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第1章

第20話 薬の過剰摂取

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 目が覚めると、ベッドに寝せられていたが、身体は拘束されていた。
「うふふふ、お目覚めかしら?」
そう言うと、お腹に激しい痛みが走った。クチュ、クチャ、グチュと奇妙な音が聞こえる度に、耐えられない激痛が走る。
「凄いわぁ、貴女。何されているか、分かる?」
「ぎゃあぁ…い、痛いっ、痛い、痛い、止めて!お願い止めて!止めて下さい!お願いします、あぎゃあぁっ…」
「見えるかしら?これは貴女の肝臓で、こっちは腎臓。膵臓は1個しか無いんだけど、ほら?これよ」
「はぁ、はぁ、はぁ…。痛いよぉ、もぉ殺して、死なせてよぉ」
「うふふふ、無理なのよ。だって貴女、死なないんだもの。撃ち殺したはずなのにすぐに息を吹き返したわ。どうなってるのかと思って、生きたまま臓器を抜いてあげたのよ。そしたらねぇ?素晴らしいわぁ。抜き取った直後に、再生していくのよ。臓器売買も貴女1人居れば、全て解決ねぇ。大儲けだわ」
そう言うと、彼女は私の肺を掴んで引き摺り出した。
「あははは、それに貴女が苦痛で歪む姿を見ると、オーガズムに達するの。私、さっきからイキっぱなしよ。もう、びしゃびしゃだわ。下着を脱ぐわね。舐めて綺麗にしなさい。そうしたら、ちょっと疲れたから休憩で臓器抜くの止めて、あ・げ・る♡」
あまりの激痛から逃れる為に、素直に従った。
「そうそう、良い感じ…。もっと舌を使いなさい!あぁーんっ、そう、そこよ、気持ち良い。そこっ、そこっ、あはぁんっ」
我慢出来ずに私の顔の上で腰を振って来た。
「あぁーっ。イクっ、イクっ、イっちゃう!」
ビクッ、ビクッと痙攣すると腰の動きを止めた。
「はぁーっ、はあっ、はぁ、はぁ…良かったわ。貴女の事、気に入ったわ。私の愛人になるなら、可愛がってあげるわよ?勿論、この地獄から解放してあげる。どうする?」
私は考える事なく、頷いた。
「うふふふ、じゃあ今度は貴女の番ね」
下着を下ろされ、下半身を丸出しにされると、舌を這わされた。
「うっ…、はぁ、はぁ…うぅ…」
「我慢しなくて声を出しても良いわよ?ここには誰も来ないから…」
突然、ドアを蹴破られる音がして、6体の化け物が入って来た。
「キャア!何っ?何なのよ!」
 銃を手にして撃ちまくったが、数には勝てず押さえ込まれると腹を食い破られ、手足を食いちぎられて、苦しみもがいてもまだ死ねずにいた。化け物達のうち1体が私の方に来ると、拘束を解いてくれた。
「あ、ありがとう…」
状況が飲み込めず、理解出来ないでいると、美江おばさんが現れた。
「あぁ、なるほど。皆んな春町の人達なのね?」
美江おばさんは頷いた。
「ねぇ、何で春町の人達がこんな姿になったのよ?何をしたの?」
女性職員は、苦しそうにうごめいていた。
「答えてくれたら楽にしてあげるわ。でなければ、もっと苦しむのね」
「性転換薬よ…と、投与の…限界を超えると、そうなった…。軽い者は…意識が…、重い者は…人喰いに…」
女性職員はそこまで話すと、瞳孔を開いたまま動かなくなった。
「性転換薬、私達も友梨奈と毎日何度も飲んでいたわ。私や友梨奈も…」
 薬の効き目には、個体差があるのかも知れない。馬鹿だった。薬は飲み過ぎると毒になるではないか。砂糖だって1度に15㎏も摂取すると致死量に達する。春町の皆んなは、薬の過剰摂取でこうなってしまったのだろうか?
「大丈夫…きっと、元に戻る方法があるはずだわ…」
自分自身に言い聞かせて、勇気を奮い立たせた。この研究所の建物の中には、立ち入りが禁止されている場所がいくつくある。そのどれかが、薬品を製造していたり、薬品の研究をしている部屋に違いない。元に戻る研究も当然しているはずだ。
 私は地下への階段を降りて行った。
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