ダンジョンで同棲生活始めました ひと回り年下の彼女と優雅に大豪邸でイチャイチャしてたら、勇者だの魔王だのと五月蝿い奴らが邪魔するんです

もぐすけ

文字の大きさ
3 / 39
第一章 イグアスのダンジョン

共同生活の開始

しおりを挟む
おじさん? いやいや、俺はまだ32だぞ。でも、15、6歳からするとおじさんか。

「ライルだ。おじさんではない。まだ32歳だぞ」

「あ、すいません。髭のせいでしょうか。もっと年配の方かと思いました」

この娘、子供のわりにしっかりとした言葉遣いだな。

「ルシア、と呼ぶぞ。あの5人は何者だ?」

「冒険者です。魔力供給の契約を結んで、今日ダンジョンに潜りました。あ、わかってます。男性5人組の冒険者パーティといっしょに潜ることの危険性は。でも、今は魔力売りの仕事はほとんどなくて、客を選んでいる状況ではないのです」

そう言われてみると、ルシアはやつれていて、生活苦が感じられる。俺も人のことは言えないが。

「俺はここに半年ほど住んでいるので、外の状況はわからないが、魔力売りはいい商売だったように記憶しているが、何かあったのか?」

俺がここに住んでいると聞いて、ルシアは驚いたような顔をしている。

「ここに住んでいるのですか。半年住んでいるのであれば、3カ月前の魔法改革はご存知ないですね」

ルシアの説明によると、魔力消費量が従来の5分の1になる魔法が発明されたそうだ。その結果、魔力の補充ニーズがほとんどなくなってしまい、マジックポーションの価格も下落して、魔力売りはほぼ開店休業状態になっているらしい。

その結果、ルシアは今までいたパーティを解雇され、飲まず食わずの生活になってしまっていて、危険だとはわかっていても、今回のような仕事を受けざるを得なかったようだ。

「ところで、おじさんはなんでこんなところに住んでいるのですか?」

こいつ、まだ俺をおじさんと呼ぶか。

「ここだと飯に困らんからだ」

セーフティゾーンには遭難防止のために、冒険者組合から毎日食料が配給されるシュータが用意されている。

娘が俺をまじまじと見始めた。ちっ、気づかれたか。

「ライル・スピンフィールド!?」

娘が大きな声を出した。俺ってば、偽名を語るのに抵抗があるんだよなあ。

「人をフルネームで呼び捨てにするな。俺の名前を知っているってことは、どういう人間かも知っているだろう」

俺は半年前、勇者パーティの魔法使いとして魔王を倒した。しかし、その戦いで、4人パーティの戦士と聖女が死亡し、俺は魔力を無理やり何度も絞り出した結果、もう二度と魔力を生成できなくなってしまった。そして、勇者のニックは、手柄を一人占めにするため、2人が死亡した原因を俺の責任だと虚偽の発表をして、俺を社会的に抹殺したのだ。

「戦士と聖女を殺しちゃった残念魔法使い……」

おうおう、ストレートに言ってくれる。

「そういうことだ。もう用はないだろう。帰ってくれ」

ところが、ルシアはなかなか帰らない。

「おじさん、ここはおじさんの家じゃないよ」

む? なんだ? 急にルシアの態度がでかくなったような気がする。

「私もここに住むわよ」

「なっ、何を言っている!?」

「おじさん、頭いいね。確かにここなら、食べるものに困らないわ。あと私の魔力は時間とともに回復するの。無限にあるのと同じだから、二人で協力すればお風呂とかも大丈夫よね。日光もおじさん、出せるでしょ。日に当たらないと健康に良くないよ」

もう私決めたから、とか言って、部屋の真ん中に線を引くような動きをして、こっち側が私、おじさんはこっち側ね、と勝手に言い出している。

「おい」

「なによ」

「ちっ、勝手にしろ」

こうして奇妙な2人の暮らしが始まった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした

藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると 土地を蝕む邪気となって現れる。 それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。 派手な奇跡は起こらない。 けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。 ――その役目を、誰一人として理解しないまま。 奇跡が少なくなった。 役に立たない聖女はいらない。 そう言われ、私は静かに国を追放された。 もう、祈る理由はない。 邪気を生み出す原因に目を向けず、 後始末だけを押し付ける国を守る理由も。 聖女がいなくなった国で、 少しずつ異変が起こり始める。 けれど彼らは、最後まで気づかなかった。 私がなぜ祈らなくなったのかを。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

【完結】偽物聖女として追放される予定ですが、続編の知識を活かして仕返しします

ユユ
ファンタジー
聖女と認定され 王子妃になったのに 11年後、もう一人 聖女認定された。 王子は同じ聖女なら美人がいいと 元の聖女を偽物として追放した。 後に二人に天罰が降る。 これが この体に入る前の世界で読んだ Web小説の本編。 だけど、読者からの激しいクレームに遭い 救済続編が書かれた。 その激しいクレームを入れた 読者の一人が私だった。 異世界の追放予定の聖女の中に 入り込んだ私は小説の知識を 活用して対策をした。 大人しく追放なんてさせない! * 作り話です。 * 長くはしないつもりなのでサクサクいきます。 * 短編にしましたが、うっかり長くなったらごめんなさい。 * 掲載は3日に一度。

なんか修羅場が始まってるんだけどwww

一樹
ファンタジー
とある学校の卒業パーティでの1幕。

召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。

SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない? その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。 ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。 せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。 こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。

幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー

すもも太郎
ファンタジー
 この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)  主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)  しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。  命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥ ※1話1500文字くらいで書いております

宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです

ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」 宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。 聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。 しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。 冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。

神に逆らった人間が生きていける訳ないだろう?大地も空気も神の意のままだぞ?<聖女は神の愛し子>

ラララキヲ
ファンタジー
 フライアルド聖国は『聖女に護られた国』だ。『神が自分の愛し子の為に作った』のがこの国がある大地(島)である為に、聖女は王族よりも大切に扱われてきた。  それに不満を持ったのが当然『王侯貴族』だった。  彼らは遂に神に盾突き「人の尊厳を守る為に!」と神の信者たちを追い出そうとした。去らねば罪人として捕まえると言って。  そしてフライアルド聖国の歴史は動く。  『神の作り出した世界』で馬鹿な人間は現実を知る……  神「プンスコ(`3´)」 !!注!! この話に出てくる“神”は実態の無い超常的な存在です。万能神、創造神の部類です。刃物で刺したら死ぬ様な“自称神”ではありません。人間が神を名乗ってる様な謎の宗教の話ではありませんし、そんな口先だけの神(笑)を容認するものでもありませんので誤解無きよう宜しくお願いします。!!注!! ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるかも。 ◇ちょっと【恋愛】もあるよ! ◇なろうにも上げてます。

処理中です...