スケルトンに転生した。冒険者に倒され続ける毎日だったが、冒険者を倒すとレベルアップするんだな

もぐすけ

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ダンジョン篇

不死王との面会

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 まさかコイツらに助けられるとは思いもしなかった。

 ゴーレムに捕まっているから、遅くなると伝えたつもりだった。まさか助けに来るとは。

 保護者ぶって守ってやるだなんて、おこがましかった。もはやお互いに助けあう仲間だ。

 しかし、レベルが1000どころか、2000超えしてしまった。あの後、アイツらは次から次へと簡単にゴーレムを葬り去り、ゴーレムを操っていた不死王を遂に諦めさせた。

 で、俺は今、堕天使の格好で、このダンジョンに封印されている不死王と王の間で話をしている。鑑定が効かないため、不死王のレベルも種族も何もかも不明だ。

 リズたちは念のため、王の間の外に出てもらっている。

 勇者に殺された古代の魔王が、アンデッド化したのが不死王だという。五千年ほど前、不死王はアンデッド軍団を率いて、勇者に復讐しようと当時の人間たちと戦って、返り討ちにあって、ここに封印されたらしい。

「五千年間ここから一歩も出られないのじゃ。それで、ゴーレムで遊んでいたのじゃ。生者であれば魂をストックするのだが、お前のようなアンデッドは、わしの話し相手にここまで連れて来るようにしているのだが、まさか逃げるとはな。一日中逃げ回って、お主はアホか?」

「ちゃんと理由を教えてもらえば、来てましたよ。問答無用で捕まえようとするから、逃げるんです。ところで、不死王さん、スケルトンクイーンともお話しされましたか?」

「不死王陛下と呼べ。貴様はただの兵隊じゃろうが。まあ、今はどの幹部よりもレベルが高いようじゃがの。うむ、あの骨女じゃな。話したぞ。哀れな女よのう」

「どんな話ですか」

「それはプライバシーに関わることゆえ話せぬ」

 この人、本当に五千年前の人? プラバシーとか、日本でもまだまだ平気で侵害していたぞ。

「そうですね。後で本人から聞くことにします。じゃあ、これで」

「お、おい、もっと話さぬか」

「子供たちを待たせてますから。また、話に来ますよ」

「のう、封印を解いてくれぬか?」

「え? 不死王陛下、封印解いたら、世界を無茶苦茶にするでしょう?」

「そりゃあ、そうじゃろう。それがわしのお役目じゃからのう」

「子供たちに悪影響与えそうですからやめておきます。そもそも封印の解き方知らないですし」

「お主はどうやって外に出たのじゃ? 骨女も封印を破って外に出ておる」

「私の場合、生者がバラバラになった私を抱えて、封印の外に出してもらいました」

 生者でなくても大丈夫なことは黙っておこう。

「ほう、ずいぶんあっさりと教えてくれるのだな。骨女は知らないの一点張りじゃったぞ」

「ええ。仮に知ったとしても、そんなことすぐには出来ないでしょう? 生者がここに来ることはまずないですし、陛下をバラバラになんて出来ないですから」

「む、まあ、そうじゃな」

「俺も一カ月出られないだけで、気が狂いそうでしたから、不死王陛下を出してあげたいとは思うのですよ。でも、子供たちが害されないと確証を得るまでは、話し相手になるだけで我慢してくれませんか」

「ほう、お主は優しいのじゃな」

「陛下、俺って陛下の部下でしょう?」

「そうだ。このダンジョンにいるアンデッドは全員わしの部下じゃ」

「俺が優しいかどうかは分かりませんが、これだけの部下がいる陛下を捨て置く訳には行きませんよ」

「そうか。要はお主がわしを御せると確信したときに、わしを解放すると言うのじゃな」

「その通りです」

「ふむ。では、途中で成仏されては困るゆえ、これをお主に預けよう。やるんじゃないぞ。預けるだけじゃぞ」

「これは何ですか?」

「『人魚のネックレス』じゃ」

「まさか。話せるようになるのですか?」

「いいや、ハズレじゃ。お主、話せているじゃろう。話せている奴に、やるんじゃないぞとか念押しして、話せる道具を渡してどうする。どっちらけ、じゃろう。歌が上手く歌えるネックレスじゃ。別名『セイレーンのネックレス』とも言う」

「それ、要ります?」

「人々を魅了することができるのじゃぞ」

「俺、チャームを使えますが」

「あれは一人ずつにしか使えぬし、そもそも聖女には効かぬぞ」

「え? これって!?」

「聖女がお主にメロメロになる道具じゃ」

「す、凄いじゃないですかっ」

「ただ、聖女とまぐわうと、お主は消滅してしまうゆえ、一線を超えてはならぬぞ」

(何だよ、使えねえ……)

「それ、要ります?」

「お主はやはりアホじゃな。こんなのに命運を委ねるわしが哀れになって来たわい。よく考えてみよ。一番怖いのはホーリーだとは思わぬか?」

「ええ、それはそう思います。あの青白い光、考えただけで足がすくみます」

「青白いとか言うな。思い出してしまうではないか。しかし、ホーリーは呪文を唱える時間が長いじゃろう。そのときにこのネックレスをかけて歌うのじゃ。聖女が呪文を唱えるのをやめてくれるぞ」

「陛下、すごいじゃないですかっ」

「ようやく価値をわかってくれたか。よいな、貸すだけじゃぞ」

 俺は「人魚のネックレス」を受け取って、さっそく首にかけてみた。

「分かってますよ。ラララ」

「こ、こら、今、歌うでない。わしと一線を超えてどうするのじゃ?」

「いや、さすがに陛下とは一線は超えないですよ。でも、これって、相手を意のままに操るアイテムではないのですね」

「お主、わしを意のままにしようとしたのか。油断のならぬやつじゃ。銃器店で銃器を売ってくれた相手に、金も払わず、銃器をぶっ放すような奴じゃ」

 ほんと、この人、五千年前の人?

「惚れさせる道具なんですか」

「そうじゃ。ただ、歌っている間だけじゃ。歌い終わったら、目が覚める」

「なるほど。貴重なものをありがとうございます。ところで、これから、地上に出ようと思うのですが、あの虫の階、何とかなりませんか? 子供たちが嫌がるんです」

「アンデッド以外は、人間たちが封印を破れぬように置いた魔物ゆえ、ワシにはどうにもできぬ。ただ、地上に抜ける道は、スケルトンたちに作らせたぞ」

「地下一階と二階の吹き抜けの隠し部屋のことですか?」

「そうじゃ」

「それは見つけたのですが、地下七階と八階に気持ち悪い大型の虫が沢山いて、あそこを抜けるのが嫌でして。あそこがあると、ここへ来る足も遠のくなあ」

「分かった、分かった。そこにある『ドラキュラの棺桶』を三つ持って行け。お主の子供たちをそこに入れて、お主が運べばよい。棺桶の中は非常に快適じゃぞ。全く重くないしな」

 棺桶引きずって歩くゲームあったな。イメージ的にはあれか。

「棺桶と棺桶が連結して繋がるんですか?」

「よく知っておるの。その通りじゃ」

「ありがとうございます。月に一度は来るようにします」

「おお、楽しみにしておるぞ」

「それでは陛下、失礼します」

(さて、アイツら、大人しく棺桶入ってくれるかな)

ーー データ ーー

  名前:ボーン
  種族:スケルトンナイト レベル2089
  魔法:マップ、フィア、フレア、デス、
     チャーム、イリュージョン、デュアル
  技能スキル:無痛、復活、剣技、拳闘、鑑定、
     迷彩、跳躍、俊足、無音、索敵、
     集音、投擲、解錠、裁縫、刀技、
     忍術、変態、触覚、毒針、怪力、
     複眼、操糸、蛍光、営巣、蜜蝋
     集蜜、人形
  経過日数:67

  リズ   レベル2089、チャット、ハウント、
       スチール、オーラ、サモン、
       霊感
  アリサ  レベル2089、サンダー、ライト、
       グラビティ、メテオ、タイム、
       算術
  サーシャ レベル2089、キュア、クリーン、
       デトクス、ガード、オラクル


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