『スキル 猿まね』は、侮れない 

桃次郎

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グラードとカリンを乗せた馬車がチャーチル領へ向かって走る。


グラードからの手紙を読んだデビッドは、カリンをグラードに預ける事に同意した。

デビッドは、カリンを蔑ろにしているつもりは決してない。

宰相輔佐はやりがいのある仕事ではあるのだが多忙すぎる。

グラードからの手紙を読み、最後にカリンの顔を見たのはいつだっただろうか?と考える。

カリンの誕生日プレゼントは、直接渡す事もできなくなりセバスにまかせていたな。

邸に一人にするより、グラードとエリーゼの傍で過ごした方が良いのかもしれない。

父親失格だな。

と自嘲するデビッドだった。

デビッドは、カリンを頼みます。とグラードの手紙を届けた侍従に言付けを頼んだ。



領地へ向かう馬車の中で、グラードはデビッドへ宛てた手紙の内容を思い返していた。

カリンが邸でひとりで過ごしている為に感情がない事。

また、話し相手がいないために、言葉がたどたどしい事。

このままでは、学院生活で友人ができないのでは。と危惧した事を綴った。

カリンに起こった出来事は、もうしばらくカリンの様子をみてからデビッド伝える事にした。

グラード自身もどう伝えて良いのか分からなかった為でもある。

グラードの前に座っているカリンを見ると、馬車がガタゴトと揺れるたびに、カリンの体が揺れながら、座敷から滑っている。

グラードはカリンを抱き上げて、自分の膝の上に座らせた。

「カリン。気づかなくて悪かった。」

カリンの頭をひと撫でする。

グラードの膝に座ったため、目線が窓の外が見える高さになった。

カリンは興味深そうに窓の外を眺めた。


そういえば、王都の邸に住んでいた頃、新婚時代にエリーゼと夜会の帰りに、儂の膝の上をエリーゼに跨らせていたな。

夜会の為に美しく着飾らせたエリーゼは、夜会で飲んだアルコールのせいで、頬がうっすらと赤みが差して色っぽかった。

夜会から邸へ帰る馬車の中で・・・・

懐かしいグラードの新婚時代を思い出していると、ムクムクとグラードJrが起き上がりだした。

いかん!いかん!カリンに気づかれてしまう。

我慢だ!我慢するんだ、グラードJrよ!

お前は、出来る奴だ。

ゆっくりと、グラードJrを寝かしつける事に成功する。

昼食をとる予定の店に着いたら、先にトイレに行こうと決めるグラードだった。
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