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三章 進め進め
81 コッコ
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「なななななななんだ⁉」
「ヒナの親です! コッコです!」
「コ、コッコ?」
「結構気性の荒い鳥の魔物です。あ、結界に弾かれたのにまた攻撃してきた! アラタ様、森から出てください!」
「え? も、森⁉」
どうやら俺はニワトリのような魔物に攻撃を受けているようだった。道なのにって思ったけど、こけていたヒナに手を伸ばしてうっかり森に入っていたんだな。
コパンの防御があるから、直接的な被害はないんだけど、飛び乗られた感じとか、蹴りやつつきを弾いた衝撃みたいなものは一応あるんだ。まぁ、痛かったり倒れてしまうような衝撃ではないけど。
でもコッコという魔物がヒナに手を出されてものすごく怒っているのは分かった。
「まままま待ってくれ! 俺はヒナを捕まえようとしていたんじゃない! この子がこけて列から遅れそうなっていたからちょっと手を出してしまっただけなんだ!」
まさか魔物に言い訳をする日が来るなんて思ってもみなかったよ。
そしてもちろん、怒っているコッコがそれを理解してくれるわけもなかった。
俺は頭の上に羽をバサバサとさせながら止まろうとしている大型のニワトリもどきを振り払って道に戻った。
どうやらコッコは道には出られないらしい。
だけど、その雛は道に出られた。道は動物とか、魔物とかの区別でなく、ただ単に強い、弱いっていう基準なのかな。だとしたら俺は強くなっていったら道を歩けなくなるのかな。後でコパンに聞いてみよう。
そんな事を考えながらちょっと現実逃避していたんだけど、親鳥は俺を攻撃する事を諦めずに森の中から睨みつけている。
あ~、完全に敵認定されているな。無視して前に進んでもいいかな。
「………………」
そう思ってちょっとだけ前に進んでみた。なんか、とてもニワトリ系とは思えないような「ガルガル」という低い唸り声を出しながらコッコも前に進む。
「コパン…………これってずっと追いかけて来るのかな」
「コッコの生態は詳しくは分かりませんが、雛に手を出そうとした、ブラックスネークという自分よりも大きなヘビの魔物を倒したというのは聞いた事があります」
マジか。俺、魔法を使わなかったら、絶対にそのブラックスネークより弱いと思う。
でもこの親鳥相手に魔法を使うのも嫌なんだよな。だって、野生の子だって分かっていたのについ手を出しちゃったのはこっちだしさ。親としてみればやっぱり「うちの子に何すんだ!」っていう気持ちだよね。
「う~~~ん、話せるといいのになあ。コパン、ネズミの時みたいに話せない?」
「あのネズミは土精霊の加護があったのでどうにか……あ」
「うん?」
「アラタ様、ありますよ。土精霊の加護」
「え? えぇぇぇぇぇ」
もしかしてあの玉手箱的なやつかな。嫌なんだけど。開けて爺さんとかになったら本気で泣くけど。
「とりあえず出してみてください」
「………………」
俺はインベントリの中から渋々とネズミが寄越した小さな箱を取り出した。
「開けてみましょう」
「えぇぇぇぇぇぇぇ」
「土の精霊に年齢を操作するような力はありません。それに祝福でそんな呪いみたいな事もない筈です」
「…………コパンが」
「いえ、祝福をいただいたのはアラタ様です。アラタ様が開けないと意味がありません」
俺はがっくりとうなだれながら小さな箱に手をかけた。
「……何かあったら」
「嫌な感じはしませんよ。もしも何かあればすぐに【解呪】の魔法をかけます」
「! あるんだ! 解呪!」
「『お助け妖精』なので! おまかせあれ~~!」
それならもっと早く言ってくれよ~。じゃあ、開けてみるか。
そして俺は小さな箱をゆっくりと開いた。するとそこにはキラキラとしている水晶みたいだけど水晶とは違う、茶色というか、ああ、琥珀色? そんな色合いの石が入っていて、それをそっと手にした途端。
『なんだ、お前。土精霊様の祝福を受けているのか?』
うん?
『あら、じゃあうちの子に何かしようとしていたわけじゃないのね?」
…………げ、幻聴?
『おい、なんとか言え』
だ、誰に⁇
----------
「ヒナの親です! コッコです!」
「コ、コッコ?」
「結構気性の荒い鳥の魔物です。あ、結界に弾かれたのにまた攻撃してきた! アラタ様、森から出てください!」
「え? も、森⁉」
どうやら俺はニワトリのような魔物に攻撃を受けているようだった。道なのにって思ったけど、こけていたヒナに手を伸ばしてうっかり森に入っていたんだな。
コパンの防御があるから、直接的な被害はないんだけど、飛び乗られた感じとか、蹴りやつつきを弾いた衝撃みたいなものは一応あるんだ。まぁ、痛かったり倒れてしまうような衝撃ではないけど。
でもコッコという魔物がヒナに手を出されてものすごく怒っているのは分かった。
「まままま待ってくれ! 俺はヒナを捕まえようとしていたんじゃない! この子がこけて列から遅れそうなっていたからちょっと手を出してしまっただけなんだ!」
まさか魔物に言い訳をする日が来るなんて思ってもみなかったよ。
そしてもちろん、怒っているコッコがそれを理解してくれるわけもなかった。
俺は頭の上に羽をバサバサとさせながら止まろうとしている大型のニワトリもどきを振り払って道に戻った。
どうやらコッコは道には出られないらしい。
だけど、その雛は道に出られた。道は動物とか、魔物とかの区別でなく、ただ単に強い、弱いっていう基準なのかな。だとしたら俺は強くなっていったら道を歩けなくなるのかな。後でコパンに聞いてみよう。
そんな事を考えながらちょっと現実逃避していたんだけど、親鳥は俺を攻撃する事を諦めずに森の中から睨みつけている。
あ~、完全に敵認定されているな。無視して前に進んでもいいかな。
「………………」
そう思ってちょっとだけ前に進んでみた。なんか、とてもニワトリ系とは思えないような「ガルガル」という低い唸り声を出しながらコッコも前に進む。
「コパン…………これってずっと追いかけて来るのかな」
「コッコの生態は詳しくは分かりませんが、雛に手を出そうとした、ブラックスネークという自分よりも大きなヘビの魔物を倒したというのは聞いた事があります」
マジか。俺、魔法を使わなかったら、絶対にそのブラックスネークより弱いと思う。
でもこの親鳥相手に魔法を使うのも嫌なんだよな。だって、野生の子だって分かっていたのについ手を出しちゃったのはこっちだしさ。親としてみればやっぱり「うちの子に何すんだ!」っていう気持ちだよね。
「う~~~ん、話せるといいのになあ。コパン、ネズミの時みたいに話せない?」
「あのネズミは土精霊の加護があったのでどうにか……あ」
「うん?」
「アラタ様、ありますよ。土精霊の加護」
「え? えぇぇぇぇぇ」
もしかしてあの玉手箱的なやつかな。嫌なんだけど。開けて爺さんとかになったら本気で泣くけど。
「とりあえず出してみてください」
「………………」
俺はインベントリの中から渋々とネズミが寄越した小さな箱を取り出した。
「開けてみましょう」
「えぇぇぇぇぇぇぇ」
「土の精霊に年齢を操作するような力はありません。それに祝福でそんな呪いみたいな事もない筈です」
「…………コパンが」
「いえ、祝福をいただいたのはアラタ様です。アラタ様が開けないと意味がありません」
俺はがっくりとうなだれながら小さな箱に手をかけた。
「……何かあったら」
「嫌な感じはしませんよ。もしも何かあればすぐに【解呪】の魔法をかけます」
「! あるんだ! 解呪!」
「『お助け妖精』なので! おまかせあれ~~!」
それならもっと早く言ってくれよ~。じゃあ、開けてみるか。
そして俺は小さな箱をゆっくりと開いた。するとそこにはキラキラとしている水晶みたいだけど水晶とは違う、茶色というか、ああ、琥珀色? そんな色合いの石が入っていて、それをそっと手にした途端。
『なんだ、お前。土精霊様の祝福を受けているのか?』
うん?
『あら、じゃあうちの子に何かしようとしていたわけじゃないのね?」
…………げ、幻聴?
『おい、なんとか言え』
だ、誰に⁇
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