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第14話 ジェラルドさまと避暑地に行きますのよ!
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夏休み中も、と言いますか夏休み中だからこそ、攻略イベントは頻発します。夏休みに入ったばかりの頃には王都で降臨祭と聖女祭があり、大体の攻略キャラはこの祭りのどちらかをヒロインと参加するのです。
他にも王都で買い物中にばったり、なんてベタなものから一度領地に遊びに来ないかなんて一歩間違えればご両親に紹介されて、すわお嫁さんに!なんて流れにもなりかねないイベントもあります。
もちろんこれは、好感度がある程度上がっている状態でないと、発生しません。特に一度領地に…イベントなんて、結婚を前提にしていないと出てこない話ではないでしょうか?
そして夏休みの強制イベントがあり、その後にも夏休みの思い出に…とイベントが目白押しですの。それから言うまでもなく攻略キャラであるジェラルドさまとのイベントも……。
それについてはわたくしぜーーーったいに、ジェラルドさまをあの方に渡すつもりなんてありませんので、該当の日にはどのイベントにも出てきたことが無い隣国の避暑地に行くことにしてありますの。もちろん前後合わせて1週間ほどの日程で、ゆっくりとしてくるつもりですわ。
何があってもジェラルドさまとのイベントは起こさせませんから!
「うふ、うふふふふふ…!」
「おーい、アデリーナちゃーん?……急に笑い出してどうしたんだろ」
俺のかわいい奥さんが、腕の中で不気味に笑い始める。それを不思議がっていると、カチャと小さく陶器が鳴り、目の前に紅茶が差し出される。この手はアデリーナちゃん付きのメイドのマデリーンだ。
彼女はアデリーナちゃんより5つ年上で、姉妹のように育ちアデリーナちゃんもよく懐いている。なので適役だろうと、彼女を諫める役割もボッヅォーリ公爵から与えられているんだよな。
さらにはマデリーンはボッヅォーリ家の夫人の考えで、すでに結婚をしている。しかも貴族関係者には珍しく、恋愛結婚だ。お相手は同じくボッヅォーリ家に仕えている者で、まじめで一本筋が通った男だと聞く。
自分で言うのもなんだが顔の造詣が良い俺は、そこここの令嬢やメイド達、それから年上の夫人達にも言い寄られることが多い。その多くが顔が目当てなだけではなく、爵位や錬金術関連でもおこぼれを狙う女狐達だ。
そんな中で恋愛面では夫に釘付けなマデリーンは、俺に色目を使ったりしない上に優秀なメイドとして、アデリーナちゃん付きにふさわしい人物だった。おそらくボッヅォーリ夫人はそこまで考えて、彼女を教育したのだろう。ありがたいことだ。
「お嬢さまのわがままを聞いてくださり、ありがとうございました。急に隣国の避暑地に行きたいだなんて…チケットなどなかなか手に入れられなかったのでは…?」
「ああ、大丈夫。なんてことはなかったよ。俺はこの程度のチケットも取れないような、甲斐性無しだと思われていたのかな?」
「ふふ。まさか、そんなことはありません。お嬢さまを喜ばせるためなら、旦那さまはなんだってなさるでしょう?」
こうして軽口を言い合えるのもいい。本当に良い人材だ。
「はっ当たり前だろう?あの子は俺の唯一だからな」
「む?なんだか二人いい雰囲気ではありませんでしたか?やですよ!浮気は嫌ですのーーーー!!!」
こうしてアデリーナちゃんが勘違いをして、その小さな頭の中を俺だけで埋め尽くしてくれるのもいつものことだ。マデリーンは彼女がこうなるとわかっていて、俺に話しかけてくるんだもんな。全く…最高のメイドだよ。
他にも王都で買い物中にばったり、なんてベタなものから一度領地に遊びに来ないかなんて一歩間違えればご両親に紹介されて、すわお嫁さんに!なんて流れにもなりかねないイベントもあります。
もちろんこれは、好感度がある程度上がっている状態でないと、発生しません。特に一度領地に…イベントなんて、結婚を前提にしていないと出てこない話ではないでしょうか?
そして夏休みの強制イベントがあり、その後にも夏休みの思い出に…とイベントが目白押しですの。それから言うまでもなく攻略キャラであるジェラルドさまとのイベントも……。
それについてはわたくしぜーーーったいに、ジェラルドさまをあの方に渡すつもりなんてありませんので、該当の日にはどのイベントにも出てきたことが無い隣国の避暑地に行くことにしてありますの。もちろん前後合わせて1週間ほどの日程で、ゆっくりとしてくるつもりですわ。
何があってもジェラルドさまとのイベントは起こさせませんから!
「うふ、うふふふふふ…!」
「おーい、アデリーナちゃーん?……急に笑い出してどうしたんだろ」
俺のかわいい奥さんが、腕の中で不気味に笑い始める。それを不思議がっていると、カチャと小さく陶器が鳴り、目の前に紅茶が差し出される。この手はアデリーナちゃん付きのメイドのマデリーンだ。
彼女はアデリーナちゃんより5つ年上で、姉妹のように育ちアデリーナちゃんもよく懐いている。なので適役だろうと、彼女を諫める役割もボッヅォーリ公爵から与えられているんだよな。
さらにはマデリーンはボッヅォーリ家の夫人の考えで、すでに結婚をしている。しかも貴族関係者には珍しく、恋愛結婚だ。お相手は同じくボッヅォーリ家に仕えている者で、まじめで一本筋が通った男だと聞く。
自分で言うのもなんだが顔の造詣が良い俺は、そこここの令嬢やメイド達、それから年上の夫人達にも言い寄られることが多い。その多くが顔が目当てなだけではなく、爵位や錬金術関連でもおこぼれを狙う女狐達だ。
そんな中で恋愛面では夫に釘付けなマデリーンは、俺に色目を使ったりしない上に優秀なメイドとして、アデリーナちゃん付きにふさわしい人物だった。おそらくボッヅォーリ夫人はそこまで考えて、彼女を教育したのだろう。ありがたいことだ。
「お嬢さまのわがままを聞いてくださり、ありがとうございました。急に隣国の避暑地に行きたいだなんて…チケットなどなかなか手に入れられなかったのでは…?」
「ああ、大丈夫。なんてことはなかったよ。俺はこの程度のチケットも取れないような、甲斐性無しだと思われていたのかな?」
「ふふ。まさか、そんなことはありません。お嬢さまを喜ばせるためなら、旦那さまはなんだってなさるでしょう?」
こうして軽口を言い合えるのもいい。本当に良い人材だ。
「はっ当たり前だろう?あの子は俺の唯一だからな」
「む?なんだか二人いい雰囲気ではありませんでしたか?やですよ!浮気は嫌ですのーーーー!!!」
こうしてアデリーナちゃんが勘違いをして、その小さな頭の中を俺だけで埋め尽くしてくれるのもいつものことだ。マデリーンは彼女がこうなるとわかっていて、俺に話しかけてくるんだもんな。全く…最高のメイドだよ。
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