『スキル 猿まね』は、侮れない 

桃次郎

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「お帰りなさいませ。大旦那様。」

王都の邸の執事、セバスが王城へ領地の報告を終えて帰って来たグラードを迎える。
グラード・チャーチル侯爵。
息子のデビッドは、宰相輔佐の職に就いていて、領地管理まで手が回らない為にグラードが代わりに領地を管理している。
グラードは、愛妻家で爵位を息子に継いでもらって、妻のエリーゼと海外旅行をするのが夢だったのだが、デビッドが宰相輔佐の職に就いた為に、爵位はそのままグラードが持っている。

「はぁ~。儂の歳の奴らは、爵位を息子に譲って、悠々自適な生活をしておるのにな。」

ついつい、ぼやいてしまうグラード。

「儂も、エリーゼと色んな国へ旅行をしたい!夕日の見える海辺のホテルで、エリーゼとイチャイチャしたい!」

ぼやきがちょっと、変な方向へ向かっている。

「エリーゼのたわわな果実に顔を挟んで、パフパフして貰いたい。」


エリーゼ・チャーチル。

グラードの愛する妻。

巨乳で、女性も羨むグラマラスボディ。



執事のセバスが、両耳を塞いで聞いていないアピールをする。

その際、近くにいたメイドにお茶の準備をするように命じる。

応接室の中へ入り、ソファへ腰かける。

「すぐに、お茶を用意いたしますので、お寛ぎくださいませ。」


セバスが部屋を出る。


領地経営の為に悠々自適の生活ができないので、お茶が来るまでの間、妄想の世界へ旅立った。

グラードの頭の中は、エリーゼとのイチャイチャ、ラブラブで真っピンクだ。

思わず、股間が膨らんできた。

コンコン・・・。

「大旦那様。お茶をお持ちしました。」

ビクッ!!!

思わず、肩が震える。

股間も萎んだ。


今夜は、王都の邸で一泊してから明日は、領地へ帰る。
領地までは、馬車で3日の距離だ。

早く、エリーゼの匂いを嗅ぎたい。

夕食までの間、庭で散歩をする事にした。

庭師が丹精込めて育てた花たちが、綺麗に咲き誇っている。

エリーゼにも見せてあげたいな。

お姫様抱っこをしながら、庭を散歩している妄想をする。

綺麗に刈りこまれた、植木の根元に、しゃがみ込んでいる小さな背中が見える。

孫のカリンだ。

肩まで伸びたピンクのふわふわとしたくせ毛の髪。

エリーゼと同じ髪色だ。

息子のデビッドも同じ髪色でもある。

「カリン。何をしておるんじゃ?」

小さな背中に声をかける。

声をかけられたカリンは、くるりと顔をあげる。

「ありんこ。」

小さな指を地面にさす。

蟻が長い列をつくり行進している。

「蟻か。」

カリンの隣に腰をおろす。

カリン・チャーチル 5歳。

チャーチル家の末っ子。

両親は、いつも留守にしており、兄と姉は寮生活。

この広い屋敷に使用人達はいるけれど、使用人達が遊び相手になるわけにもいかず、いつも独りぼっち。

「不憫じゃのう。」

さっきまで、エリーゼで頭の中がピンクだったグラードは可愛い小さな孫娘を思い、悲しい気持ちになった。

チチチ・・・・。

頭上の木の枝に一羽の小さな紫色の羽をした小鳥がとまった。

「きれいな、ことり」

小鳥を見つめながら、カリンが呟く。

「そうだな。きれいだな。」

紫の羽の色がエリーゼのドレスに似合いそうだな。
一瞬、頭の中がピンクになりかけながらも、グラードも言葉を返す。

バササ・・・・。

一休みした小鳥は、飛び立った。

「わたしも、そらをとんでみたいな。」


瞬間、カリンの体が金色の光に包まれた。





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