CODE:AW 赤き指輪と夢見の魔女

黒咲鮎花

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第二章 捜査開始

情報整理

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 同日。6時37分。
 UCIA日本支部捜査基地。グラウンドベース地下通路。

 新宿の地下深くにあるUCIA日本支部。神蔵の話によると地下150メートルの位置に存在しているらしい。首都高速からおそらく専用通路があったのだろう。いつの間にかに車は地下へと進入していく。

「それにしても、UCIAの日本支部って何でこんな地下深くに? 地震対策なのかもしれないけど、大がかりすぎない?」

 ハンドルは神蔵が握っている。私は助手席から神蔵の顔を見る。

「それなりの理由があると聞いている。元々UCIAは立ち上げの理由から特殊で、その事件性からあまり公にはしたくない事もあるんだろう。表向きには不明、未解決事件専門となっているところもな。CODE:AWに関してはFBI、CIAにも知らされていない」

「……質問していいかしら?」

「何だ?」

「――確かに世界各地で不可思議な白骨化事件が徐々に多発している。背後には何か霊的な存在もいるのかもしれない。でも被害者は2025年だけで見ると150人にも満たないわ。確かに理解しがたい複数の同一事件ではあるけれど。ここまで大規模に、予算や設備も使って国防総省が管轄し、捜査している理由は何?」

 素直に思っていたことだ。先日は色々な情報が入り込みすぎて冷静に判断できていなかった部分もあるのだろうが、事件の規模に対しての捜査態勢が厳重すぎるように思うのだ。相手が何者なのか見当も付いていない状況で、非常に危険であるということも分かるのだが、ここまでの施設や訓練、設備が必要なのだろうか?

「――姫宮。もし仮にだ。UCIAの海外支部がとある辺境にあって、得体の知れないたった一人の人間に襲撃され、支部が壊滅に追い込まれた…… そんな話があったとしたら今の体制をどう思う?」

(……え?)

「しかもその相手は何も武器を持っていない。――丸腰だったとしたら?」

「……その支部の規模と人数。どういう状況で壊滅に追い込まれたのは分からないけど、仮にそれが事実だとしたら、警備体制という意味では納得できる、と思う……」

 突然の話だった。UCIAの海外支部という話だったが…… 果たして何処までが本当で何処までが嘘なのだろう?

「――その仮にっていう話、いつ頃の話なの?」

「…………」

 やはりというか、神蔵は何も答えない。何者かに襲撃されたのがUCIAの海外支部、というのはおそらく嘘のように思える。UCIAの日本支部は出来て間もない。資材調達係の葉山さんが配属になったのは6ヶ月前。システム設計にも関わっているクリスさんが配属されたのは1年前だ。日本支部の規模から考えて着工開始になったのは2~3年前くらいだろうか。

 日本支部を作る段階で、セキュリティレベルの高い施設を作ることが確定していた。つまり襲撃事件が本当だったとすると、それは2~3年以上前の出来事ということになる。

 ひょっとすると随分と前から海外支部はあったのかもしれないが、おそらく神蔵の言っている仮定の話は、UCIAの前身組織の話だ。神蔵がFBIから転属した組織、それがUCIAの前身組織だと仮定すると……。

 その襲撃事件で、神蔵は重傷を負ったのだろうか…… しかし、それだと着工時期との辻褄が合わなくなってくる……。

 それを考えると、神蔵がその情報を知ったのはFBIから転属後、そして重傷を負ったのはまた別の話だ。もし神蔵がいた組織も何者かに襲撃され、重傷を負ったのなら、再び襲撃されたと言うことになる。

「……ハーディ室長も、ここはFBI以上に危険だって、そういえば言ってたね。肝に銘じておくわ」

「それが分かっているなら――俺は何も言わない」

 話をしている内に、長い傾斜を下った先に開けた場所へ出た。
 
「資材搬入用の出入り口にもなっているが。本来はこっちが正式な玄関口だ。地上からの徒歩ルートは特殊な事情で使う秘密ルートになる」

「すごい…… こう見ると完全な軍事基地だね」

 地下150メートルにある開けた空間には、四隅に監視塔がありサーチライトも付いている。大型トレーラーが3台は付けられるような大きな資材搬入口。UCIA施設へのロータリーからエントランスには、アサルトライフルにボディースーツを着込んだ重装備の兵士が数人警備に当たっている。かなり大型の見たことがないUAV(無人航空機)と思われる機体が2機ほど駐機されており、装輪装甲車も数台停車している。

「神蔵少尉、姫宮少尉、お疲れ様です」

 車から降りると、警備兵が敬礼する。

「察しているとは思うが、UCIAは国防総省直轄の軍事組織だ。俺達は立場的に軍人で階級は少尉になる。それを忘れるな」

 神蔵が警備兵に答礼する。続いて私も答礼した。


 オペレーションルーム。時間はもうじき7時30分になろうとしている。

「おはよう神蔵君。姫宮さんも朝からご苦労だったね。クリスが美味しいティーを煎れてくるから、まあのんびり待ってくれよ」

 先に葉山さんが来ていたようだ。続いてクリスさんもやってくる。

「おはようございますー。おいしいモーニングティーですよー」

 なんだかクリスさんは眠そうだ。慣れた手つきで皆にティーを注ぎ始める。

「俺はコーヒーにしてくれ」

「言われなくてもわかってますー」

 神蔵は相変わらずの無愛想ぶり。クリスさんも慣れているのか神蔵にはコーヒーを煎れてきたようだ。

「あ、姫宮さんは紅茶派ですかー?それともコーヒーがいいですー?」

「あ、私はどっちでも大丈夫」

 正直言うとコーヒーのほうが飲み慣れてはいる。味が分かるようになったのも、神蔵の影響が大きかった。そうこうするうちに室長がやってきた。

「さあ、みんな。情報整理していくわよ」

 クリスが端末を操作し、今回の事件の概要が映し出され説明を始める。

「ラボのDNA鑑定結果から被害者は聖アルサード女学院高等学部三年生、はまで間違いありません。26日の夜から自宅に戻っておらず、27日には警察へ捜索願が出されていました。28日の朝から公開捜査に踏み切ったようです。これはまだ不確定ですが、メディアへのリークが警察内部からあったようですね……」

 映像に映し出された黒髪の少女。髪は比較的長めだが特に特徴らしき特徴は無い。どこにでも居そうな普通の少女だ。

「聖アルサード女学院と言えば、今となっては有名な超お嬢様学校だ。もっとも神学科はかなり厳しいらしいが、被害者は神学科の子かな?」

 と葉山さんが質問した。

「被害者の浜野さんは神学科のクラス3-Aに所属する生徒です。成績は平均的で、特に問題な点は見当たらなかったそうです。チェス部に所属しており、部活も普通に出ていたようですね。先日、神蔵さんの聞き込みによるとチェス部の部長さんが登校していなくてお話が聞けなかったとのことでしたが……」

「それに関しては本日に聞き込みを行う事になっている。チェス部の部長は聖アルサード教会にインターンとして出向いていることが多いらしい」

「えっと、この方ですね」

 クリスさんが端末を操作し、データを表示する。

ほうじようあゆさん。成績は非常に優秀で神学科の中でもトップクラスです。いっぽう運動は大の苦手のようで体育の授業はほぼ見学とのこと。麻由美さんという妹がいるようで、1年生に在籍しています。麻由美さんの方は、何やら色々と問題児なようですね……」

「――まあ秀才の姉に、出来の悪い妹…… というのはよくある話だ。妹のことで職員室に呼び出されることが多々あるらしい。ただ、幼い頃に両親を亡くしていて姉は相当に頑張ってきたようだが……」

 少し言葉に棘はあるが、しっかり聞き込みを行ってきたのだろう。映像から見るに綺麗で長そうな黒髪を後ろで束ね、サイドの髪を少し前に下ろしている。黒縁の眼鏡姿のいかにも真面目な少女の姿だった。学生証の写真データだろうか。

「被害者とも部活で少なからず交流があったようだ。今日はその辺りの聞き込みを行ってくる」

「――聞き込みには今日から姫宮も同行するように。今までは捜査活動は神蔵単独で行ってきたけど、今後の捜査活動は二人で行ってもらうわ。各自しっかりと互いをサポートするようにね」

「了解しました」

 神蔵は不満なのか、ハーディ室長の言葉に反応しない。何を考えているか分からない表情をしている。ただ無愛想なだけなのかしれないが。

「被害者は非常に内向的な性格だったようで、特に親しい友人はいなかったようです。CODE:AW該当捜査法に基づきSNSの情報も洗いましたが、とくに親しい人も居なかったようで、たまに短文を投稿したり、空の写真を投稿したりと目立ったものはありませんでした。SNSのダイレクトメッセージや、メールアカウント等からも不審なものは見つかっていません」

(CODE:AW該当捜査法…… つまりは合法的なデータの強制開示もしくはハッキングなのか、どちらも簡単にやってのけそうなのが怖いところね……)

「――つまり、現在の情報では手がかりは何1つ掴めていない、と言うことですね…… 現場周辺の監視カメラの映像は?」

 と、聞いてみる。
 
「現在解析中ですので、詳しい詳細は後ほど。と言うことでお願いします。午後にはお話しできるかと」

(今までも監視カメラの映像に犯人の手がかりは残されていなかった…… 今回もそうだろうけど、何か事件の手がかりになる事は……)

「……クリス、例の件だがデータを出してくれないか?」

 神蔵が口を開くとクリスがうなずいた。

「過去に起きた全CODE:AW該当事件の白骨データです。今回の事件のデータも入力してあります」

 過去の白骨化した遺体の骨のデータが表示された。

「前々から思っていたが、それは犯人がどんな方法で被害者を白骨化させているのか? ということだ。で、遺体の骨の状況について可能な限り調べた結果、ほとんどが綺麗に火葬されたような真っ白な白骨死体だった。極一部の例では骨が黒ずんでいた事もある。そして今回の事件は――」

 神蔵が一呼吸おいて続ける。

「一部で黒い痕跡が見られた。あくまでクリスのドローンが持ち帰ったサンプルでの話だ。全体の骨の状況はこれからの解析次第だが……」

 続いて葉山が切り出した。

「今回のクリスがドローンで持ち帰った骨のサンプルは右足の親指の骨だ。今までの事件の骨と比べてみると、表面が黒ずんでいてね。火葬などで燃焼温度が不足すると骨が黒ずんで残ることがある」

 現場で見た被害者の骨はほぼ綺麗な白骨だったが、思い返すと僅かに黒い部分もあったかもしれない。

「……現実として理解しがたくはあるけど、被害者が燃やされたと仮定して、多くは完全に真っ白な白骨死体で、今回はごく希に起きる黒い部分が残る白骨死体だった。つまりは通常より火力が低かった、燃焼不足により黒い骨が残った、ということよね…… 結局の所、殺害方法としては火葬場で燃やしたという事ぐらいしか考えられないけど……」

 私の推測に葉山さんが付け足すように説明する。

「完全に綺麗な白骨になるのは、おおよそ1000度前後だ。火葬場だと温度800~1200度ぐらいだね。1600度を超えると骨が融解し始める。燃やし始めて白骨化するまでが約1時間。火炎放射器だと熱量が高すぎて溶ける部分もあるだろうし、ここまで綺麗な白骨にはならないだろう。時間もかかる事から使われたとは考えにくい」

「……常識的な思考だと、理解できる範囲ではない。そもそもあんな場所で白骨死体など出るはずも無い。過去に起きた事件でも発見現場のビル、およびその周辺の監視カメラの映像に、被害者も容疑者と思える者もまったく映り込んでいない」

 神蔵はそう言った。

 少しの沈黙のあと、室長が口を開く。

「とりあえず、神蔵と姫宮は女学院で聞き込み。葉山とクリスは被害者の遺骨と監視カメラの映像分析、サイバー空間の情報監視をお願い。夕方に新分かった情報をもう一度整理するわよ」

「了解」

 皆が口を揃え言った。

「――あと神蔵と姫宮、室長室に来て。少し話すことがあるわ」


 ――室長室に入ると、神蔵と共に応対用のソファーへ案内される。

「まあ、ここでの話は気楽にね。お茶を煎れなおすから待ってて」

 ハーディ室長はそう言うと、二人分のホットコーヒーを煎れて持ってきてくれた。それと共に綺麗な包装のチョコレートも添えられている。

「――で、お話とは一体?」

 なんとなく想像はついているが、切り出してみる。
 
「現場で、公安の人間に会ったわね?」

「やはりその話か……」

 神蔵がやれやれと言った態度。

「実は姫宮が日本に入国したタイミングで、公安からこちらに接触があったわ。もともとこの施設の建設には日本政府も大きく関わってる。警察庁からも前からコンタクトは度々あったんだけどね」

(……日本政府が施設の建設に関わってる?)

「……で、向こうの要件は?」

「CODE:AWに関しての共同捜査よ。どうやら日本政府も重い腰をようやく上げたようでね。というか本国からの圧力に屈したと言った方が正しいかしら。元からこの国では的な事件が多かったとも聞く。それで専門の捜査機関として公安警察第七課を立ち上げた――と言うことらしいわ」

「……余計な首は突っ込むな、と伝えたんだがな……」

 神蔵はそう言うと出されたコーヒーを口にする。

「透鴇哲也。貴方たちと同じハーバード大学卒。父親は有名政治家、母親はあの霧峰重工の重役、そして本人は28歳にして警視正に異例の早さで昇進。公安七課を立ち上げたのも彼という噂よ。スーパーエリートなお友達ね」

「……哲也は姫宮がお気に入りなだけだ。俺は関係ない」

 神蔵はいささか不機嫌そうだ。

「それでね、今夜は二人で挨拶に行ってきてほしいわ。この施設の建造資金と場所を提供してくれたのは日本政府だし、いちおうそれくらいは答えてあげたいと思う。公安七課がどれほどのものかは分からないけど、――使える駒は多い方が良いしね」

「……提供してくれた?恐喝して作らせたの間違いじゃないのか?あいにく俺は行く気が無い。気の利いた挨拶なら姫宮だけのほうが良いだろう。哲也も喜ぶ筈だ」

「……まあ、その場に同席するかは貴方に任せるけど、姫宮単独では動かせないわ。何かあったときにサポートできるよう、近くで待機することを命じる。いいわね?」

「……了解」

 神蔵は不機嫌そうにコーヒーを飲み干すと、室長室から出て行った。
 
 大学時代は、よく三人で勉強したり、食事をしたり、スポーツや娯楽を楽しんだりした。今思えば普段は無愛想な神蔵が笑顔をみせる事があったのも、大学時代が一番多かった様に思う。

 FBIに入った後でも、神蔵の様子が変わったとは思わなかった。1に、一体何があったのだろうか……? その事が気がかりでならない。

「――神蔵、大学でもあんな感じだったの?」

「……いえ、大学時代は本当に私達――仲が良かった、と思ってます」

 そして、私は切り出した。

「――室長。神蔵がFBIから突然姿を消してからの約1年間、一体何があったんですか?」

 ハーディ室長は瞳を閉じて、コーヒーを静かに口に含む。

「――そのうち聞いてくるとは思ってたけど、それに関しては残念ながら答えられないわ」

 一呼吸置いて、ハーディ室長は言った。

「その質問は二度としない事ね。これがどういう意味かは、貴女なら分かると思うわ……」

「…………」

「夜は久しぶりの再会を楽しんできなさい。もっとも透鴇哲也は表向きUCIAにとても協力的な人間よ。良い友好関係が結べる事を期待しているわ」

「……失礼します」

 そう言って室長室を出た……

 やはりというか、神蔵の空白期間については、よほど重大な事が起きたのかトップシークレットらしい。その質問は二度とするな、ということは、下手に喋ると室長にも危害が及ぶのだろう。身を案じて言ってくれているのかもしれない。

 その事を考えると、神蔵のことは単独で秘密裏に調べていくしか無いのだろう。もっともそれが発覚した場合、身の安全は保証できないのだろうが……

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