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光の粒よりも強力
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「うーん。確か幽霊や幽霊族との恋物語は大人用の恋愛小説で刊行されてたと思うんだけど…。マレーネちゃんはそういうの、読める?」
『大人用?小説に大人用や子供用がありますの?』
「ははっまだまだ未知の世界だろうけど世の中にはいろんなものがあるんだよ。試しに読んでみるといい。用意しておくよ」
わたくしのその言葉に苦笑したアルブレヒトさまはそう言うとベッドから立ち上がり、先ほどの部屋へと向かっていきました。そしてチリンチリンとベルを鳴らしました。
少し経つと誰かが部屋に入ってきて、アルブレヒトさまが何かを言うとすぐにまた部屋から出ていったようです。
「ただいま。さっき言ってた本を持って来てもらうことにしたから楽しみにしておいてね♡」
『は、はあ…。それで、先ほどのお話の続きはありますのよね?聖なる力ってなんですの?』
わたくしが疑問に思っていたことを口にしますと、アルブレヒトさまはまたしてもにんまりとした笑顔になりながらベッドに腰掛けられました。やっぱり距離が近いです。
「聖なる力は聖なる力さ。誰もがある程度の魔力を持っているように、誰でも少量だろうが持っているのが聖なる力。ある意味では生命力とも言い換えることができるんだよ。厳密には違うからここでは聖なる力で統一するけどね。そして魔力が多くて扱いに秀でた者が魔術師や魔法使いと呼ばれるように、聖なる力が強くて扱いに秀でた者が聖職者や神官って呼ばれるんだ」
こんな風にね、とアルブレヒトさまが手のひらを上にするとそこに光の玉が現れたのです。キラキラと光るそれは徐々に大きくなり、彼の手のひらサイズまで成長するとぱちんと弾けてしまいました。
弾けたあとそれは細かな光の粒になり、部屋を幻想的な風景へと変えたのでした。ふわふわと漂うそれはゆっくりと床へと落ちていき、やがてそこで消えます。
それを惜しく思って降りてくるそれに手を差し出せば、光の粒はわたくしの手のひらに乗りました。キラキラと光るそれをじっと見ていると手のひらに吸収されるように消えていきました。そしてわたくしの肌に変化が現れたのです。
『あ、アルブレヒトさま…!』
「そうだね。さっきも言ったように幽霊、もしくは幽霊族は聖なる力を体内に取り込むと体に変化が現れる」
アルブレヒトさまの言葉を聞きながら両手を観察すると、先ほど光の粒が消えていった方の手の透け具合と、そうしなかった方の手の透け具合が全く違っているのがわかりました。
『これは…どういうことなのでしょうか…?光の粒に触っていない方の手の方が透けていません。聖なる力に触れて取り込んだ方の手が透けなくなるのではないのですか?』
「ふふ、忘れちゃったかな?光の粒に触っていない方の手に俺が何をしたのか」
そう言いながら彼はわたくしの手を取り、ちろりと赤い舌で指先を舐めたのでした。
『大人用?小説に大人用や子供用がありますの?』
「ははっまだまだ未知の世界だろうけど世の中にはいろんなものがあるんだよ。試しに読んでみるといい。用意しておくよ」
わたくしのその言葉に苦笑したアルブレヒトさまはそう言うとベッドから立ち上がり、先ほどの部屋へと向かっていきました。そしてチリンチリンとベルを鳴らしました。
少し経つと誰かが部屋に入ってきて、アルブレヒトさまが何かを言うとすぐにまた部屋から出ていったようです。
「ただいま。さっき言ってた本を持って来てもらうことにしたから楽しみにしておいてね♡」
『は、はあ…。それで、先ほどのお話の続きはありますのよね?聖なる力ってなんですの?』
わたくしが疑問に思っていたことを口にしますと、アルブレヒトさまはまたしてもにんまりとした笑顔になりながらベッドに腰掛けられました。やっぱり距離が近いです。
「聖なる力は聖なる力さ。誰もがある程度の魔力を持っているように、誰でも少量だろうが持っているのが聖なる力。ある意味では生命力とも言い換えることができるんだよ。厳密には違うからここでは聖なる力で統一するけどね。そして魔力が多くて扱いに秀でた者が魔術師や魔法使いと呼ばれるように、聖なる力が強くて扱いに秀でた者が聖職者や神官って呼ばれるんだ」
こんな風にね、とアルブレヒトさまが手のひらを上にするとそこに光の玉が現れたのです。キラキラと光るそれは徐々に大きくなり、彼の手のひらサイズまで成長するとぱちんと弾けてしまいました。
弾けたあとそれは細かな光の粒になり、部屋を幻想的な風景へと変えたのでした。ふわふわと漂うそれはゆっくりと床へと落ちていき、やがてそこで消えます。
それを惜しく思って降りてくるそれに手を差し出せば、光の粒はわたくしの手のひらに乗りました。キラキラと光るそれをじっと見ていると手のひらに吸収されるように消えていきました。そしてわたくしの肌に変化が現れたのです。
『あ、アルブレヒトさま…!』
「そうだね。さっきも言ったように幽霊、もしくは幽霊族は聖なる力を体内に取り込むと体に変化が現れる」
アルブレヒトさまの言葉を聞きながら両手を観察すると、先ほど光の粒が消えていった方の手の透け具合と、そうしなかった方の手の透け具合が全く違っているのがわかりました。
『これは…どういうことなのでしょうか…?光の粒に触っていない方の手の方が透けていません。聖なる力に触れて取り込んだ方の手が透けなくなるのではないのですか?』
「ふふ、忘れちゃったかな?光の粒に触っていない方の手に俺が何をしたのか」
そう言いながら彼はわたくしの手を取り、ちろりと赤い舌で指先を舐めたのでした。
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