6 / 9
光の粒よりも強力
しおりを挟む
「うーん。確か幽霊や幽霊族との恋物語は大人用の恋愛小説で刊行されてたと思うんだけど…。マレーネちゃんはそういうの、読める?」
『大人用?小説に大人用や子供用がありますの?』
「ははっまだまだ未知の世界だろうけど世の中にはいろんなものがあるんだよ。試しに読んでみるといい。用意しておくよ」
わたくしのその言葉に苦笑したアルブレヒトさまはそう言うとベッドから立ち上がり、先ほどの部屋へと向かっていきました。そしてチリンチリンとベルを鳴らしました。
少し経つと誰かが部屋に入ってきて、アルブレヒトさまが何かを言うとすぐにまた部屋から出ていったようです。
「ただいま。さっき言ってた本を持って来てもらうことにしたから楽しみにしておいてね♡」
『は、はあ…。それで、先ほどのお話の続きはありますのよね?聖なる力ってなんですの?』
わたくしが疑問に思っていたことを口にしますと、アルブレヒトさまはまたしてもにんまりとした笑顔になりながらベッドに腰掛けられました。やっぱり距離が近いです。
「聖なる力は聖なる力さ。誰もがある程度の魔力を持っているように、誰でも少量だろうが持っているのが聖なる力。ある意味では生命力とも言い換えることができるんだよ。厳密には違うからここでは聖なる力で統一するけどね。そして魔力が多くて扱いに秀でた者が魔術師や魔法使いと呼ばれるように、聖なる力が強くて扱いに秀でた者が聖職者や神官って呼ばれるんだ」
こんな風にね、とアルブレヒトさまが手のひらを上にするとそこに光の玉が現れたのです。キラキラと光るそれは徐々に大きくなり、彼の手のひらサイズまで成長するとぱちんと弾けてしまいました。
弾けたあとそれは細かな光の粒になり、部屋を幻想的な風景へと変えたのでした。ふわふわと漂うそれはゆっくりと床へと落ちていき、やがてそこで消えます。
それを惜しく思って降りてくるそれに手を差し出せば、光の粒はわたくしの手のひらに乗りました。キラキラと光るそれをじっと見ていると手のひらに吸収されるように消えていきました。そしてわたくしの肌に変化が現れたのです。
『あ、アルブレヒトさま…!』
「そうだね。さっきも言ったように幽霊、もしくは幽霊族は聖なる力を体内に取り込むと体に変化が現れる」
アルブレヒトさまの言葉を聞きながら両手を観察すると、先ほど光の粒が消えていった方の手の透け具合と、そうしなかった方の手の透け具合が全く違っているのがわかりました。
『これは…どういうことなのでしょうか…?光の粒に触っていない方の手の方が透けていません。聖なる力に触れて取り込んだ方の手が透けなくなるのではないのですか?』
「ふふ、忘れちゃったかな?光の粒に触っていない方の手に俺が何をしたのか」
そう言いながら彼はわたくしの手を取り、ちろりと赤い舌で指先を舐めたのでした。
『大人用?小説に大人用や子供用がありますの?』
「ははっまだまだ未知の世界だろうけど世の中にはいろんなものがあるんだよ。試しに読んでみるといい。用意しておくよ」
わたくしのその言葉に苦笑したアルブレヒトさまはそう言うとベッドから立ち上がり、先ほどの部屋へと向かっていきました。そしてチリンチリンとベルを鳴らしました。
少し経つと誰かが部屋に入ってきて、アルブレヒトさまが何かを言うとすぐにまた部屋から出ていったようです。
「ただいま。さっき言ってた本を持って来てもらうことにしたから楽しみにしておいてね♡」
『は、はあ…。それで、先ほどのお話の続きはありますのよね?聖なる力ってなんですの?』
わたくしが疑問に思っていたことを口にしますと、アルブレヒトさまはまたしてもにんまりとした笑顔になりながらベッドに腰掛けられました。やっぱり距離が近いです。
「聖なる力は聖なる力さ。誰もがある程度の魔力を持っているように、誰でも少量だろうが持っているのが聖なる力。ある意味では生命力とも言い換えることができるんだよ。厳密には違うからここでは聖なる力で統一するけどね。そして魔力が多くて扱いに秀でた者が魔術師や魔法使いと呼ばれるように、聖なる力が強くて扱いに秀でた者が聖職者や神官って呼ばれるんだ」
こんな風にね、とアルブレヒトさまが手のひらを上にするとそこに光の玉が現れたのです。キラキラと光るそれは徐々に大きくなり、彼の手のひらサイズまで成長するとぱちんと弾けてしまいました。
弾けたあとそれは細かな光の粒になり、部屋を幻想的な風景へと変えたのでした。ふわふわと漂うそれはゆっくりと床へと落ちていき、やがてそこで消えます。
それを惜しく思って降りてくるそれに手を差し出せば、光の粒はわたくしの手のひらに乗りました。キラキラと光るそれをじっと見ていると手のひらに吸収されるように消えていきました。そしてわたくしの肌に変化が現れたのです。
『あ、アルブレヒトさま…!』
「そうだね。さっきも言ったように幽霊、もしくは幽霊族は聖なる力を体内に取り込むと体に変化が現れる」
アルブレヒトさまの言葉を聞きながら両手を観察すると、先ほど光の粒が消えていった方の手の透け具合と、そうしなかった方の手の透け具合が全く違っているのがわかりました。
『これは…どういうことなのでしょうか…?光の粒に触っていない方の手の方が透けていません。聖なる力に触れて取り込んだ方の手が透けなくなるのではないのですか?』
「ふふ、忘れちゃったかな?光の粒に触っていない方の手に俺が何をしたのか」
そう言いながら彼はわたくしの手を取り、ちろりと赤い舌で指先を舐めたのでした。
0
あなたにおすすめの小説
転生したら4人のヤンデレ彼氏に溺愛される日々が待っていた。
aika
恋愛
主人公まゆは冴えないOL。
ある日ちょっとした事故で命を落とし転生したら・・・
4人のイケメン俳優たちと同棲するという神展開が待っていた。
それぞれタイプの違うイケメンたちに囲まれながら、
生活することになったまゆだが、彼らはまゆを溺愛するあまり
どんどんヤンデレ男になっていき・・・・
ヤンデレ、溺愛、執着、取り合い・・・♡
何でもありのドタバタ恋愛逆ハーレムコメディです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
抱かれたい騎士No.1と抱かれたく無い騎士No.1に溺愛されてます。どうすればいいでしょうか!?
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ヴァンクリーフ騎士団には見目麗しい抱かれたい男No.1と、絶対零度の鋭い視線を持つ抱かれたく無い男No.1いる。
そんな騎士団の寮の厨房で働くジュリアは何故かその2人のお世話係に任命されてしまう。どうして!?
貧乏男爵令嬢ですが、家の借金返済の為に、頑張って働きますっ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる