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第三章 遺跡の発掘
ワールドパスポート
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「ライル、どう? 痩せたかな?」
「ああ、痩せたな。でも、ルシアはもっと太っていても大丈夫と思う」
「若い子と同じように生活してるとだめね。もっと節制しないとね」
ここはサザーランド地下69階だ。ボスは前回と同じゴーストドラゴンの上位種だが、メリンダたちが戦ってみたいと言うので、今は彼女たちが対戦中だ。
四時間経ったら合流する約束になっている。もちろん万一に備え、索敵魔法でメリンダたちの状態は確認している。
そろそろ四時間だ。
「よし、行くぞ」
ライルとルシアもボス部屋に合流した。メリンダたちはいい汗をかいているようだ。
合流に気づいた後衛のルミエールから合図が来た。
「姉さん、お願いします」
ルシアはローブの前を広げる。引き締まった美しい裸体は、ゴーストドラゴンからしか見られない。
(格納)
ゴーストドラゴンが突如メリンダたちの前から消えた。
「すごい」
いつ見てもルシアの格納の威力はすごい。メリンダは脱帽した。
「さあて、お楽しみのワールドパスポートね。どんな施設なのかしら。行くわよ!」
ルシアの掛け声に導かれて、パーティは地下70階へと降りて行った。
地下70階は不思議空間だった。地面には恐らくこの世界の地図が描かれている。そして、フロアの中央には、丸い透明の大きな円柱型の建物が建っている。
例によって、ルシアは機動装置の位置がわかるようだ。ライルがルシアに聞いたのだが、何となくここじゃないかな、と思い浮かぶ場所があり、そこに必ず魔力供給の装置と稼働開始のスイッチがあるのだという。
今回は地下70階への階段の最後の段に魔力の補充箇所とスイッチがあった。
ちなみにこのスイッチは、魔力を補充した人でないと動作しない。また、魔力の補充は同じ人しかできないようになっていた。
要するに、ルシアが稼働させた施設は、ルシアしかオン・オフできないということだ。
もはや恒例になってしまったが、建物が白く輝きはじめ、やがて輝きが消える。そして建物にドアのようなものが現れた。
ルシアを先頭にパーティ全員が建物の中に入った。
『ようこそ、ワールドパスポートへ。メイドのデーです。行き先がお決まりになりましたら、お知らせ下さい』
「これって、どこにでも行けるってこと?」
ルシアが目を輝かせながら叫んだ。
『はい、左様でございます』
「アース星にも行けるの?」
ルシアの行きたい星ナンバーワンだ。
『申し訳ございません。国交のない世界への渡航は許可されておりません。この世界のみの渡航となります』
ライルは思った。
(国交さえあれば行けるということのようだな)
「ルシア、まずはキューブルームに接続してもらってくれ」
「分かったわ。デー、キューブルームに繋げてくれる?」
『かしこまりました』
左手にドアが現れた。キューブルームにつながっているのだろう。
「私たちの世界であれば、どこへでも行けるの?」
『はい、その通りです。また、ルシア様はどちらからでもキューブルームに帰って来られるようになりました。ご一緒にお連れしたい方がいらっしゃる場合には、右手の指を掴んでもらって下さい。5名までいっしょに連れて帰れます』
何という便利な力だ。神にでもなった気分だ。
「みんな、このまま試しにグトルフォスに行ってみない?」
ルシアが皆の顔を見渡した。反対はないようだ。
「グトルフォスのダンジョンまでお願いできるかしら」
『何階に致しましょうか?』
「え? えーと、地下80階かな」
『かしこまりました』
(あれ? 行けちゃうのね?)
「ああ、痩せたな。でも、ルシアはもっと太っていても大丈夫と思う」
「若い子と同じように生活してるとだめね。もっと節制しないとね」
ここはサザーランド地下69階だ。ボスは前回と同じゴーストドラゴンの上位種だが、メリンダたちが戦ってみたいと言うので、今は彼女たちが対戦中だ。
四時間経ったら合流する約束になっている。もちろん万一に備え、索敵魔法でメリンダたちの状態は確認している。
そろそろ四時間だ。
「よし、行くぞ」
ライルとルシアもボス部屋に合流した。メリンダたちはいい汗をかいているようだ。
合流に気づいた後衛のルミエールから合図が来た。
「姉さん、お願いします」
ルシアはローブの前を広げる。引き締まった美しい裸体は、ゴーストドラゴンからしか見られない。
(格納)
ゴーストドラゴンが突如メリンダたちの前から消えた。
「すごい」
いつ見てもルシアの格納の威力はすごい。メリンダは脱帽した。
「さあて、お楽しみのワールドパスポートね。どんな施設なのかしら。行くわよ!」
ルシアの掛け声に導かれて、パーティは地下70階へと降りて行った。
地下70階は不思議空間だった。地面には恐らくこの世界の地図が描かれている。そして、フロアの中央には、丸い透明の大きな円柱型の建物が建っている。
例によって、ルシアは機動装置の位置がわかるようだ。ライルがルシアに聞いたのだが、何となくここじゃないかな、と思い浮かぶ場所があり、そこに必ず魔力供給の装置と稼働開始のスイッチがあるのだという。
今回は地下70階への階段の最後の段に魔力の補充箇所とスイッチがあった。
ちなみにこのスイッチは、魔力を補充した人でないと動作しない。また、魔力の補充は同じ人しかできないようになっていた。
要するに、ルシアが稼働させた施設は、ルシアしかオン・オフできないということだ。
もはや恒例になってしまったが、建物が白く輝きはじめ、やがて輝きが消える。そして建物にドアのようなものが現れた。
ルシアを先頭にパーティ全員が建物の中に入った。
『ようこそ、ワールドパスポートへ。メイドのデーです。行き先がお決まりになりましたら、お知らせ下さい』
「これって、どこにでも行けるってこと?」
ルシアが目を輝かせながら叫んだ。
『はい、左様でございます』
「アース星にも行けるの?」
ルシアの行きたい星ナンバーワンだ。
『申し訳ございません。国交のない世界への渡航は許可されておりません。この世界のみの渡航となります』
ライルは思った。
(国交さえあれば行けるということのようだな)
「ルシア、まずはキューブルームに接続してもらってくれ」
「分かったわ。デー、キューブルームに繋げてくれる?」
『かしこまりました』
左手にドアが現れた。キューブルームにつながっているのだろう。
「私たちの世界であれば、どこへでも行けるの?」
『はい、その通りです。また、ルシア様はどちらからでもキューブルームに帰って来られるようになりました。ご一緒にお連れしたい方がいらっしゃる場合には、右手の指を掴んでもらって下さい。5名までいっしょに連れて帰れます』
何という便利な力だ。神にでもなった気分だ。
「みんな、このまま試しにグトルフォスに行ってみない?」
ルシアが皆の顔を見渡した。反対はないようだ。
「グトルフォスのダンジョンまでお願いできるかしら」
『何階に致しましょうか?』
「え? えーと、地下80階かな」
『かしこまりました』
(あれ? 行けちゃうのね?)
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