Re:ゼロ 魔人が行く異世界伝説(伝説では無い)

16. 闘争と死の輪唱

三百十一話 闘い終って・外への道？

311話　多分嫌がらせ目的しかない穴

「剣を落とした時点でこっちの負けよ、剣士たる者、剣が無くては恰好が着かん」
完全にバラバラに崩れたかと思えば、粒子や骨の粉の様に細かく散って消えていく
「楽しかったぞ、フハハ！そちらも楽しんでくれたのなら幸いだが･･･まぁよいか
その顔が全てを語っておるわ」
何か顔がおかしいのだろうか？触ってみてもこれと言って変化は無いように思うが
最後に残っていた頭部がカタカタと揺れたと思えば、下から崩れて消えていく
「行けい、何とも知れぬモノよ！我から残るモノなぞ何も無いぞ！」
その言葉通り消えた後には戦利品となる物を何も残さず、いつの間にか四方を囲ん
でいた檻が無くなっており、削れていた床や砕け散っていた骨が元に戻っているし
2階の通路以外は入って来た頃の状態に戻っていた、少し離れた場所にある台座と
なっている元檻に置かれていた銃を回収し、亜空間倉庫を開こうとしたがまだ開け
ない事に気付いた･･･やはりダンジョンの機能らしくまだ続いているようだ、そして
入口の向かい側に扉らしき形状の物が出来ている･･･いや、元々あったが見える様に
なっただけか？道中にあったのと同じような中心から上と左右、左右下の5方向へと
別れ格納されるなんとも使いにくそうな扉である、扉が開けば他と変わらず土と石
で整地されている地下通路が続いている、部屋を見返すが残念ながらさっきの奴は
やはりダンジョンの主では無かったようで、報酬らしきものが何も無い･･･厄介な
ギミック敵と言うか固定地点の強敵と言う扱いなのだろう、微かだが風も流れてい
るし通路は出口に繋がっているぽい、そうなると今回のダンジョンは報酬無しだな
残念ではあるが仕方ない、まぁ毒沼でもダンジョン自身から手に入った物は無いし
ダンジョンに入ればいつも何かを得れる訳では無いのだろう、と言うかそもそもの
問題として自然型ダンジョン自体実入りが悪いのかもしれない、戦闘訓練以外での
人気も無さそうだし･･･自然型に当たりと言えるダンジョンが無いとすると、まぁ
実入りの良い金策が出来るダンジョンに行くよな、塔型も危険度が高いとされてい
るからあまり人気は無いようだが、自然型ダンジョンには宝箱が無いようだからな
冒険者の基本収入は収集や魔物の討伐依頼の報酬と素材だが、ダンジョンでは宝箱
の中身次第な訳だから自然型に来るのは調査以外には戦闘目的でしか来ないか･･･
そもそもダンジョン自体に人気が無いのかもしれない、一種のギャンブルだからな
長い通路を進んだ先には上に向かって緩やかな螺旋を描き続く坂道に出た、なんで
こんな不便な通路になっているんだ？ただの嫌がらせのための通路なんじゃないか
と思わずにはいられない、坂道は壁と通路の端は石だがそれ以外は土で出来ている
そのお蔭か滑って昇り難いなんて事は無いのが良い事だ、通路は上下に分厚い土が
あるからか急に崩れるような心配も無い、問題は偶に砂なのか土煙なのか判らない
が風に乗って飛んで来る事だ、外に繋がっていると思っていたが別のダンジョン内
に繋がっていると考えた方が良さそうだな、正直報酬とかはもうどうでもいいから
外に出たい･･･腰布や肌に土煙が付着してザラザラするし動く度にパラパラと細かい
砂粒のような物が落ちてくる、実入りもないのにこれではな･･･人気が無くなるのも
頷けると言うもの、後あのギミックのせいか死亡率が高くなっていて、死者も他の
ダンジョンに比べて多めなのもあるだろうが、そうしてどうにもならない考えを思
考の半分に浮かべ進んでいると僅かに色が変わる境界線が見えた、その線から奥は
僅かにだが色が灰色っぽくなっているのだ、亜空間倉庫を開こうとしたままその線
を越える、すると急に亜空間倉庫が繋がりいつも通りの空間が開いた･･･やはりこの
境界線が空間魔法を制限している区域の境目だったか、ガンズオブパンテーラを中
に戻し･･･まて、確かこいつは部屋に置いて来たんじゃなかったか？何を今更としか
言いようがない事だが、本来亜空間倉庫から取り出せるはずがない、これと部屋は
繋がってないしこいつ自身も倉庫と繋がりがある訳じゃないのに･･･このダンジョン
で空間魔法が狂ってるのか？試しに家に置いて来たものを取り出そうとしてみるが
取り出せるはずも無く、しかし入れた覚えのない骨が入っていた、朽ちかけて崩れ
そうな程ボロボロの骨だ、特に力も感じないし形状的にも気配的にも人間の骨か？
銃をベルトに差し亜空間倉庫からマガセビを取り出す、取り出すのは問題無さそう
だ、まぁこの骨は異常であるが･･･危険がある訳でも無いので気にする必要は無い
それを眺め確認し終わると同時に通路に出た、最初に入って来た墓地の様な形状だ
正面に骨を投げ罠の有無を確認し、音を発て周囲に魔物が居るかを確認する、当然
だが生命探知はアンデッド系やゴースト系に効かないからな･･･特に何の反応も無い
のを確認して少し進む、左右にも通路が続いているがどちらも短く正面通路の方に
向かって曲がっている、どちらも覗いて確認してみたが実質一本道のようで奥でま
た曲がり角になっておりそこで合流している、やはり幅が狭いだけで最初の階層と
同じ形状の一本道のようだ、横道の方は外側に棺が並べられているしあからさまに
中央が妖しいと思わせておいて、左右の道に罠がありそうと思わせ実は中央に･･･
なんて考えが堂々巡りになるのでもう考えるのを止めて中央を行く、どうせ全部に
罠があると思えばいいのだこう言うのは、そして半分程進んだ辺りで床が抜けたか
の様に開いて一瞬宙に浮く、落下の勢いが増す寸前にマガセビを前の床に着き刺し
落下を防ぐ、下に見えるのは坂道だしさっき昇って来た道だろう、それに高さは4M
あるかないか程度しかなく、たいした高さも無ければ危険物が落下地点にも罠自体
にも仕込まれている訳でもない･･･そうなるとこれはちょっとした嫌がらせ目的の落
とし穴と言った所だろうか？腕を引き寄せて体を前へと進ませ床に足を着ける、な
んと言うか知性の干渉があるように思えるが、ダンジョンにも意思があったりする
のだろうか？そこら辺に関しては未だ研究中なのかどうなのか･･･まぁ有ろうが無か
ろうが意思疎通が出来ないのなら関係無いか、もう1つあった落とし穴を飛び越えて
扉を開ける、すると小さな部屋とも言えない幅が50cm位の空間･･･床には魔法陣の
様な物が刻まれている、とは言えそれらしい見た目をしているだけで魔術としても
魔法としてもこれが機能している様には見えない、大まかな分類は空間系だろうが
こう言う場所に造るとなると結界か転移だな、特定地点と繋がっているタイプだ