ニヤ国のサイキック・ヴァンパイア ～カプッとしちゃうぞ♪～

■第７章： 雪上決戦！

【 第７話： ミャーのブレスレット 】

「タロー様！！　大丈夫ですか！！」

「くっ……。グリフ、大丈夫だ……」

　弓矢が俺の左手首の鎧の隙間から、入り込んできたが、ミャーのプレゼントしてくれたブレスレットが腕の貫通を防いでいた。
　矢の先が刺さり、血は出ていたものの、貫通を防ぎ、このミャーの銀色のブレスレットが俺の身を守ってくれたのだ。

「ミャー……、ありがとう……。役に立ったぞ……。くっ！！」

　俺は、その左手首に刺さっていた矢を引き抜いた。

『ヒュン、ヒュン、グワンッ、カンッ、カンッ、グワンッ、ヒュン、グワンッ……』

「タロー様、まだですか！！」
「まだだ！！　グリフ……、まだ全員城の前に……、来ていない……。くっ……」

　すると、エイト公は次に、兵士たちに馬車で運んできた木でできた車輪の付いた台車に取り付けてある大きな丸太で、城の門を壊し始めた。

「さあ、門をぶち破れ！！」

『ガラガラガラ……、グゥーーン……、ドーーーーンッ！！』

　その大きな丸太は、木でできた台車から、三角の形をした支柱の天辺に、ロープが取り付けられており、それを振り子のような形で、門にぶつけてきたのだ。

『グゥーーン……、ドーーーーンッ！！』
『メキメキ……』

『グゥーーン……、ドーーーーンッ！！』
『メキメキメキ……』

　このままその丸太の攻撃を受け続ければ、この城の門はもたない。

「もう少しだ……。門よ、もってくれ……」

『ヒュン、ヒュン、グワンッ、カンッ、グワンッ、カンッ、ヒュン、グワンッ……』

「タロー様！！　まだですか！！」
「（もう少しだ……、あと１０人くらいだ……）」

「タロー様！！」
「（３……、２……、残り１人……）ヨシッ！！　グリフ、今だぁーーーーっ！！」

　グリフが、城の中で待機していた兵士や民衆に向かって叫んだ。

「よし！！　一斉に、ロープを切れーーーーっ！！」

『ワーーーーッ！！』
『ガゴンッ！！　シュルシュルシュル……』
『ガゴンッガゴンッガゴンッ！！　シュルシュルシュルシュルシュル……』
『グガガガガガ……、ズゾゾゾゾゾゾ……』

「お、な、何だ！？　何だ！？　う、うわぁーーーーっ！！」
『うわぁーーーーーーっ！！』

　その作戦は、遂に実行された……。