『スキル 猿まね』は、侮れない 

桃次郎

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金色の光に包まれたカリン。

グラードは、あまりの出来事に言葉が発せない。

カリンは、驚き目を瞬いている。

ふわりと体が宙に浮きあがり出した。

ふわふわと地面から足が離れていくカリン。

思わず、両手を広げてぱたぱたと振ると、グンっと体が大きく浮き出した。

驚きに固まっていたグラードは、慌ててグラードの頭の高さまで浮いているカリンの両足を両手で掴んだ。

びっくりした拍子に強くぱたぱたと、両手を振り出したカリン。

ますます浮力が強くなりだし、グラードの足元がわずかに浮き出す。

「あばばば・・・。待て!待つんだカリン。」

パニックを起こし、大声を上げるグラード。

何事かと、セバスが庭に出てきた。

「お嬢様、大旦那様。」

カリンとグラードが浮いているのを目の当たりにし、驚きつつも

セバスは、グラードの腹に両手でしがみつく。

すると、両手を振るのが疲れたのか、パタリと腕を下げると体が浮力を失いぐらりとカリンの体が傾いた。

グラードも一緒に体が傾いたが、カリンが倒れてしまうと思い、地に着いた両足を踏ん張った。

ぎゅうっと、カリンを抱きしめる。

「いったい、何が起きたのですか?」

セバスがグラードに尋ねる。

「分からん。急にカリンの体が金色に光ったかと思うと、宙に浮きだしたのじゃ。」

あまりの出来事に心臓がまだバクバクしているグラードが、血圧があがったかも?と思いつつ、セバスに答えながら、腕の中にいるカリンを見やる。

カリンは、いつもの無表情でグラードを見つめていた。

「とりあえず、もうすぐ夕食の準備が整いますので、ダイニングのほうへお越しください。」

「そうじゃな。なんだか、急に腹が減ってきたよ。このまま、ダイニングへ行くとしよう。」

グラードは、カリンを抱いたまま歩き出した。


広いダイニングは、2人分のカトラリーが用意されていた。


邸の主は、今夜も帰って来ないようだ。

カリンは、寂しがる様子もなく、この日常に慣れてしまっているようだ。

まったく、あやつらは親失格だな。

グラードは、心の中で舌打ちする。



「カリン、おやすみ。良い夢を。」

カリンを部屋へ送り、用意された部屋へ戻ったグラードは、庭で起こった出来事を思い返した。


あれは、何だ?

カリンの体が金色に光り出し、宙に浮きだした。

魔法か?スキルか?

初めての現象で、グラードは頭の中がまとまらない。

しかし、はっきりした事は、カリンを邸に一人にしていては、危険だという事だ。

また、今日のような事が起こっては、カリンの身が危ない。

どこか遠くへ飛んで行ってしまう。

両親が不在の続く邸に置いておくよりは、自分の目の届く所にいたほうが良いのではないか?

グラードは、机に向かいデビッドに手紙を書くとセバスを呼び、王城へ届けるように手紙を渡した。

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