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【 因果応報 】
しおりを挟む自分の体が、ビルの屋上から下へと落ちる……。
「危ない!! どうして!!」
その時、私は天国にいる若い頃の曾お祖父ちゃんの声が聞こえたような気がした……。
その瞬間、現実に戻った。
「きゃーっ!! い、痛いっ!!」
「どうしてこんなことをするんだ君は!!」
私の右手首を強く握り締める男性がそこにいた。
彼は、金網を左手で掴み、右手で私の右手首を持っている。
私の体は、ブラブラと完全に宙に浮いていた。
彼の握っている右手首が痛む。
「君はまだ若いじゃないか!! 何故死ななきゃならないんだ!!」
「ほっといて! 私はもう死にたいの!」
「何故だ!! 君はここで死んじゃいけないんだ!! さあ、僕の手をしっかりと握るんだ!!」
「もういいの! 私なんてここで生きていく資格なんてないの! 手を離して!」
「どうしてだ!! 君はまだ若い!! まだ君にも何かできるはずだ!! くうぅ……!!」
「私なんて、何もできない……」
「勇気を持つんだ!! さあ、僕の手をしっかり握って!!」
私は、手を握っている彼の目を見た。
彼の瞳の中に、満月の光が見えた。
そして、その満月の中に、あの曾お祖父ちゃんが乗った『零戦』が飛んでいるのが、その時見えたんだ……。
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