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第9章 幸せになります
346. やっぱりパーティだよね
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空間と空間を繋げた道が消えた事の報告はお祖父様とハワード先生がして下さる事になった。スティーブ君はそのままタウンハウスに戻るというので、僕はフィンレーに行って温室の手入れをしながら妖精たちが来ていればお礼をしたいと思った。
兄様は残っているお仕事があるのでお城の方に行くって言ったんだけど、僕が蜂蜜を買い足しに行くって言ったらそのお買い物は一緒に行きたいって。ふふふ、兄様とお買い物嬉しいな。
転移で来てしまったので、一度タウンハウスに転移で戻ってから馬車で出かけた。出かけるついでに平民街の方も通ってもらおう。もうほとんど元通りになったって聞いているけれど、見ておきたいって思ったんだ。それに居合わせた土魔法の使い手がどんな地下の避難場所を作ったのかも見せてもらえるなら見たいなって思った。
王都の街の中にそんなに魔物が湧き出すような事はないけれど、それでもいざとなったらっていう所があった方が安心できると思うし、作れるものなら、いくつか作ってもらえないか父様にも相談をしたい。
そんな事を思いながらまずは蜂蜜のお店に。
アカシアと百花は皆とレンゲは気に入っている子が多いから補充しておこう。それからリンゴの花の蜂蜜と、クローバーの蜂蜜も、あ、オレンジも。
「ふふふ、沢山買ってしまいました。ジャムのお店にも行きたいです。兄様は大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。エディと一緒に買い物が出来るのは楽しいよ」
「はい、僕も兄様と一緒のお買い物が出来るのは楽しいし嬉しいです。何だか冬祭りの出店を思い出します」
「ああ、そうだね。あれは楽しかったね」
「はい、また行きたいです」
「ふふふ、じゃあ、今年は父上に頼んでみよう」
「きっとハリー達も行きたいって言いますよ」
「ああ、じゃあ皆で行けばいい。そうすれば屋台の料理のシェアも出来る」
そんな話をしているうちにジャムを扱うお店に着いて、僕はまた沢山買い物をしてしまった。
それから平民街を通って、ほんの少しだけ避難場所を見せてもらって、そこに隠れていた人のお話しも聞く事が出来た。
「では兄様、僕はこれからフィンレーの方へ行ってきます。夕食はあちらで済ませてくる予定です」
「ああ、分かった。気を付けて。妖精たちにもありがとうと伝えてほしい」
「はい、兄様がジャムを沢山買って下さったと伝えておきます」
僕がそう言うと兄様は笑って馬車を降りた。
「エディ兄様!」
フィンレーに着くとハリーが走ってやってきた。
「ハリー慌てないで、転んだら大変だよ」
「大丈夫です! 木の目印を植えた後にこちらにいらっしゃるってお知らせがあったから待っていたんです。もう妖精たちは温室の方に来ているんですよ」
「そうなんだ。ふふふ、今日は沢山蜂蜜とジャムを買ってきたんだよ」
僕の言葉を聞いて、ハリーは「みんな喜びます」と笑った。
『えでぃ! おうさま、やくそくまもった!』
温室の中に入った途端、ティオの声が響いた。もうそこからはわちゃわちゃだった。リロイもセームルも飛びついてきて、お皿を並べている間に、何も入れていないお皿が転がっていくような状態だ。ピッチャーは宙を舞っている。ハリーは手伝いをしながら笑い出してしまっていた。僕には3人しか姿は見えないけれど、何となく温室の中がキラキラしているのは分かった。
きっと妖精王がちゃんと約束を守ってお礼をしたっていうのが、皆もう分かっているんだよね。
「待って、待って、すぐに蜂蜜を入れるよ! 並べたお皿を持って行かないで」
「蜂蜜もジャムも沢山あるからね。エディ兄様とアル兄様が買ってきてくださったんだよ」
ティオとリロイとセームルが僕の側で蜂蜜の小皿を抱えながら笑っている。
ああ、良かった。こんな風に皆とお祝が出来て良かった。
『えでぃ、だいすき~‼』
「ふふふ、僕もティオが大好き!」
その日もう二人僕と契約をしてくれた子が増えた。
小さくて紫色の髪のラム。リロイ達よりももう少しだけ大きくて黒髪が綺麗なジット。
妖精たちとのパーティは綺麗な夕焼けの時間まで続いた。
そしてハリーはニコニコ笑いながら「やっぱりエディ兄様はすごいです」って言っていた。
-----------------
ごごごごごめんなさい。短い。
兄様は残っているお仕事があるのでお城の方に行くって言ったんだけど、僕が蜂蜜を買い足しに行くって言ったらそのお買い物は一緒に行きたいって。ふふふ、兄様とお買い物嬉しいな。
転移で来てしまったので、一度タウンハウスに転移で戻ってから馬車で出かけた。出かけるついでに平民街の方も通ってもらおう。もうほとんど元通りになったって聞いているけれど、見ておきたいって思ったんだ。それに居合わせた土魔法の使い手がどんな地下の避難場所を作ったのかも見せてもらえるなら見たいなって思った。
王都の街の中にそんなに魔物が湧き出すような事はないけれど、それでもいざとなったらっていう所があった方が安心できると思うし、作れるものなら、いくつか作ってもらえないか父様にも相談をしたい。
そんな事を思いながらまずは蜂蜜のお店に。
アカシアと百花は皆とレンゲは気に入っている子が多いから補充しておこう。それからリンゴの花の蜂蜜と、クローバーの蜂蜜も、あ、オレンジも。
「ふふふ、沢山買ってしまいました。ジャムのお店にも行きたいです。兄様は大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。エディと一緒に買い物が出来るのは楽しいよ」
「はい、僕も兄様と一緒のお買い物が出来るのは楽しいし嬉しいです。何だか冬祭りの出店を思い出します」
「ああ、そうだね。あれは楽しかったね」
「はい、また行きたいです」
「ふふふ、じゃあ、今年は父上に頼んでみよう」
「きっとハリー達も行きたいって言いますよ」
「ああ、じゃあ皆で行けばいい。そうすれば屋台の料理のシェアも出来る」
そんな話をしているうちにジャムを扱うお店に着いて、僕はまた沢山買い物をしてしまった。
それから平民街を通って、ほんの少しだけ避難場所を見せてもらって、そこに隠れていた人のお話しも聞く事が出来た。
「では兄様、僕はこれからフィンレーの方へ行ってきます。夕食はあちらで済ませてくる予定です」
「ああ、分かった。気を付けて。妖精たちにもありがとうと伝えてほしい」
「はい、兄様がジャムを沢山買って下さったと伝えておきます」
僕がそう言うと兄様は笑って馬車を降りた。
「エディ兄様!」
フィンレーに着くとハリーが走ってやってきた。
「ハリー慌てないで、転んだら大変だよ」
「大丈夫です! 木の目印を植えた後にこちらにいらっしゃるってお知らせがあったから待っていたんです。もう妖精たちは温室の方に来ているんですよ」
「そうなんだ。ふふふ、今日は沢山蜂蜜とジャムを買ってきたんだよ」
僕の言葉を聞いて、ハリーは「みんな喜びます」と笑った。
『えでぃ! おうさま、やくそくまもった!』
温室の中に入った途端、ティオの声が響いた。もうそこからはわちゃわちゃだった。リロイもセームルも飛びついてきて、お皿を並べている間に、何も入れていないお皿が転がっていくような状態だ。ピッチャーは宙を舞っている。ハリーは手伝いをしながら笑い出してしまっていた。僕には3人しか姿は見えないけれど、何となく温室の中がキラキラしているのは分かった。
きっと妖精王がちゃんと約束を守ってお礼をしたっていうのが、皆もう分かっているんだよね。
「待って、待って、すぐに蜂蜜を入れるよ! 並べたお皿を持って行かないで」
「蜂蜜もジャムも沢山あるからね。エディ兄様とアル兄様が買ってきてくださったんだよ」
ティオとリロイとセームルが僕の側で蜂蜜の小皿を抱えながら笑っている。
ああ、良かった。こんな風に皆とお祝が出来て良かった。
『えでぃ、だいすき~‼』
「ふふふ、僕もティオが大好き!」
その日もう二人僕と契約をしてくれた子が増えた。
小さくて紫色の髪のラム。リロイ達よりももう少しだけ大きくて黒髪が綺麗なジット。
妖精たちとのパーティは綺麗な夕焼けの時間まで続いた。
そしてハリーはニコニコ笑いながら「やっぱりエディ兄様はすごいです」って言っていた。
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ごごごごごめんなさい。短い。
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