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第三章 逆襲
お仕置き
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「お前は何を言って……」
テイルは最後まで喋ることができなかった。
凄まじい轟音が鳴り響いたのだ。アニーとテイルは耳を塞いでしゃがみ込んだ。
グレースは腕を組んで仁王立ちして姉妹を見下ろしている。右肩の子猫もじっと二人を見ていた。
稲妻が光り、アニーとテイルを囲む形で四隅に落ちた。二人が少しずつ目を開けて見ると、雷が落ちた場所は真っ黒く焦げていた。
「いったい、なんのつもりなの!?」
アニーが叫んだが、すぐに立て続けに数十発もの轟音が次から次へと鳴り響き、稲妻の嵐の中で、アニーとテイルはただただ耳を塞いでしゃがみ込むだけだった。
轟音が鳴りやまないなか、地面の黒焦げの跡がどんどん増えて行き、少しずつ二人に近づいて来る。
ようやく雷の音が鳴り止んだとき、地面の焦げ跡は二人のすぐ近くまで来ていた。二人は恐怖のあまり失禁してしまっていた。
「地下牢に入る? それとも、黒焦げになる? 私はどっちでもいいのよ。ちょっと、あなたたち臭いわよ」
グレースは震えているアニーとテイルに質問したが、彼女たちからの返事がない。恐らく状況に頭が追いついていないのだろう。
返事を待っているうちに、轟音を聞きつけた使用人たちが集まって来た。だが、彼らはグレースたちに近づくことは出来なかった。シルバが使用人全員を1メートルほど宙に浮かせたためだ。
「あら、セバスチャンにマークにビルがいるわね。ちょうどいいわ。私に逆らったらどうなるか教えてあげるわ。まず、私の腕を折るほどの力で、両親を亡くしたばかりの傷心の私を牢にぶち込んでくれたセバスチャン。覚悟はいい?」
「お、お嬢様、私はただエカテリーナ様のご命令に従っただけですっ」
セバスチャンは必死に弁解した。
「第一継承者よりも第二継承者の命を聞くなんて、あなたはバカなの? 実刑確定よ」
セバスチャンの体が一気に20メートルぐらい上昇する。セバスチャンが上空で下ろしてくれと叫んでいる。
「仕方ないわね、下ろしてあげるわよ」
セバスチャンは上空20メートル地点から一気に落下した。地面にグシャっとなることを予想して皆が目を背けたが、地面ギリギリのところで、セバスチャンは停止していた。
だが、また20メートル上空まで上昇し、落下して、を繰り返し始めた。
『人間ヨーヨーだ。どう? いい名前だろ』
(ヨーヨーって何? この際、どうでもいいか)
「人間ヨーヨーっていう技なの。面白いでしょう。でも、絶対に地面につかないなんて思われちゃうと困るから、適度に地面にぶつけてあげるわね。まず、腕を折らないと不公平よね。本当に痛かったんだから」
セバスチャンが腕から落下してきて、腕だけ地面に接触し、絶叫をあげた。腕を折ったのだ。セバスチャンはそのまま気絶してしまった。
「セバスチャンはまずはこんなところね。マークにはお腹を肘で叩かれたから、お腹から落としましょうか」
「お、お嬢様、そんなことをされたら、し、死んでしまいます。な、何卒、ご慈悲をお願いします」
マークが必死に助命を嘆願してくる。
「逆境にいる立場の弱い女性を痛ぶるような奴に生きている資格はないわ。ただ、中庭は私のお気に入りの場所だったの。ここをあなたで汚したくはないから、あなたをどう料理するかは、後で考えましょう」
私は最後の一人のビルの処分は後回しにして、アニーとテイルに顔を向けた。
「あなたたち、いつまでそこにいるの。臭いから、早く牢に行きなさい。それとも、黒焦げがいいの? ひょっとして、人間ヨーヨー体験したいとか?」
「ち、地下牢に行きます」
そう言って、アニーとテイルはよろよろと立ち上がり、地下牢のある使用人宿舎の方に向かっていった。
次はビルか。
「ビル、ズボンとパンツを脱いで、毎日下半身丸裸で仕事をしなさい。私がいいと言うまで、毎日続けるのよ。わかった!?」
「は、はい、分かりました」
ビルがすぐに脱ごうとするので、私は慌てて止めた。
「私にそんな汚いものは見せないで。私のいないところで脱ぐのよ。分かった?」
「わ、分かりました」
「ところで、リチャードが出てこないようだけど、どこにいるの?」
メイドの一人が口を開いた。
「旦那様は……」
(シルバ、あの子を上昇させて)
『分かった』
「王宮ですぅっ、わ、私が何か、お嬢様っ」
上昇させられたメイドが顔を涙でぐちゃぐちゃにして訴えている。
「今後、リチャードのことを旦那様と呼ぶ人は私が容赦しないからね」
(シルバ、みんなを下ろしてあげて)
『了解』
使用人たちは地面に下ろされてホッとしている。
「そこの二人」
指名されたメイド二人がビクッとする。
「アニーとテイルには、囚人食を与えること、お風呂は入らせないこと、いい? お前たちに監視は任せたからね。何か手落ちがあったら、罰するから覚悟して仕事しなさい」
「か、かしこまりました」
「今日から私がここの当主よ。リチャードはこれから成敗しに行くから、そのつもりでいてね。分かったらマーク以外は解散して仕事に戻りなさい。ほかの使用人にも今言ったことを伝えるように」
使用人たちは逃げるようにして職場に戻っていった。
『おい、セバスチャン忘れてるぞ』
「セバスチャンは、ここに捨てておきましょう。誰か拾うわよ。じゃあ、マーク、いっしょに行くわよ」
「ど、どこにでしょうか」
「王宮よ」
テイルは最後まで喋ることができなかった。
凄まじい轟音が鳴り響いたのだ。アニーとテイルは耳を塞いでしゃがみ込んだ。
グレースは腕を組んで仁王立ちして姉妹を見下ろしている。右肩の子猫もじっと二人を見ていた。
稲妻が光り、アニーとテイルを囲む形で四隅に落ちた。二人が少しずつ目を開けて見ると、雷が落ちた場所は真っ黒く焦げていた。
「いったい、なんのつもりなの!?」
アニーが叫んだが、すぐに立て続けに数十発もの轟音が次から次へと鳴り響き、稲妻の嵐の中で、アニーとテイルはただただ耳を塞いでしゃがみ込むだけだった。
轟音が鳴りやまないなか、地面の黒焦げの跡がどんどん増えて行き、少しずつ二人に近づいて来る。
ようやく雷の音が鳴り止んだとき、地面の焦げ跡は二人のすぐ近くまで来ていた。二人は恐怖のあまり失禁してしまっていた。
「地下牢に入る? それとも、黒焦げになる? 私はどっちでもいいのよ。ちょっと、あなたたち臭いわよ」
グレースは震えているアニーとテイルに質問したが、彼女たちからの返事がない。恐らく状況に頭が追いついていないのだろう。
返事を待っているうちに、轟音を聞きつけた使用人たちが集まって来た。だが、彼らはグレースたちに近づくことは出来なかった。シルバが使用人全員を1メートルほど宙に浮かせたためだ。
「あら、セバスチャンにマークにビルがいるわね。ちょうどいいわ。私に逆らったらどうなるか教えてあげるわ。まず、私の腕を折るほどの力で、両親を亡くしたばかりの傷心の私を牢にぶち込んでくれたセバスチャン。覚悟はいい?」
「お、お嬢様、私はただエカテリーナ様のご命令に従っただけですっ」
セバスチャンは必死に弁解した。
「第一継承者よりも第二継承者の命を聞くなんて、あなたはバカなの? 実刑確定よ」
セバスチャンの体が一気に20メートルぐらい上昇する。セバスチャンが上空で下ろしてくれと叫んでいる。
「仕方ないわね、下ろしてあげるわよ」
セバスチャンは上空20メートル地点から一気に落下した。地面にグシャっとなることを予想して皆が目を背けたが、地面ギリギリのところで、セバスチャンは停止していた。
だが、また20メートル上空まで上昇し、落下して、を繰り返し始めた。
『人間ヨーヨーだ。どう? いい名前だろ』
(ヨーヨーって何? この際、どうでもいいか)
「人間ヨーヨーっていう技なの。面白いでしょう。でも、絶対に地面につかないなんて思われちゃうと困るから、適度に地面にぶつけてあげるわね。まず、腕を折らないと不公平よね。本当に痛かったんだから」
セバスチャンが腕から落下してきて、腕だけ地面に接触し、絶叫をあげた。腕を折ったのだ。セバスチャンはそのまま気絶してしまった。
「セバスチャンはまずはこんなところね。マークにはお腹を肘で叩かれたから、お腹から落としましょうか」
「お、お嬢様、そんなことをされたら、し、死んでしまいます。な、何卒、ご慈悲をお願いします」
マークが必死に助命を嘆願してくる。
「逆境にいる立場の弱い女性を痛ぶるような奴に生きている資格はないわ。ただ、中庭は私のお気に入りの場所だったの。ここをあなたで汚したくはないから、あなたをどう料理するかは、後で考えましょう」
私は最後の一人のビルの処分は後回しにして、アニーとテイルに顔を向けた。
「あなたたち、いつまでそこにいるの。臭いから、早く牢に行きなさい。それとも、黒焦げがいいの? ひょっとして、人間ヨーヨー体験したいとか?」
「ち、地下牢に行きます」
そう言って、アニーとテイルはよろよろと立ち上がり、地下牢のある使用人宿舎の方に向かっていった。
次はビルか。
「ビル、ズボンとパンツを脱いで、毎日下半身丸裸で仕事をしなさい。私がいいと言うまで、毎日続けるのよ。わかった!?」
「は、はい、分かりました」
ビルがすぐに脱ごうとするので、私は慌てて止めた。
「私にそんな汚いものは見せないで。私のいないところで脱ぐのよ。分かった?」
「わ、分かりました」
「ところで、リチャードが出てこないようだけど、どこにいるの?」
メイドの一人が口を開いた。
「旦那様は……」
(シルバ、あの子を上昇させて)
『分かった』
「王宮ですぅっ、わ、私が何か、お嬢様っ」
上昇させられたメイドが顔を涙でぐちゃぐちゃにして訴えている。
「今後、リチャードのことを旦那様と呼ぶ人は私が容赦しないからね」
(シルバ、みんなを下ろしてあげて)
『了解』
使用人たちは地面に下ろされてホッとしている。
「そこの二人」
指名されたメイド二人がビクッとする。
「アニーとテイルには、囚人食を与えること、お風呂は入らせないこと、いい? お前たちに監視は任せたからね。何か手落ちがあったら、罰するから覚悟して仕事しなさい」
「か、かしこまりました」
「今日から私がここの当主よ。リチャードはこれから成敗しに行くから、そのつもりでいてね。分かったらマーク以外は解散して仕事に戻りなさい。ほかの使用人にも今言ったことを伝えるように」
使用人たちは逃げるようにして職場に戻っていった。
『おい、セバスチャン忘れてるぞ』
「セバスチャンは、ここに捨てておきましょう。誰か拾うわよ。じゃあ、マーク、いっしょに行くわよ」
「ど、どこにでしょうか」
「王宮よ」
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