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プロローグ
「僕に笑いかけてくれてたじゃないか、どうして何も言ってくれないんだ」
あぁまた、いい加減相手にされてないって自分で気付かないのかしら。
「ねぇ、どうするの」
私が同僚に話しかけると彼女は困ったように
「私は、そんな気はなかったんだけど、どうしよう」
と返答してくる。毎度のことである。
「はぁ。」
私はめんどくさいので溜息をつきながら事の成り行きを見守ることにした。
「ねぇ、何とか言ってくれよ。僕のことが好きなんだろ」
「私は何も申し上げていませんわ。そちらが勝手に勘違いをされてのではなくって」
同僚の返答を聞くと男の態度は急変し
「随分な態度じゃないか、あの時は笑顔で話しかけてくれていたのに、他の人がいるから本音がいえないのか。あっちで二人きりで話そう」
男はそう言って同僚の腕を掴んで連れて行こうとした。
「離してください。私の方には何もお話しすることはありません。離してください」
同僚は男の手を振り払おうとしたが、相手も一応男であるため同僚の力ではどうすることもできず
「いいから。こっちに来いよ」
男はそう言いながら同僚の連れて行こうとした。
同僚は伯爵家令嬢でメアリー、かなりの美人でパーティーに出席した後には決まってこの件がある。本人に悪気はないのだが自分が笑いかけるとどうなるかそろそろ考えてほしいものである。
「エリーゼ、助けて」
「はぁ」
私は溜息をつくと
「メアリーをどこに連れていかれるおつもりですか。今私たちは侍女の仕事中なのですが、分かっての行動でしょうか」
私が男の方を見ながら淡々と言うと
「侍女の仕事がなんだ。今は大事な話をしているんだ」
と男は言いさらにメアリーを引っ張った。私は男がメアリーの腕を放そうとしなかったので仕方なく、静かに男に近づくと男の腕を掴み後ろ手に捻り上げそのまま床へと押し倒した。そうして、
「先ほども申しましたが、私たちは侍女の仕事中です。ご承知とは思いますが王妃様の侍女です。私たちがこのような時間を過ごしている間に王妃様に問題が生じ私たちが駆けつけるのが遅れたこととなれば・・お家はどうなるでしょうねぇ。そもそも、こんな時間に令嬢の元に訪問すること自体が大きな問題だと思いますけど」
と耳元で囁いた。男の顔色はみるみる血色を失い放心状態になったため私は手を緩めた。すると、男は立ち上がり何度かメアリーの方を振り返りながら足早に暗闇へと消えていった。
「もう、いい加減にしてくれる。誰でも彼でも愛想を振り撒くのは・・何回同じ目に合ったら気が済むの。いつも私がいるとは限らないのよ」
「ごめんなさい。これから気を付けるから・・エリーゼ、ありがとう。ねっ、そうそう今日は有名な菓子店のケーキをもってきているの。一緒に部屋で食べましょ。有名なお店から取り寄せたのもだからすごくおいしいのよ」
メアリーそう言うと私の手を引き侍女控室へと歩き出した。
「もう、仕方ないわねぇ」
私はそれ以上は言わずメアリーについて歩き出した。
私は公爵令嬢のエリーゼ、公爵と言っても五人兄弟の末っ子で次女だから親からの期待はさほどなく、結婚もある理由から良縁は望めない感じ。幼い頃は田舎で過ごしいつも護衛をしてくれていた騎士様から乗馬や剣術・護身術を教えてもらった。教えてもらったというより叩き込まれたって言った方がいいのかもしれないけど・・十二歳になり田舎から街へ戻り礼儀作法や淑女としての振る舞いを勉強していたが、十六歳を期に社交界デビューし作法見習いも兼ねて王宮侍女として働いている。そうして今は王妃様付きの侍女で夜勤中。侍女の仕事は二交代制で私は武術に長けているため夜勤勤務が主な勤務パターン。公爵令嬢ともなれば華やかな昼間勤務で優雅に勤務することが多いのだが、私は華やかな世界が苦手でいつも目立たないよう気を付けている。公爵令嬢だと周囲に知れると色々と面倒なことになるからだ。最初、侍女として働くこともかなり抵抗があったが、十二歳まで親に自由にさせてもらっていた手前、親の言うことも聞かないといけなく、何とか交渉し目立たない夜勤の侍女として働くこととなった。親にある条件を呑んでもらって・・今は王妃様を自室にお送りし退室の許可をいただき侍女室に戻り休憩をするところであった。いつも、決まってこの暗くて人通りの少ない裏の通路で男性の待ち伏せに会うのである。
この時、私がメアリーに文句を言いながら廊下を歩いていく姿を物陰から見ていた人物がいたことに私は全く気付いていなかった。
あぁまた、いい加減相手にされてないって自分で気付かないのかしら。
「ねぇ、どうするの」
私が同僚に話しかけると彼女は困ったように
「私は、そんな気はなかったんだけど、どうしよう」
と返答してくる。毎度のことである。
「はぁ。」
私はめんどくさいので溜息をつきながら事の成り行きを見守ることにした。
「ねぇ、何とか言ってくれよ。僕のことが好きなんだろ」
「私は何も申し上げていませんわ。そちらが勝手に勘違いをされてのではなくって」
同僚の返答を聞くと男の態度は急変し
「随分な態度じゃないか、あの時は笑顔で話しかけてくれていたのに、他の人がいるから本音がいえないのか。あっちで二人きりで話そう」
男はそう言って同僚の腕を掴んで連れて行こうとした。
「離してください。私の方には何もお話しすることはありません。離してください」
同僚は男の手を振り払おうとしたが、相手も一応男であるため同僚の力ではどうすることもできず
「いいから。こっちに来いよ」
男はそう言いながら同僚の連れて行こうとした。
同僚は伯爵家令嬢でメアリー、かなりの美人でパーティーに出席した後には決まってこの件がある。本人に悪気はないのだが自分が笑いかけるとどうなるかそろそろ考えてほしいものである。
「エリーゼ、助けて」
「はぁ」
私は溜息をつくと
「メアリーをどこに連れていかれるおつもりですか。今私たちは侍女の仕事中なのですが、分かっての行動でしょうか」
私が男の方を見ながら淡々と言うと
「侍女の仕事がなんだ。今は大事な話をしているんだ」
と男は言いさらにメアリーを引っ張った。私は男がメアリーの腕を放そうとしなかったので仕方なく、静かに男に近づくと男の腕を掴み後ろ手に捻り上げそのまま床へと押し倒した。そうして、
「先ほども申しましたが、私たちは侍女の仕事中です。ご承知とは思いますが王妃様の侍女です。私たちがこのような時間を過ごしている間に王妃様に問題が生じ私たちが駆けつけるのが遅れたこととなれば・・お家はどうなるでしょうねぇ。そもそも、こんな時間に令嬢の元に訪問すること自体が大きな問題だと思いますけど」
と耳元で囁いた。男の顔色はみるみる血色を失い放心状態になったため私は手を緩めた。すると、男は立ち上がり何度かメアリーの方を振り返りながら足早に暗闇へと消えていった。
「もう、いい加減にしてくれる。誰でも彼でも愛想を振り撒くのは・・何回同じ目に合ったら気が済むの。いつも私がいるとは限らないのよ」
「ごめんなさい。これから気を付けるから・・エリーゼ、ありがとう。ねっ、そうそう今日は有名な菓子店のケーキをもってきているの。一緒に部屋で食べましょ。有名なお店から取り寄せたのもだからすごくおいしいのよ」
メアリーそう言うと私の手を引き侍女控室へと歩き出した。
「もう、仕方ないわねぇ」
私はそれ以上は言わずメアリーについて歩き出した。
私は公爵令嬢のエリーゼ、公爵と言っても五人兄弟の末っ子で次女だから親からの期待はさほどなく、結婚もある理由から良縁は望めない感じ。幼い頃は田舎で過ごしいつも護衛をしてくれていた騎士様から乗馬や剣術・護身術を教えてもらった。教えてもらったというより叩き込まれたって言った方がいいのかもしれないけど・・十二歳になり田舎から街へ戻り礼儀作法や淑女としての振る舞いを勉強していたが、十六歳を期に社交界デビューし作法見習いも兼ねて王宮侍女として働いている。そうして今は王妃様付きの侍女で夜勤中。侍女の仕事は二交代制で私は武術に長けているため夜勤勤務が主な勤務パターン。公爵令嬢ともなれば華やかな昼間勤務で優雅に勤務することが多いのだが、私は華やかな世界が苦手でいつも目立たないよう気を付けている。公爵令嬢だと周囲に知れると色々と面倒なことになるからだ。最初、侍女として働くこともかなり抵抗があったが、十二歳まで親に自由にさせてもらっていた手前、親の言うことも聞かないといけなく、何とか交渉し目立たない夜勤の侍女として働くこととなった。親にある条件を呑んでもらって・・今は王妃様を自室にお送りし退室の許可をいただき侍女室に戻り休憩をするところであった。いつも、決まってこの暗くて人通りの少ない裏の通路で男性の待ち伏せに会うのである。
この時、私がメアリーに文句を言いながら廊下を歩いていく姿を物陰から見ていた人物がいたことに私は全く気付いていなかった。
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