ、コアを狙え!」
「コア?嗚呼、核の事か。何処にあるの?」
「馬鹿だろお前?それが分かれば、とっくに倒してるわ!」
皆んなイライラして短気な奴が多いし、口が悪い。私、これでも闇の女帝なんだけど?それに何で私が当たられないといけないのよ?イラっとするのは、こっちの方だわ!とムカムカして、どうせ私は不死だから死なないでしょう?と思ってウリエルに正面から突っ込んだ。渾身の一撃も、ほとんど無傷で実力差を思い知らされた。ウリエルのカウンターを受け、死を予感した。
「アナト…アナトぉぉ?アナト!!!」
ウリエルは私への攻撃を途中で止めると、大切そうに両手で包み込む様にして、受け止めた。
「?」
「アナトぉぉぉ」
私に頬擦りをすると、大粒の涙が滝の様に降り注いだ。ウリエルは、高層ビルほどの巨大さだ。滝の様に降り注いだと言うのは、形容詞なんかじゃない。涙の雫の直撃を受けて、溺れ死にそうになった。
「ぷはぁっ。今度は一体何なの?」
ウリエルからは、完全に戦意が消え失せていた。
「何なの、ウリエル!大き過ぎて、私の声なんか聞こえないのかな?」
するとウリエルは、人のサイズになった。それでも180㎝は軽く超えてるイケメンだ。
「アナト、ずっと会いたかった…」
ウリエルに強く抱きしめられて、何の事か理解出来ずに、目を丸くしていた。
「何なの一体?私、昔の記憶が無いんだよ。アナトって誰?もしかして、私の事なの?」
「貴女の事です。唯一神ヤハウェと母なる女神アシェラの娘、アナト。それが貴女の本当の名前です」
「アナト、今まで何処にいた?」
「えっ?えーっと、地上で、日本にいました。神崎瑞稀と言います」
「そうか…何度も転生を繰り返したのだな?苦労をかけたな。これからは俺が、アナトを守る」
こんなイケメンに真剣な眼差しで、私を守るとか言われちゃうと、堕ちちゃうわ。めっちゃドキドキする。鼓動、聞こえてないよね?
ウリエルに強く抱きしめられた後、ほっぺや額に何度もキスをされ、首筋にキスしながら胸を触られた。私は抵抗する事もなくされるがままでいると、口付けを求められて受け入れると、舌を絡め合った。
「おい、おい、堂々と俺たちの目の前で浮気するなよ。お前はルシファー陛下の女だろう?」
「浮気って、そもそもルシファーに付き纏われてただけじゃないの、私。何よ、浮気って?結婚どころか、付き合ってもいないわよ」
「お前の事情は知らんが、ルシファー陛下は、お前を妻にすると言ったんだ」
「ルシファー?ルシフェルの事か?」
「そうよ」
「くそっ、またあいつか!今度は絶対にアナトを渡さない」
「ねぇ、ウリエル。唯一神、私のパパに会いたいの。案内してくれる?」
「分かった。ついておいで」
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