美少女モンクにTS転生した俺はとにかく殴る!たまに蹴る!〜底辺の脳筋ジョブと言われたが筋肉を極め知識チートで無双する〜

🔨大木げん

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第四部 美少女モンクと大魔王

第159話 それぞれの戦い〜勇者の帰還〜 

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 浮遊大陸ズイーブドのビーギン村には邪魔素生ジャマソーナ塔を破壊する為、そして引き寄せられたモンスターを討伐する為に、大陸中から続々と兵士、冒険者が集結してきていた。

 彼らの指揮を執るのは、歴戦の戦士でもある飛空艇技師のシュドウだ。
 
 土の巫女でもある時魔道士アルファが土の大輝石のお告げを聞いて、真っ先に現場に急行して以来ずっと戦い続けていた。
  
 星読の姫巫女カサンドラ、機工士ダズー、ビーギン村の駐在騎士であるゴライアの父も側に付いてずっと戦っている。

 しかし、第二職業がカンスト間近の様な飛び抜けた強者がいない為に、ジャマソーナ塔の攻略はできていなかった。

 その場にいる第一職業で最もレベルが高いのが、シュドウ、ダズー、アルファ、カサンドラ達、ミューズ号で世界を飛び回った者達だという実情がある。

 その為にモンスターは後から後からジャマソーナ塔に引き寄せられて、延々とモンスター達との戦いは続いてしまっている。

 しかも現在では、普段は中央高山地帯にいる強力なモンスターまで大量に出現し始めており、人間側の防衛戦は、破綻する寸前まで追い詰められていた。

 
「あ!? 整いました! 皆さん今からモンスターを倒す最大のチャンスが訪れます! この機会を逃さないでください!」 

 体内のマナのバランスが奇跡的に整ったカサンドラが、凛と澄んだ声で詠唱を始めた。
 
「大地の上のあらゆる生命よ、我が命ずる星の導きによりその運命を決定せよ! 『星運停止』」 
 
 空から眩い光がモンスター達に降り注いだかと思うと、大半のモンスターがピタリと動きを止めた。

 ルイがナンバーワンのチートスキルと呼んでいる、カサンドラの『星運停止』の発動が局面を決定的に変えた!

 動けない高レベルのモンスターを倒す事により、冒険者や兵士達のレベルが爆上がりしていく!


 

 一方その頃、ナイヤチ村の村長宅に、一体の黄色いバケツの雪だるまが転移していた。

「これはこれは、とんでもない力を秘めたお客様ですな」

「僕は土の大輝石の分身体だ。浮遊石を護るためにすぐに戻らなければならない。近くにいる光の戦士と繋がりがある者の中では、君が最も力が有るのになぜ現場に行かない?」

「儂は足腰を悪くしておりましてな、今ではまともに力が入らずに闘えんのですよ……」

「人間の身体ってのは不便だね。その位で動かなくなるなんて。ほら、これで動けるだろう?」

 黄色いバケツの雪だるまが手(木の枝)をかざすと、光がシロー爺さんに降り注いだ。

「なんと! 動く! 動くぞい! エリクシルを何本使っても治らなかった足腰が若い頃のように快調じゃ!! ふお~!」

 興奮したシロー爺さんの全身に気がみなぎり、はち切れた筋肉により服が破れる!

 あらわになったその胸には、歴戦の傷が刻まれていた。

「少しお待ちくだされ、今すぐ戦闘服に着替えますゆえ」

 シローはそう言って、いそいそとチャイナ服に着替えた。

「準備ができました。では、参りましょう」

「現場に行くのは君だけだよ。僕は戻らなきゃいけないからね。サービスで近くの村まで転移させてあげるから頑張りなよ」

 その言葉を最後に、シローの視界は一瞬で切り替わった。
  
「あら!? シローさん!?」

 突然現れたシローに驚きを隠せないカサンドラ。

「ふぉっふぉっふぉっ。驚かせてすまなんだ。これから塔に行ってきますでな、失礼しますぞい」

「そんな!? 一人で行くなんて危険です!」

 心配するカサンドラにシローが答える。

「儂の事なら心配無用じゃ。儂の第一職業はモンク、第二職業は暗殺者アサシン、そして第三職業は裁縫職人じゃあ! それぞれを極めておるでな。ではの」

 独特の歩法で滑るように視界から消えてあっという間に去って行ったシローにカサンドラが呟いた。

「第三職業は強く無さそうです……」

 そんなカサンドラの心配をよそに、数十年ぶりの快調な身体に喜びをかみしめながら、出会うモンスターを一撃必殺で仕留めていくシロー。

 シローの姿は追いきれないが、爆散していくモンスターが続いてできた道こそがシローの進んだところなのだろう。

「ホークト流百烈拳!」
 
 あっという間にジャマソーナ塔の最上階まで到達し、ボスモンスターを倒してしまった。 



 ♢♢♢



 カッファリ大陸のジャマソーナ塔周辺では勇者アイスのパーティーがモンスターを次々に倒していたが、後から後から高レベルのモンスターが湧いてくるので、ジャマソーナ塔に突入できないでいた。

 すぐ近くに大きな街がある為に、誰か一人が欠けると、途端に周囲に被害が出てしまう。

 せめて後一人でも実力者が応援に来てくれれば、塔内へ勇者アイスが突入できるのに、と勇者パーティーが内心で悔しい思いをしていたところ、南から光る物体が飛んできた。

 現れたのは『アイレスランドの祠』で、神鳥の卵を永年守護していた双子の精霊、『セイ』と『レイ』だった。

「わたしは神鳥を守護する精霊セイ」
「わたしは神鳥を守護する精霊レイ」

「われらは星の生命ともいうべき大輝石の導きでこの地にやってきました」
 
「大輝石の言葉によると、この地の邪悪な塔は全ての塔の要」

「この塔を守護する者は、並の勇者一人では太刀打ちできません」
 
「この場はわたし達が協力します。二人以上でジャマソーナ塔に登ると良いでしょう」
 
「何人かはこの場に残って、引き続きこの地の生き物を守ってください」

「「それではいきますよ『英雄結界』!」」
  
 セイとレイの持つ杖から光が溢れ、ドーム状にあたり一面が覆われた!

「この結界の中ではわたしの達の認めた英雄のステータスが倍になります」 

「「さあ勇者よ、その仲間達よ、おいきなさい」」
 
「……勇者君、ここは私とアグニとアクゥのステラ組が残るわ。勇者君とゴライアとローザはジャマソーナ塔を破壊してきて」

 青魔道士ステラが思い切ってそう提案してきた。

「む、ステラよ一人では危険だぞ」

「心配してくれてありがとうゴライア。でも塔はもっと危険かもしれないわよ。私の方は大丈夫よ。結界のステータスアップと『りゅうのひげ』、『青魔の仮面』の相乗効果で魔獣使いスキル『あやつる』が超強化されたわ」

 そう言って高レベルのモンスター達を次々にあやつり、同士討ちさせ始めたステラ。

「今なら何百体でもあやつれそうよ!」

 ピシッ! ピシッ! と最強クラスの鞭『竜のひげ』をふる!

 ふる! ふる!!

「あ~はっはっ! さあ行きなさい! あっ、ゴライアちょっと待って!」 
 
 ステラはゴライアの腕を掴み顔を近づけると唇を奪った。
 
 ステラからゴライアへ突然のキスに、目を白黒させて驚くゴライア。

「ぷはぁ、な、何を!?」

「これが何か知りたかったら、必ず生きて帰って来るのよ。さぁ、行って! お互い生き延びて逢いましょう」

 ほら行け! とばかりにゴライアの背中にムチを入れるステラ。

 照れ隠しなのか、ステラはうつむいてしまっていて、ゴライアはその顔をみることはできなかった。

 


 ジャマソーナ塔の内部で、モンスターを蹴散らしながら駆け上がって行く勇者パーティー。

 勇者アイス、ルーンナイトゴライア、賢者ローザの三人はぎゃあぎゃあ騒ぎながらもしっかりと連携を取り、危なげなく進む。
 
「さっきのステラのあれはなんだったのだ……」

「はぁ~、ゴライアあんた、ステラの態度は丸わかりだったのに、本当に気付いていなかったわけ? これだから童貞は……」

「む!? ステラの事は確かにわからないが、童貞の何が悪い! 真の漢の中には女断ちをして自らを極限まで高める者もいるのだぞ!」

「はいはい、勝手に言ってなさい。私達はさっさと魔王軍を倒してイチャイチャしましょうね、勇者様」

「そ、そうだな」

 内心では、俺もステラの気持ちはわからなかったけど、俺は童貞ちゃうし! とセルフつっこみを入れる勇者アイス。

 よし、ゴライアよ、お前はステラと結ばれろ! ルイは、俺がもらってやるからな! と一人大きく頷いた。

 当然これが終われば、ローザと激しく愛し合うのは確定事項である。


 
 ステータス倍化の恩恵もあり、道中の全てのバトルで危なげなく戦いきって最上階にたどり着いた勇者パーティーは、最上階のボスモンスター、『魔眼のアーリュマン』との激闘を繰り広げる。

 絶大な魔法攻撃を仕掛けていた目玉の化け物であるアーリュマンが、勇者パーティーからのたくみな連携攻撃を受けて、ついに最終形態である魔人形態へと変化した!
 
 魔法に加えて即死級の物理攻撃も追加される!

 だが勇者パーティーはその魔人の力をも乗り越えた!

「俺は禁欲生活から抜け出すんだぁ! くらえぇ゙! 勇者最大最強雷斬りサンダインストラッシュ!!」

 勇者のみが使える雷系究極魔法を聖剣デュランダルに宿し、極限まで練り上げた『勇者の聖気』を全て注ぎ込んで一閃した勇者アイス!

 その一閃は、魔人アーリュマンの身体を一太刀に切り捨てるだけにとどまらず、ジャマソーナ塔のコアもろとも塔を真っ二つに斬り裂いた!

 ズドドドォーン!!

「……凄いな、いったいどこまで斬撃は飛んだんだ?」

 ゴライアの心配はあたり、アイスの一閃は、はるか彼方の無人の山を破壊して収まった。

 

 かくして、世界各地に散らばる全ての邪魔素生ジャマソーナ塔は破壊され、人々から絶望の負のエネルギーがデスジードに供給される事は止められた。
  
 
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