目が覚めたら異世界で草生える

みももも

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旅3

うちの舎弟とお馬さんが無双すぎる件

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 ヒサメくんが「一緒に馬車に乗りませんか?」って誘ってくれたので、お言葉に甘えることにした。
 お馬さんのことは一旦見知らぬ騎士さんに預けて、馬車に乗り込むと、中は結構豪華な客室みたいな感じだった。完全に荷馬車の硬い座席を予想してたので、このフカフカな座席は想定外だった。まあその分スピードは遅いというか周りの騎士たちは普通に歩いてるから、速度的には歩くのと変わらないんだけどね。

「ところで、ヒサメくんたちはどこに向かっているの?」
「ボクたちはこの荷馬車に積んだ地元の産品を街に卸しに行くところなんです。この時期だと果物とかが多いですね」
「へぇ……え、この馬車に積んでるの? どこに?」
「あ、確認します? 馬車の後ろの異空間に積み込んであるんですけど……」
「あ、そういうこと。じゃあいいや」

 そうだった、この世界には魔導とかいう謎パワーが普通に存在するんだった。
 そういえばお馬さんが最初に引いていた馬車も積荷はほとんど空っぽだったけど、多分おなじように隠してあったのかもね。

「ヒサメ様! 前方に魔獣の群れです!」
「先ほどの魔獣が仲間を集めてきた模様です。我々が相手しますのでヒサメ様は隠れて……」

「いや、ボクがやるよ。お姉さん、馬を借りてもいいかな」
「え、うん。お馬さんが『良い』って言えば……」
『お主よ、我は全くかまわんぞ!』
「ヒサメくん、良いって言ってるから、良いよ」

 あれかな、お姉さんが馬に乗って無双してたのを見て憧れちゃったのかな?
 まあ実際のところはお馬さんにお任せ状態だったし、私じゃなくても全く問題がないんだろうけどね。
 なんだったら背中に誰も乗っていないのが一番強いまである……。そう思っていた時期が私にもありました。

「ボクの氷の矢フローズンアローを喰らえ!」
 ヒサメくんは馬の上で器用にバランスをとりながら魔導の弓矢で狼たちを狙撃している。
 ちゃんと馬上という視点の高さが生かされた戦い方だ。
「よし、今だ! 行くよ、お馬くん!」
『任せよ! 行くぞ小僧!』
 今度は、弓矢から槍に切り替えてお馬さんに乗りながら狼の群れに突撃して行った。
 お馬さん自身は移動に専念して、狼を倒すのはもっぱらヒサメくんの役割。私と違ってちゃんと役割分担できているみたい。

「なんか、ヒサメくんにお馬さんを寝取られた気分……」
「ええ、ヒサメ様は馬上格闘大会の優勝者ですからね! 今までは魔獣に怯えて戦おうとはしなかったのですが、アカネ様と出会われてヒサメ様は変わることができたようです。アカネ様には感謝いたします」

 ……なんか、納得いかない。優秀すぎる弟を持った姉はこんな気分になるのかな。やっぱり弟は少し頼りないぐらいがちょうど良いや。
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