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第四章 森の終わり
110 風の精霊 アウラ
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とりあえず二人をなだめて俺は森を出た。ここにいてシルバースパイダーとかいう蜘蛛の魔物がやってきたら俺のメンタルがヤバい事になるし、なんとなくビーフの魔物もサンダーシープも今日は会えないような気がしたからだ。
それに精霊が蜘蛛の巣に引っかかっていたというのも気になる。
いやちょっと昼寝をしたらミミズがとんでもない事になっていたっていう精霊もいただけどさ。
「森の中だと魔物が出てくる可能性があるから道端で悪いけど、どうしてあんな事になっていたのか聞いてもいいかな」
俺がそう言うと精霊はハッとしたような顔をしてぺこりと頭を下げた。
「すみません。自己紹介もせずに失礼いたしました。改めて助けていただきましてありがとうございました。私は風の精霊アウラ。風の上級精霊シルフィード様より、女神の森の東側の巡回を任されています」
シマエナガだった風の精霊はアウラという名前だったようだ。
それにしてもこの森は姿も現さずに縁を結んできた土の精霊や、とても自由でどこか憎めない水の精霊リヴィエール、そして淡い淡い金色の髪にミントブルーの瞳を持った天使のような白い羽をはやしている風の精霊アウラ。まさかこんなにも色々な精霊と縁があるとは思わなかったよ。
「丁寧な挨拶をありがとうございます。俺はアラタ・ヤゴウチ」
「異世界の転生者ですね」
「分かるのか?」
「ええ、『お助け妖精』が一緒にいますし、普通の人間ではこの森で暮らす事は出来ませんから」
「そそそそうなの?」
俺が驚いてそう言うと、アウラは小さく笑って再び口を開いた。
「私の話をする前に私の知っている事をお話した方が良さそうね。貴方には情報が必要なようですから」
そう言われて俺は「お願いします」と口にした。するとコパンの表情が曇ったのが分かった。
「コパン、コパンの情報はいつもすごく役立っているよ。だけど色々な情報があった方がいいと思うんだ。」
「……はい」
「これからの事を考えるとやっぱり情報は多い方がいい。知ったそれでまた新しく考える事が出来るかもしれないだろう? その時にはまたコパン先生にもお願いしたいな」
「分かりました! 私も色々とお役に立てるようにしっかりと聞きます!」
俺たちのやりとりを聞いてからアウラはゆっくりと口を開いた。
「ではまずはこの森について。貴方も知っていると思うけれど、この森は外の国からは『深層の森』あるいは『神の森』とも言われていて、ものすごく強い魔物が棲んでいると思われているの。でも強い魔物は神気が弱くなってくる外周の方にいて、中央に行くほど穏やかになるんだけど、それはほとんど知られていないと思う。そこまで行かれる者もいないしね。だから中央に近い所に居られるのは女神様が落とした転生者位ね」
これはコパンから聞いた事とほぼ同じだ。でも……
「……もしかして、転生者は皆この森に落とされるのかな」
「いいえ、多分ほんの一部だと思うわよ。私も実際転生者に合うのは貴方が三人目だもの」
「そうなんだ……」
俺の他に少なくとも二人が森に落とされた事があるのか。
「『お助け妖精』から聞いているかもしれないけど、こちらに転生する者はほとんどが赤子からの転生になるから森の中になって落とせないでしょう?」
「確かに…………」
そういえばコパンも最初の頃にそんな事を言っていた。俺は特殊なケースで、『お助け妖精』は本来赤ん坊の頃から見守るものだって。
「……アラタ様は特別なのです。だからアラタ様はそれでいいのですよ。おかしな事ではありません。大丈夫ですよ」
心配そうに声をかけてくるコパンに俺は「分かっているよ」と答えた。
「そう。別に転生者の貴方がここにいる事はおかしくないわ。でもこの森を出ようとしているなら注意をしないといけない。だってこの森から出てくるような子供なんて普通はいないもの。そんなのはよほどの訳ありよ。外で暮らしたいと思うなら辻褄があるような話を用意しておいた方がいいわ。まぁ難しいと思うけど」
アウラは淡々とそう言った。前に会ったのがリヴィエールだったからか、とても落ち着いて見える。
「…………ちなみに誰にも見つからずに森の外に出る事は可能なのかな」
「そうねぇ。出入口はあるけど、他から出られない事もないと思う」
「! 出入口があるのか」
「あるわよ。それぞれの国が作った。でも出入口は比較的安全な所にあるのよ。一応中に入るための確認をしていたと思うわ。そこからなら少なくても森に入ってすぐに襲われるような事はないし、出てくるものも外周にしてはランクが低いの。でもそれ以外の所は、それなりに危険な魔物がいると思った方がいいかも」
ああ、そういう事なのかって思った。多分出入口は俺達がセーフティゾーンと呼んでいるような魔物が近づけないようなところなのかもしれない。だからそこ以外の所から出ようとするなら高ランクの魔物との戦いが必然になって、それに勝たなければ出られないのか。う~~~~ん、なかなかハードだな。
「出入口以外の所は何かで封鎖されているの?」
「まさか! そんな事は出来ないわよ。この森がどれだけ大きいと思う? それにそんな事をしなくても高ランクの魔物たちは森の中からは出てこない」
「出てこない? 森から?」
「そうよ、女神様がそう決めているの。だから森と共存出来るのよ」
「共存?」
「そう。だってそうでなければ恐ろしくて仕方ないでしょう? 高ランクの魔物がわんさかいるような森と地続きなんだもの。でも森から外周の魔物が溢れる事はないと女神が決めた。そしてその中に入る事も止められてはいない。森には貴重な素材があって高額なお金を稼げる。ダンジョンとはまた違うけれど、腕のある冒険者たちがはそれを目当てに森に入る。それぞれの国もそれを認めている。勿論彼らが生きて戻ってこられるかはあくまでも自己責任だけどね」
「自己責任か」
「そう。ダンジョンもそうでしょう。入るのは自己責任。でも森は最初から高ランクの魔物がいるのは確かだから、それぞれの国もランクが上の者しか入れないようになっていると思うわよ。だってそうしなければそれを悪用する者だって出てくるでしょう?」
「…………始末したい奴を森に連れていくとか?」
「そうね」
「…………なるほど」
貴重な素材を手に入れられるけれど、それなりにリスクのある場所であり、女神が管理している神聖な場所でもあるんだな。そうか、そう考えるとやっぱり森の中からひょっこり出ていくというのはまずいのか。う~~ん。何か考えないといけないな。
俺がそう思って言うと隣で聞いていたコパンもうんうんと頷いていた。
それにしても精霊って随分違いがあるものなんだな。こんな風に色々と教えてもらえるなんて思ってもみなかった。それともこれからの話で「ああ、やっぱり残念」とかなるのかな。
「あの方が特別なのかもしれませんね」
どうやらまた伝わってしまった思考に俺たちは顔を見合わせて笑った。
-------------
アウラさんは高評価(笑)
それに精霊が蜘蛛の巣に引っかかっていたというのも気になる。
いやちょっと昼寝をしたらミミズがとんでもない事になっていたっていう精霊もいただけどさ。
「森の中だと魔物が出てくる可能性があるから道端で悪いけど、どうしてあんな事になっていたのか聞いてもいいかな」
俺がそう言うと精霊はハッとしたような顔をしてぺこりと頭を下げた。
「すみません。自己紹介もせずに失礼いたしました。改めて助けていただきましてありがとうございました。私は風の精霊アウラ。風の上級精霊シルフィード様より、女神の森の東側の巡回を任されています」
シマエナガだった風の精霊はアウラという名前だったようだ。
それにしてもこの森は姿も現さずに縁を結んできた土の精霊や、とても自由でどこか憎めない水の精霊リヴィエール、そして淡い淡い金色の髪にミントブルーの瞳を持った天使のような白い羽をはやしている風の精霊アウラ。まさかこんなにも色々な精霊と縁があるとは思わなかったよ。
「丁寧な挨拶をありがとうございます。俺はアラタ・ヤゴウチ」
「異世界の転生者ですね」
「分かるのか?」
「ええ、『お助け妖精』が一緒にいますし、普通の人間ではこの森で暮らす事は出来ませんから」
「そそそそうなの?」
俺が驚いてそう言うと、アウラは小さく笑って再び口を開いた。
「私の話をする前に私の知っている事をお話した方が良さそうね。貴方には情報が必要なようですから」
そう言われて俺は「お願いします」と口にした。するとコパンの表情が曇ったのが分かった。
「コパン、コパンの情報はいつもすごく役立っているよ。だけど色々な情報があった方がいいと思うんだ。」
「……はい」
「これからの事を考えるとやっぱり情報は多い方がいい。知ったそれでまた新しく考える事が出来るかもしれないだろう? その時にはまたコパン先生にもお願いしたいな」
「分かりました! 私も色々とお役に立てるようにしっかりと聞きます!」
俺たちのやりとりを聞いてからアウラはゆっくりと口を開いた。
「ではまずはこの森について。貴方も知っていると思うけれど、この森は外の国からは『深層の森』あるいは『神の森』とも言われていて、ものすごく強い魔物が棲んでいると思われているの。でも強い魔物は神気が弱くなってくる外周の方にいて、中央に行くほど穏やかになるんだけど、それはほとんど知られていないと思う。そこまで行かれる者もいないしね。だから中央に近い所に居られるのは女神様が落とした転生者位ね」
これはコパンから聞いた事とほぼ同じだ。でも……
「……もしかして、転生者は皆この森に落とされるのかな」
「いいえ、多分ほんの一部だと思うわよ。私も実際転生者に合うのは貴方が三人目だもの」
「そうなんだ……」
俺の他に少なくとも二人が森に落とされた事があるのか。
「『お助け妖精』から聞いているかもしれないけど、こちらに転生する者はほとんどが赤子からの転生になるから森の中になって落とせないでしょう?」
「確かに…………」
そういえばコパンも最初の頃にそんな事を言っていた。俺は特殊なケースで、『お助け妖精』は本来赤ん坊の頃から見守るものだって。
「……アラタ様は特別なのです。だからアラタ様はそれでいいのですよ。おかしな事ではありません。大丈夫ですよ」
心配そうに声をかけてくるコパンに俺は「分かっているよ」と答えた。
「そう。別に転生者の貴方がここにいる事はおかしくないわ。でもこの森を出ようとしているなら注意をしないといけない。だってこの森から出てくるような子供なんて普通はいないもの。そんなのはよほどの訳ありよ。外で暮らしたいと思うなら辻褄があるような話を用意しておいた方がいいわ。まぁ難しいと思うけど」
アウラは淡々とそう言った。前に会ったのがリヴィエールだったからか、とても落ち着いて見える。
「…………ちなみに誰にも見つからずに森の外に出る事は可能なのかな」
「そうねぇ。出入口はあるけど、他から出られない事もないと思う」
「! 出入口があるのか」
「あるわよ。それぞれの国が作った。でも出入口は比較的安全な所にあるのよ。一応中に入るための確認をしていたと思うわ。そこからなら少なくても森に入ってすぐに襲われるような事はないし、出てくるものも外周にしてはランクが低いの。でもそれ以外の所は、それなりに危険な魔物がいると思った方がいいかも」
ああ、そういう事なのかって思った。多分出入口は俺達がセーフティゾーンと呼んでいるような魔物が近づけないようなところなのかもしれない。だからそこ以外の所から出ようとするなら高ランクの魔物との戦いが必然になって、それに勝たなければ出られないのか。う~~~~ん、なかなかハードだな。
「出入口以外の所は何かで封鎖されているの?」
「まさか! そんな事は出来ないわよ。この森がどれだけ大きいと思う? それにそんな事をしなくても高ランクの魔物たちは森の中からは出てこない」
「出てこない? 森から?」
「そうよ、女神様がそう決めているの。だから森と共存出来るのよ」
「共存?」
「そう。だってそうでなければ恐ろしくて仕方ないでしょう? 高ランクの魔物がわんさかいるような森と地続きなんだもの。でも森から外周の魔物が溢れる事はないと女神が決めた。そしてその中に入る事も止められてはいない。森には貴重な素材があって高額なお金を稼げる。ダンジョンとはまた違うけれど、腕のある冒険者たちがはそれを目当てに森に入る。それぞれの国もそれを認めている。勿論彼らが生きて戻ってこられるかはあくまでも自己責任だけどね」
「自己責任か」
「そう。ダンジョンもそうでしょう。入るのは自己責任。でも森は最初から高ランクの魔物がいるのは確かだから、それぞれの国もランクが上の者しか入れないようになっていると思うわよ。だってそうしなければそれを悪用する者だって出てくるでしょう?」
「…………始末したい奴を森に連れていくとか?」
「そうね」
「…………なるほど」
貴重な素材を手に入れられるけれど、それなりにリスクのある場所であり、女神が管理している神聖な場所でもあるんだな。そうか、そう考えるとやっぱり森の中からひょっこり出ていくというのはまずいのか。う~~ん。何か考えないといけないな。
俺がそう思って言うと隣で聞いていたコパンもうんうんと頷いていた。
それにしても精霊って随分違いがあるものなんだな。こんな風に色々と教えてもらえるなんて思ってもみなかった。それともこれからの話で「ああ、やっぱり残念」とかなるのかな。
「あの方が特別なのかもしれませんね」
どうやらまた伝わってしまった思考に俺たちは顔を見合わせて笑った。
-------------
アウラさんは高評価(笑)
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