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第一章 転生
15 レベルアップ
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「え⁉ なんだ? 大丈夫か! コパン!!」
俺は目を手で覆いながらもコパンがいた方に向かって声を出していた。一体何があったのか。
ついさっきこの辺りには魔物はいないといっていたけれど、俺が『不幸な事故』に遭ってここにいるみたいに想定外の事が起きないとは限らない。
「コパン!」
「大丈夫です、アラタ様!」
光が収まり、まだシパシパするような目で、俺は声の方を見た。
そして……
「え……」
思わず声を失ってしまう。
「えへへへへ、レベルアップです。二人してこんなに早くレベルアップするなんてすごいですね! 今日も頑張りますね!」
嬉しそうにそう言って、ふよふよと飛んできた身体を、俺はポスンと両手で受け止めた。
「コパン?」
「はい。そうです! アラタ様が名前を付けてくださったから、お助けポイントが一気に溜まったんです。感謝されたり、頼られたり、信頼をされると溜まるポイントです。アラタ様ありがとうございます。『仲間』と言ってくださってすごくすごく嬉しかったです!」
栗色の髪とミントブルーの瞳。ハムスターサイズの時は小さすぎて表情が分かりづらい事もあったんだけど、今は子猫くらいの大きさになっていた。大体17.8センチくらいの背丈だろうか。ちなみに顔立ちはハムスターサイズをそのまま大きくした感じで「ミニチュア幼児」から「ちっちゃい幼児」になったと言えばいいのかな。
「うん。レベルアップおめでとう、コパン。じゃあお祝いが出来るように頑張って食料を探そう。それと魔法の練習もね」
「はい! あ、アラタ様、あの、インベントリを見てもらえませんか?」
「インベントリを?」
「はい」
俺は言われるままにスマホに出来ていたインベントリのフォルダを開いた。
コパンは昨日と同じように肩の上に載って画面を覗き込んでくる。
倍ほどになったので重いかなって思ったけれど、どうやら妖精はほとんど体重を感じさせないみたいだ。
「あれ? テントのセット以外に何か沢山入っている。……うん、でも何か分からないな」
「わ、分からないですか⁉」
「うん、レベルアップ特典って書いてあるよ。もしかしたらレベルアップすると開けられるようになるのかもしれないな。楽しみだね」
「……ぐぬぬぬぬぬ」
「コパン?」
小さく唸ったコパンに、俺はまた何かを出そうとしているのかと思わず名前を呼んだ。
「……女神様は優しくて、でもちょっと意地悪です」
「うん? でも昨日のテントとキャンプのセットは本当に助かったよ。無理を聞いてもらったんだから俺も約束通りに頑張らないとな」
そう、それが望んではいなかったサバイバルや自給自足の生活だったとしても。
「さあ、そろそろ出発しよう」
「はい、アラタ様!」
焚火を壊して辺りを元に戻して、俺たちは歩き出した。
「仲間なんだからアラタでいいよ」
「……そうはいきません。私は女神様からアラタ様のお助け妖精を任されたのですから。そこはきちんと弁えなければ」
「そうなの? 別にいいのにな。まぁ、コパンがそう言うならしょうがない。でも呼んでもいいかなって思うようになったら名前を呼んで?」
「…………そうですね。分かりました。では中級妖精の上くらいになったら考えます」
コパンは少し考えるようにしてから、そう言った。
「え? そんなにランクがあるの? ちなみに今はどんなランクなの?」
「………………まだ昨日お会いしたばかりなので、初級の三ですよ」
「そうなんだ。でも三なら俺よりも上だね。俺の『お助け妖精』は有能だ」
「……今日も色々おまかせあれ~」
そう言って肩の上に腰を下ろしたコパンに、俺は「頼りにしてます」と言って笑った。
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俺は目を手で覆いながらもコパンがいた方に向かって声を出していた。一体何があったのか。
ついさっきこの辺りには魔物はいないといっていたけれど、俺が『不幸な事故』に遭ってここにいるみたいに想定外の事が起きないとは限らない。
「コパン!」
「大丈夫です、アラタ様!」
光が収まり、まだシパシパするような目で、俺は声の方を見た。
そして……
「え……」
思わず声を失ってしまう。
「えへへへへ、レベルアップです。二人してこんなに早くレベルアップするなんてすごいですね! 今日も頑張りますね!」
嬉しそうにそう言って、ふよふよと飛んできた身体を、俺はポスンと両手で受け止めた。
「コパン?」
「はい。そうです! アラタ様が名前を付けてくださったから、お助けポイントが一気に溜まったんです。感謝されたり、頼られたり、信頼をされると溜まるポイントです。アラタ様ありがとうございます。『仲間』と言ってくださってすごくすごく嬉しかったです!」
栗色の髪とミントブルーの瞳。ハムスターサイズの時は小さすぎて表情が分かりづらい事もあったんだけど、今は子猫くらいの大きさになっていた。大体17.8センチくらいの背丈だろうか。ちなみに顔立ちはハムスターサイズをそのまま大きくした感じで「ミニチュア幼児」から「ちっちゃい幼児」になったと言えばいいのかな。
「うん。レベルアップおめでとう、コパン。じゃあお祝いが出来るように頑張って食料を探そう。それと魔法の練習もね」
「はい! あ、アラタ様、あの、インベントリを見てもらえませんか?」
「インベントリを?」
「はい」
俺は言われるままにスマホに出来ていたインベントリのフォルダを開いた。
コパンは昨日と同じように肩の上に載って画面を覗き込んでくる。
倍ほどになったので重いかなって思ったけれど、どうやら妖精はほとんど体重を感じさせないみたいだ。
「あれ? テントのセット以外に何か沢山入っている。……うん、でも何か分からないな」
「わ、分からないですか⁉」
「うん、レベルアップ特典って書いてあるよ。もしかしたらレベルアップすると開けられるようになるのかもしれないな。楽しみだね」
「……ぐぬぬぬぬぬ」
「コパン?」
小さく唸ったコパンに、俺はまた何かを出そうとしているのかと思わず名前を呼んだ。
「……女神様は優しくて、でもちょっと意地悪です」
「うん? でも昨日のテントとキャンプのセットは本当に助かったよ。無理を聞いてもらったんだから俺も約束通りに頑張らないとな」
そう、それが望んではいなかったサバイバルや自給自足の生活だったとしても。
「さあ、そろそろ出発しよう」
「はい、アラタ様!」
焚火を壊して辺りを元に戻して、俺たちは歩き出した。
「仲間なんだからアラタでいいよ」
「……そうはいきません。私は女神様からアラタ様のお助け妖精を任されたのですから。そこはきちんと弁えなければ」
「そうなの? 別にいいのにな。まぁ、コパンがそう言うならしょうがない。でも呼んでもいいかなって思うようになったら名前を呼んで?」
「…………そうですね。分かりました。では中級妖精の上くらいになったら考えます」
コパンは少し考えるようにしてから、そう言った。
「え? そんなにランクがあるの? ちなみに今はどんなランクなの?」
「………………まだ昨日お会いしたばかりなので、初級の三ですよ」
「そうなんだ。でも三なら俺よりも上だね。俺の『お助け妖精』は有能だ」
「……今日も色々おまかせあれ~」
そう言って肩の上に腰を下ろしたコパンに、俺は「頼りにしてます」と言って笑った。
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