倫理観がバグった逆ハーレム

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第七話「デヴィッド4」

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 このガキが俺達を救う存在になるのか。

 洞窟に差し込む朝日に照らされ呑気に眠る女性を見つめため息をついたのはデヴィッドだった。
 つい数週間前に話された計画を実行しようと動き始めた。


_____数週間前_____



・・・明らかにヤッてきたなこいつら。
 色々と察したデヴィッドは明らかに不満気な顔を前面に出した。

「あーあ。せっかく面白そうだったから協力しようとしたのによ。あの糞餓鬼中古品かよ・・・。」
「・・・中古?」

 先程まで国家反逆の提案に興奮し
「・・・・おいおいおいおいおい、おいおいおいおい!!これだよ!!俺が求めてたのはこれさ!!国の剣とまで謡われた騎士サマが国家反逆!!そいつの元ご主人様は俺らにいいようにされる道具にさせられる!!なんだこれは!!まさかこの世のヘドロが煮詰まった糞みてえな状況じゃねえか!!おもしれええ!最高最高最高!!」

 と大興奮していたのは誰だったかと誰もが心で思った。

 一年もの間すました顔の処女に使われていたためいい機会と犯す計画を練っていたが、目の前の騎士団長に破瓜されたため今現在不満をもっているこの男。
 心底の屑である。

「言っておくが、彼女に一生治らない傷をつけたあかつきには貴様を殺すぞ。」

 腹の底から絞り出した殺気たっぷりの言葉に怖気つかない彼に一周回って称賛したいとアーロンは考えていた。
 一週間ステラを堪能したガッドという騎士団長は彼らに向かってとある提案を持ちかけていた。

「おーけおーけ。とりあえず契約は成立だ。俺たちは嬢ちゃんと恋に落ちたふりをして貴族たちを欺く。彼女の意思が本気で否定したら辞める。この二つの条件を新しい契約書に追加できるんだね?それで?」
「とにかく、その二つの条件で貴様らがステラに酷いことは出来ないはずだ。また犯罪者共が間抜けにも彼女にうつつを抜かしているという噂によってバレずに逃亡準備ができる。」

 心底嫌そうな様子でため息をつく彼の様子をじっと観察していたウォレッドは、一番踏み抜いてはいけない地雷に喜々として踏む。

「女王さまが俺達に犯されるのを容認すんのかよ!なんて聖人様なんだ俺らの御主人様は!!!」

 あとは足を離すだけだ。そこで爆発する。しかし彼の思いどおりにはならず、ガッドは静かにウォレッドに目線を向ける。

「ああ。彼女が望む限り貴様らは自由にして構わない。恋に落ちた演技をしてもらうからリアリティーがあったほうが貴族を騙しやすい。」

 だがな、とガッドは言葉を続ける。

「本当に彼女に惚れてしまったならば。……俺は貴様らをどうするかわからない。」

 嗚呼、これこそ騎士団長としてのガッドだとウィレッドは気づく。ステラは何も知らないのであろう。情けなど彼の頭の辞書にはない。彼の青みがかった髪の毛は血で染められることが多く戦場では悪魔とまで呼ばれていた程だった。仲間に対しても素っ気なく人付き合いも最小限。しかし彼女に、ステラにだけは優しい表情をみせ人間味が表に出てくる。
 現にこうして他人に対して私情を見せるなど、普段の彼の姿からは想像がつかないほどであった。

「ハン!俺達があの女王サマに惚れちまうなんざ空想の世界すぎるぜ!!空から槍が降ってきてもあり得ねえな!!」

「そうか。それは頼もしい。そんな貴様に依頼だ。ゲームに参加してこい。」



・・・・・・・
・・・・
・・






「っち。」
 地雷を踏み抜いた罰だったのだろう。案の定生死を分けたゲームに参加させられ、ガッドからの有り難い契約のお陰で全力で彼女を守らなければならなかった。
 本当は致命傷さえ受けなければいいと思っており、助けは必要最低限に止めていた。しかしゲームが始まると目の前に眠る女王サマは本気で勝ちに来ており、何度も社会から裏切られているにも関わらず泥の中で藻掻いている。
 そんな姿と過去の自分を重ねてしまい、いつの間にか彼女を庇って自身に致命傷を負うはめになっていた。

 馬鹿なことをした。
 良かった。

 その相反する感情が彼を渦巻く。
 未だ眠り続ける彼女の髪の毛を一房取り香りを嗅ぐ。
 昨日彼女に飲まされた薬の効果だろう。ドラッグをやっている時のように、彼女の匂いを嗅ぐことで快楽を分泌されるようになっている。
 飲まされた薬、恐らく回復薬のような物に副作用があり、依存先を薬から彼女の香りになったのだ。

「、、、美しい誤解。利用する罪悪感。愛されることから生まれる満ち足りた感情。」

 ぽつりぽつりと思い浮かんだ言葉を口に出すウォレッドの表情は、誰も見ることができなかった。





・・・・・・・

・・・・

・・。






「さて勝者であるステラさん!今回の大会は如何でしたか?いや~圧巻の最後でしたね!!相方の男が毒ガスを使い一斉に毒殺する場面なんて我々の中でトップに入るぐらいの人気な場面なんですよ!!」

 ニタニタの下卑た笑みを浮かべステラの手を撫でる本ゲームの司会者。
 ウォレッドの毒とステラの誘導技により見事に優勝でき、今はゲームを見ていた人たちに向けてのインタビューを受けていた。

「ありがとうございます。私達がこうして無事にここに来られているのも支援してくださった皆様のおかげです。」
「いいえとんでもない!それにしても圧巻の強さと完璧なコンビネーション!そしてパーフェクトな美男美女。」

 舐めるようにステラの体に目線を向けた司会者。ガッドやウォレッドから受けた目線と似ていたが何か違う雰囲気がしステラは今すぐにでも逃げ出したかった。しかしここで席を立てば世間から支持の熱い司会者を無下に扱う事になりバッシングを受ける。
 
「ズバリ!私は視聴者の皆さんの質問を代弁して聞きます。一日目の夜、彼と一体ナニをしていましたか?」

 ステラは一瞬何を聞かれているか分からなかった。映像で監視されているのを知っていたため既に世間に見られていると考えていたからである。
    知っていながらも質問してきたにしては異様な雰囲気を感じた。

 戸惑っていると急に司会者の腕が離れた。 腰に手を回されたかと思うとウォレッド方に引き寄せられていた為である。

「感づいてんなら触らないでくれるか?こっから先はプライベートだ。」
「っ!」

 首筋に湿ったものが触れた。
 ウォレッドはまるで大衆に向かって見せつけるようにキスをステラの首筋に落とす。
 
 その場にいた人々がざわめき、映像を放映しているであろう道具が彼女達に集中し始める。

「ひゅー!見せつけてくれるじゃないの!!燃えてきた。ウォレッドを手なづけてしまうとは。」

 耐えなければ。彼女はひたすら心で呟く。これは私達の作戦で、つまり必要なことで。彼は時々何を考えているのか分からない。ようやく読めたと思えばすぐ消えてしまう

「安心しろ。あの洞窟内で監視する機械は全部俺が壊しておいた。見られてねえよ。」

 耳元で囁かれた。
 嘘をつかれたのだ。いや、元々彼は監視について言及はしていなかった。勝手に勘違いしてしまったのは私の方だ。

「言えばよかったじゃない。」
「それは面白くねえな。第一俺がそれを言ったら意味がないだろ?」

 頭上から降り注ぐ悪意100%の笑み。
 やはり彼の考えがわからない。




 怒涛の大会が終わった。
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