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第五章 王室
王宮の寝殿
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ルミとキョウコは王宮内のシルビアの寝殿に招待されていた。
「カトリーヌから頼まれて応援に来ました。私はルミです」
「キョウコです」
「シルビアです。姉さんはなんて?」
「カトリーヌっていうより、リンリン様からの指令なんです」
「まあ、あの神様の使いの男の子ね。お元気かしら」
ルミとキョウコはまさかシルビアもと警戒するが、シルビアはジョージを愛しているはずだ。
「はい、それはもう元気すぎるほどでして。シルビアさんがやりたいことを手伝えと指示を受けて来ました。私は盗賊で、今回は諜報を担当します」
「私は女神インスト様の加護持ちで、今回の作戦を取り仕切ります」
「そうなのね。でも、後宮は私の様な善意の者には生きるのが難しいところよ。どんな手があるのかしら?」
キョウコが作戦を話し始める。
「単純な作戦です。後宮も組合も同じです。1人ずつ味方を作って行きます。特に力のあるものから味方にして行くと、割と早く片付きますよ。後宮で一番力のある人はどなたですか?」
「一番は王様よ。次に王様のお母様の王太后、その次が王様の正妻の王妃、次が側室で第二王子の母親の貴妃ね」
「シルビアさんは?」
「私は貴妃の手駒よ。善良すぎて使えないって、呆れられて駒にすらなってないけど」
「王様はいつもいるわけではないですよね。最初は王太后様から味方にしますか。ルミさん、王太后様の身辺の洗い出しをお願い出来ますか? 趣味、弱点、長所、好きなもの、嫌いなものなどどんなことでもいいから情報を集めて欲しいです」
「了解、早速潜入するね」
「シルビアさんは私にお付きの女官達を紹介して下さい」
「分かったわ、お安い御用よ」
「ここをシルビアさんが過ごしやすい場所にするのが私たちのゴールです」
「何だか楽しくなってきたわね」
***
キャサリン王太后の目下の悩みは王の後継者問題であった。
現在の皇太子である第五王子は王妃との嫡子で家柄としては問題ないが、いかにも凡庸である。第二王子は英知に富み、武芸の腕も一流で、慈悲深く、大器である。ロミエール家のカトリーヌにのぼせ上がって、一時期は後退してしまったが、シルビアを娶って、ロムエール家の後ろ盾も得た。
人物的には第二王子なのだが、母親のロデッサ妃が腹黒い。逆に第五王子は凡庸だが母のマリアンヌ王妃は慈悲深く優しい人柄だ。
いっそ、母親が入れ替わってくれれば、どんなにいいことか。
ロデッサ妃と第五王子を殺害し、マリアンヌ王妃の養子に第二王子を据えるというウルトラCの技がないわけではないが、そうしたからといって、人の心は推し量れない。上手くいくとは限らないのだ。
キャサリンには今日珍しい客が来ることになっている。第二王子妃のシルビアだ。婚約者として面会したときには、腹黒い娘というイメージだったが、先日の結婚式で挨拶したときは、綺麗な心の善良な娘に変わってしまっていた。
第二王子の愛の力は大変なものだと感心したものだ。
侍女からの報告では、シルビアは1人の巫女を連れてきているという。一緒に通していいか、ということだったが、あの善良な娘であれば他意はあるまい。通すように命じた。
巫女は美しかった。シルビアには申し訳ないが、十分に美しいはずのシルビアが、完全に引き立て役になってしまっている。
綺麗な銀髪、光の加減で色の変わる不思議な瞳、吸い込まれそうな白い肌。このような美しい女であれば、すぐにでも王の寵愛を受けられるに違いない。
「王太后様にシルビアがご挨拶を申し上げます」
「王太后様にご挨拶を申し上げます。キョウコと申します。すでに妻の身でございます」
(なんと、既婚者か。それは口惜しいが、先手を打ってくるとは油断のならぬ女子じゃ)
「面を上げてよいぞ」
2人が面をあげる。
「こたびはどのような要件じゃ、シルビア」
「はい、王太后様。このものは邪気を払う女神インスト様の加護持ちでございます。邪気を払うために連れてまいりました」
「なに、邪気とな」
「はい。お恥ずかしい話でございますが、以前、私めは邪気にまみれておりましたが、この者の師匠の手により、浄化され、善人となったのでございます。師匠は男子であるが故、後宮には参れぬとのことで、弟子のキョウコを私めに使わされたのです」
「ほう」
なるほど、確かにシルビアは人が変わったように善良になった。陰謀渦巻く後宮の中で、1つだけ輝く玉のようだ。善良を極めているがゆえに、誰からも利用されず、誰も利用しない。義母が後ろ盾になっていることもあり、後宮で唯一無風状態の人物だ。
「で、何を浄化するのじゃ? わらわか?」
「いいえ、滅相もございません。お義母様にございます」
「なんと、ロゼッサをか?」
「さようでございます。第二王子の唯一の汚点であるお義母様の邪気を払うためにこのものを呼びしました」
「ふむ。それをなぜわらわに告げるのじゃ。シルビア、お前であれば、ロデッサに会うことは訳なかろう」
「お義母様の邪気を払った瞬間、私と同様に善良になりますので、後宮での戦闘を続けられなくなってしまいます。王太后様にはお義母様と我が夫ジョージの後ろ盾になっていただきたいのです」
「ふむ」
(なるほど。理屈は通っているが、改心したと見せかけてという企みかもしれぬ)
今まで黙っていたキョウコが口を開いた。
「恐れながら申し上げます。それはご心配なく、王太后様。企みではございません。シルビアさまはそのようなお心をお持ちではございません」
「なんと、そちは心が読めるのか」
「いいえ、読めませんが、感情の動きを察することはできます。恐れながら、王太后様は先ほど疑念という感情をお持ちでした。それをもとに推察した次第でございます」
「なるほど」
(たしかにシルビアは企みはせぬだろうが、ロデッサがシルビアを騙しているという線も考えられる)
「それもございません。シルビア様とロゼッサ様はもう3月もお会いしておりません。文のやり取りもございません」
「おぬし、心を読んでおるではないかっ」
「滅相もございません。これも推測にございます。次に王太后様が疑念の感情をお持ちになられたとき、私が術を使い、疑念を吸収するとことができることをお見せします」
「ぬ」
(しかし、そんなことができるのか)
「あっ、おぬし、確かに疑念を奪ったな。疑問が瞬時に消えてなくなったぞ。不思議な感覚だ。なるほど、嘘は言っていないようだな。よろしい、3日与える。3日後に改心したロデッサを連れて、再びわらわに会いに来るがよい」
シルビアとキョウコが退出する。
「あの2人を見張れ」
「「かしこまりました」」
「カトリーヌから頼まれて応援に来ました。私はルミです」
「キョウコです」
「シルビアです。姉さんはなんて?」
「カトリーヌっていうより、リンリン様からの指令なんです」
「まあ、あの神様の使いの男の子ね。お元気かしら」
ルミとキョウコはまさかシルビアもと警戒するが、シルビアはジョージを愛しているはずだ。
「はい、それはもう元気すぎるほどでして。シルビアさんがやりたいことを手伝えと指示を受けて来ました。私は盗賊で、今回は諜報を担当します」
「私は女神インスト様の加護持ちで、今回の作戦を取り仕切ります」
「そうなのね。でも、後宮は私の様な善意の者には生きるのが難しいところよ。どんな手があるのかしら?」
キョウコが作戦を話し始める。
「単純な作戦です。後宮も組合も同じです。1人ずつ味方を作って行きます。特に力のあるものから味方にして行くと、割と早く片付きますよ。後宮で一番力のある人はどなたですか?」
「一番は王様よ。次に王様のお母様の王太后、その次が王様の正妻の王妃、次が側室で第二王子の母親の貴妃ね」
「シルビアさんは?」
「私は貴妃の手駒よ。善良すぎて使えないって、呆れられて駒にすらなってないけど」
「王様はいつもいるわけではないですよね。最初は王太后様から味方にしますか。ルミさん、王太后様の身辺の洗い出しをお願い出来ますか? 趣味、弱点、長所、好きなもの、嫌いなものなどどんなことでもいいから情報を集めて欲しいです」
「了解、早速潜入するね」
「シルビアさんは私にお付きの女官達を紹介して下さい」
「分かったわ、お安い御用よ」
「ここをシルビアさんが過ごしやすい場所にするのが私たちのゴールです」
「何だか楽しくなってきたわね」
***
キャサリン王太后の目下の悩みは王の後継者問題であった。
現在の皇太子である第五王子は王妃との嫡子で家柄としては問題ないが、いかにも凡庸である。第二王子は英知に富み、武芸の腕も一流で、慈悲深く、大器である。ロミエール家のカトリーヌにのぼせ上がって、一時期は後退してしまったが、シルビアを娶って、ロムエール家の後ろ盾も得た。
人物的には第二王子なのだが、母親のロデッサ妃が腹黒い。逆に第五王子は凡庸だが母のマリアンヌ王妃は慈悲深く優しい人柄だ。
いっそ、母親が入れ替わってくれれば、どんなにいいことか。
ロデッサ妃と第五王子を殺害し、マリアンヌ王妃の養子に第二王子を据えるというウルトラCの技がないわけではないが、そうしたからといって、人の心は推し量れない。上手くいくとは限らないのだ。
キャサリンには今日珍しい客が来ることになっている。第二王子妃のシルビアだ。婚約者として面会したときには、腹黒い娘というイメージだったが、先日の結婚式で挨拶したときは、綺麗な心の善良な娘に変わってしまっていた。
第二王子の愛の力は大変なものだと感心したものだ。
侍女からの報告では、シルビアは1人の巫女を連れてきているという。一緒に通していいか、ということだったが、あの善良な娘であれば他意はあるまい。通すように命じた。
巫女は美しかった。シルビアには申し訳ないが、十分に美しいはずのシルビアが、完全に引き立て役になってしまっている。
綺麗な銀髪、光の加減で色の変わる不思議な瞳、吸い込まれそうな白い肌。このような美しい女であれば、すぐにでも王の寵愛を受けられるに違いない。
「王太后様にシルビアがご挨拶を申し上げます」
「王太后様にご挨拶を申し上げます。キョウコと申します。すでに妻の身でございます」
(なんと、既婚者か。それは口惜しいが、先手を打ってくるとは油断のならぬ女子じゃ)
「面を上げてよいぞ」
2人が面をあげる。
「こたびはどのような要件じゃ、シルビア」
「はい、王太后様。このものは邪気を払う女神インスト様の加護持ちでございます。邪気を払うために連れてまいりました」
「なに、邪気とな」
「はい。お恥ずかしい話でございますが、以前、私めは邪気にまみれておりましたが、この者の師匠の手により、浄化され、善人となったのでございます。師匠は男子であるが故、後宮には参れぬとのことで、弟子のキョウコを私めに使わされたのです」
「ほう」
なるほど、確かにシルビアは人が変わったように善良になった。陰謀渦巻く後宮の中で、1つだけ輝く玉のようだ。善良を極めているがゆえに、誰からも利用されず、誰も利用しない。義母が後ろ盾になっていることもあり、後宮で唯一無風状態の人物だ。
「で、何を浄化するのじゃ? わらわか?」
「いいえ、滅相もございません。お義母様にございます」
「なんと、ロゼッサをか?」
「さようでございます。第二王子の唯一の汚点であるお義母様の邪気を払うためにこのものを呼びしました」
「ふむ。それをなぜわらわに告げるのじゃ。シルビア、お前であれば、ロデッサに会うことは訳なかろう」
「お義母様の邪気を払った瞬間、私と同様に善良になりますので、後宮での戦闘を続けられなくなってしまいます。王太后様にはお義母様と我が夫ジョージの後ろ盾になっていただきたいのです」
「ふむ」
(なるほど。理屈は通っているが、改心したと見せかけてという企みかもしれぬ)
今まで黙っていたキョウコが口を開いた。
「恐れながら申し上げます。それはご心配なく、王太后様。企みではございません。シルビアさまはそのようなお心をお持ちではございません」
「なんと、そちは心が読めるのか」
「いいえ、読めませんが、感情の動きを察することはできます。恐れながら、王太后様は先ほど疑念という感情をお持ちでした。それをもとに推察した次第でございます」
「なるほど」
(たしかにシルビアは企みはせぬだろうが、ロデッサがシルビアを騙しているという線も考えられる)
「それもございません。シルビア様とロゼッサ様はもう3月もお会いしておりません。文のやり取りもございません」
「おぬし、心を読んでおるではないかっ」
「滅相もございません。これも推測にございます。次に王太后様が疑念の感情をお持ちになられたとき、私が術を使い、疑念を吸収するとことができることをお見せします」
「ぬ」
(しかし、そんなことができるのか)
「あっ、おぬし、確かに疑念を奪ったな。疑問が瞬時に消えてなくなったぞ。不思議な感覚だ。なるほど、嘘は言っていないようだな。よろしい、3日与える。3日後に改心したロデッサを連れて、再びわらわに会いに来るがよい」
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「あの2人を見張れ」
「「かしこまりました」」
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