悪役令嬢ですが、破滅するどころか逆に好感度爆上がりしてます。なぜ。

くろねこ

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アレクシス視点(婚約破棄の裏側)

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断罪は、予定通りに進むはずだった。

だが――
殿下の口から吐き出される言葉は、
ただの思い込みと、浅薄な正義にすぎない。

(殿下は見えていない)

本当に守られていたのは、
ミア嬢ではない。

それすら分からないとは――
なんと浅はかで、愚かな。

エリザベート様が微笑んだ瞬間。
背筋の伸びた凛とした立ち姿。
決して折れぬ気高さ。

あれを「冷酷」と断じる者は、目が腐っている。

……いや。
人の心を持っていない、と言うべきか。

そして。

――耳が出た。

恐れていた事態が、起きた。

(……しまった)

だが同時に、
不謹慎なほど率直な感情が胸をよぎる。

(――可愛らしい)

初めて見る現象ではない。
だが、人前で発動したのは初めてだった。

(やはり……呪いは進行している)

迷いはなかった。

私は一歩前へ出て、
ためらいなく彼女に触れた。

伝わる体温。
小さな震え。

耳と尻尾が、静かに消えていく。

(……大丈夫)

あなたは、私の手で守る。

それだけは、決して揺るがない。

声に出すことはしない。

まだ。

だが、心の内で静かに誓う。

――あなたを泣かせる者は、
――誰であろうと、排除する。

それが、
私がこの剣を握る理由だ。



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