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優希が記憶を取り戻してから2年が過ぎた。いよいよ、乙女ゲームが始まる時期である。
「さっさとお帰りになったらよろしくて?」
「ふふふ、連れないな」
「あら、そんなことありませんわ」
か・え・れーーーーーーー‼︎ 声を大にして言いたい‼︎ 俺は野郎なんぞと恋愛なんかせん‼︎
「お・か・え・りに、なりますわよね?」
帰るよな? お前あらかた俺の性格分かってんだろ?
「そうかい……実はもう父親にここに泊まると言ってあるんだよ。勿論、公爵夫人も快く了承してくれたよ?」
だから、帰れないんだ。そういう腹黒サイコパス王子。外堀埋めて、俺が悔しがるのを楽しんでやがる。
「さあ、エラ。愛を深めよう?」
「い、いい⁉︎」
「ねぇ、エラ。私はエラが元男だったとしても構わないんだよ。面白ければね。泣かせ甲斐がある」
「ひぃぃ⁉︎ わ、私のお話を信じてくれたのは嬉しいです。が、だからこそ、婚約解消してほしいのです‼︎」
俺の手を取り、頬を擦り付けながらにっこり微笑む王子に毎度の事ながらドン引きする。俺は、ちょうど1年前にとうとう耐えきれなくなってウルアに打ち明けた。そう、前世の記憶があって、俺が男だってことを。そしたらウルア、なんて言ったと思うか分かるか?
『そうか。だけど、それがどうしたの? 靡かない貴方は私にとって最高の婚約者だよ。早くその顔が歪む瞬間がみたい……』
うっそだろ、おい。正直ガチでドン引きした。ゲームの中でもサイコパスだったが、ここに来てやっと王子のヤバさを身をもって知ったのだ。それからは、王子は自分を隠さなくなり、グイグイと俺に迫ってくる。今だってーー
「はぁ、ほっぺたプニプニだね。ゲームの中では貴方は悪役令嬢なんだよね? こんなか弱そうな令嬢がそんな残酷な事出来たの?」
「うにゅ? しりゃないですわ。私は間しぇつ的にしかやっておりませんかりゃ。手をおはにゃし下しゃい」
びろーんと引っ張られる頬のまま喋ると、当たり前だが変な言葉になってしまう。ビキリと俺の額に血管が浮かんだ気がした。もう限界だ。
「離しなさい! この腹黒サイコパス王子‼︎」
「おや、本性が出てるよ?」
うるせぇ‼︎ これでもまだ抑えとるわ‼︎
ガタンと立ち上がり、ゼェゼェと肩で息をする。側から見れば(以下略)
「ああ、その目。その目が涙で潤むところが私は見たいんだ。ねぇ、少しぐらいならいいよね?」
ガタッと席を立つウルアにびびる。やめてくれ! 野郎に泣かされるなんて冗談じゃない‼︎
「いやぁ! も、本当に婚約破棄でもよろしいから、私を解放してくださいまし‼︎」
俺は修道院に入って、安心安全な快適スローライフを送るんだ‼︎ こんなヤツと結婚なんかしてみろ、いつか殺される!
「ふふふ、身体的に痛めつけることなんてするわけがないだろう? 君は優秀なんだから。ほら、ただ婚約者同士の関係を温めるだけだよ」
「エロ親父ですわ‼︎」
「失敬な。私はまだ20歳にもなっていないよ」
何を言っても聞かないウルアに、いつもの二の舞になると判断した俺は脱走を図った。
「逃がさないよ。たく、毎度毎度懲りないね。君も」
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ! 本日最初のデッドエンドの文字が脳内に浮かび上がる。
「震えちゃって、可愛いね。もう涙目になってる……」
「いぁ⁉︎ ふぅぅ!」
「あは、かーわい」
こうして、俺の尊厳はぐちゃぐちゃに踏み躙られ、風に飛ばされて消えた。クソ王子によって。
元男だってバレない方が絶対よかった‼︎ ヒロイン早く出てきてくれ! このサイコパス野郎を回収してくれぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーー‼︎
「さっさとお帰りになったらよろしくて?」
「ふふふ、連れないな」
「あら、そんなことありませんわ」
か・え・れーーーーーーー‼︎ 声を大にして言いたい‼︎ 俺は野郎なんぞと恋愛なんかせん‼︎
「お・か・え・りに、なりますわよね?」
帰るよな? お前あらかた俺の性格分かってんだろ?
「そうかい……実はもう父親にここに泊まると言ってあるんだよ。勿論、公爵夫人も快く了承してくれたよ?」
だから、帰れないんだ。そういう腹黒サイコパス王子。外堀埋めて、俺が悔しがるのを楽しんでやがる。
「さあ、エラ。愛を深めよう?」
「い、いい⁉︎」
「ねぇ、エラ。私はエラが元男だったとしても構わないんだよ。面白ければね。泣かせ甲斐がある」
「ひぃぃ⁉︎ わ、私のお話を信じてくれたのは嬉しいです。が、だからこそ、婚約解消してほしいのです‼︎」
俺の手を取り、頬を擦り付けながらにっこり微笑む王子に毎度の事ながらドン引きする。俺は、ちょうど1年前にとうとう耐えきれなくなってウルアに打ち明けた。そう、前世の記憶があって、俺が男だってことを。そしたらウルア、なんて言ったと思うか分かるか?
『そうか。だけど、それがどうしたの? 靡かない貴方は私にとって最高の婚約者だよ。早くその顔が歪む瞬間がみたい……』
うっそだろ、おい。正直ガチでドン引きした。ゲームの中でもサイコパスだったが、ここに来てやっと王子のヤバさを身をもって知ったのだ。それからは、王子は自分を隠さなくなり、グイグイと俺に迫ってくる。今だってーー
「はぁ、ほっぺたプニプニだね。ゲームの中では貴方は悪役令嬢なんだよね? こんなか弱そうな令嬢がそんな残酷な事出来たの?」
「うにゅ? しりゃないですわ。私は間しぇつ的にしかやっておりませんかりゃ。手をおはにゃし下しゃい」
びろーんと引っ張られる頬のまま喋ると、当たり前だが変な言葉になってしまう。ビキリと俺の額に血管が浮かんだ気がした。もう限界だ。
「離しなさい! この腹黒サイコパス王子‼︎」
「おや、本性が出てるよ?」
うるせぇ‼︎ これでもまだ抑えとるわ‼︎
ガタンと立ち上がり、ゼェゼェと肩で息をする。側から見れば(以下略)
「ああ、その目。その目が涙で潤むところが私は見たいんだ。ねぇ、少しぐらいならいいよね?」
ガタッと席を立つウルアにびびる。やめてくれ! 野郎に泣かされるなんて冗談じゃない‼︎
「いやぁ! も、本当に婚約破棄でもよろしいから、私を解放してくださいまし‼︎」
俺は修道院に入って、安心安全な快適スローライフを送るんだ‼︎ こんなヤツと結婚なんかしてみろ、いつか殺される!
「ふふふ、身体的に痛めつけることなんてするわけがないだろう? 君は優秀なんだから。ほら、ただ婚約者同士の関係を温めるだけだよ」
「エロ親父ですわ‼︎」
「失敬な。私はまだ20歳にもなっていないよ」
何を言っても聞かないウルアに、いつもの二の舞になると判断した俺は脱走を図った。
「逃がさないよ。たく、毎度毎度懲りないね。君も」
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ! 本日最初のデッドエンドの文字が脳内に浮かび上がる。
「震えちゃって、可愛いね。もう涙目になってる……」
「いぁ⁉︎ ふぅぅ!」
「あは、かーわい」
こうして、俺の尊厳はぐちゃぐちゃに踏み躙られ、風に飛ばされて消えた。クソ王子によって。
元男だってバレない方が絶対よかった‼︎ ヒロイン早く出てきてくれ! このサイコパス野郎を回収してくれぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーー‼︎
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