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第9章 幸せになります
391. 話し合い
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『一度きちんと話をしないか』
父からの書簡にマーティンは溜息を落とした。分かっているのだ。先日親友のダニエルからも声をかけられた。他人の世話などを焼く男ではないので、それなりに心配をして気にしてくれていたのだろう。
さすがに自分でもまずいと思うのだ。兄であるアシュトンは次期当主の座を降りると言ってフィンレー公爵領に行ってしまった。弟のミッチェルは学園の卒業と同時にグリーンベリー伯爵領で役人として働くと言い、学園以外時間が出来ると伯爵領に押しかけているようだ。
そして自分は、入るつもりもなかった王国の魔導騎士団に入り、空きのあった魔導騎士団寮に入った。最初のうちこそ色々と面倒な事があったが、2週間もする頃にはマーティンに仕事以外で近寄ろうとする者は居なくなった。
顔立ちはどちらかと言えば母に似ている方なので、そう言った対象になるというのは分かっているが、手を出していいのかどうかはきちんと判断をしてほしいと思う。
「殺さなかっただけ感謝をしてほしい」そう言い切ったレイモンド家の次男に魔導騎士団長は苦笑いをして、今後の団員の正しい教育を約束したのだった。
「……こんな性格の人間が領を治められるわけがないだろう」
眉間に皺を寄せたままマーティンはポツリを声を漏らした。
来月になれば親友のアルフレッドの結婚式がある。式には勿論出席をするが、付き合いが長いので家族で招待をされている。アルフレッドが大切に大切に守って寄り添ってきたエドワードとの結婚式で醜態を晒すわけにはいかない。
「…………大魔導師の称号なんて欲しくない」
淡いブルーグリーンの瞳を眇めて、零した言葉は誰も聞く事はなかった。
-*-*-*-
その日、レイモンド家には三人の兄弟と当主であるケネス、そして普段は決して話し合いなどには立ち会う事のないケネスの妻、ロザンヌもいて兄弟たちを驚かせた。
「陞爵から一年以上経った。一度きちんと話をしたいと思って集まってもらった。まずはそれぞれの気持ちを改めて聞きたい。ただし、それぞれの意見を言っている間に口を挟む事はなしだ」
ケネスが口を開くとアシュトンが「では私から」と声を出した。
「私は嫡男として生まれ、六歳の魔法鑑定から属性を増やす事、魔力量を増やす事などレイモンドの跡取りとして自分を磨き続けてきました。他人がどう言っても気にしないように。そして魔力の少なさを補うよう剣の腕も磨いてきたつもりです。ですが、王国内で『首』に関する禍が多く起きる中で、土魔法の使い手として有名なカルロス様と出会い、この方を師として仕えていきたいと思うようになりました。私は火と土、そして今は水魔法もいくつかを取得いたしました。しかし、ここまででした。身体がこれ以上の魔力を扱うのは難しいと伝えてきます。私には、残念ながら【大魔導師の称号】は現れないでしょう」
「私も顕出はしておりません」
「マーティン、発言は控えなさい」
「…………」
父の言葉にマーティンは表情を変えないまま口を噤んだ。
「続けます。ですので、以前より何度か申し上げている通り、次期当主の座をマーティンに譲り、私は家を出たいと思っています。ご期待に沿えず申し訳ございません」
頭を下げるアシュトンにケネスは苦い表情を浮かべながら「アシュトンの気持ちは分かった。だが、それを認めるかどうかはまだこれからの話し合いだ。いいな。ではマーティン。話したい事があればここできちんと話をしなさい」
父の言葉を聞いてマーティンはゆっくりと口を開いた。
「兄上の話は認められません。このレイモンド家の嫡男は兄上です。魔法量や属性などは無意味だ。今回、父上は首の討伐や封印などで当主として戦いに出られた。けれどこれは世界バランスの崩壊という『首』による禍が引き起こしたものです。その『首』もすべて封印が強化された。王国内の禍は目に見えて消えている。とすればこれからレイモンドに求められるのは魔力量や魔法属性の多さではなく、領主としての資質です。幼い頃から嫡男としての教育を受けてきた兄上が継ぐ事が正しい。私には領を治めていく領主の器はありません。兄上がレイモンドを継ぐ事になれば、私は喜んでレイモンドの魔導騎士団に入り、レイモンドの盾となり剣となります。大体私は一切当主教育は受けておりませんので」
「なっ……!」
「アシュトン、発言は控えなさい」
「…………」
「ミッチェル、何か話したい事があれば話しなさい」
ケネスはまた一つ息をつき、末席でただただ成り行きを見つめていた末っ子に声をかけた。
「は、はい。ぼ、私は、三男ですので、幼い頃から家は出ていくものと思っていました。勿論何かあった折にはレイモンドの助けになるように力を尽くしたいと思っていました。私の魔力量は……この家で一番少なくて、何も頼りにはなれないかもしれませんが、でも、仲良く、過ごしていきたいと思っています。私は、皆が大好きなので、仲が悪くなるような事や、お会いできなくなってしまう様な事は嫌です。なのでどうすればいいのか最善を考えていただければいいなと思っています」
ミッチェルがそう言うと部屋の中は一瞬シンと静まり返った。そしてそれを破ったのはマーティンだった。
「大魔導師の称号なんて関係ない。私には領を束ねていく器量はない。それは自分自身が一番良く分かっている」
「これから学べばいいだろう。私のように魔力量に伸びしろがない者よりはマシだ。それに、ただ嫡男と言うだけで当主に収まったと言われるのは沢山だ。出来損ないの嫡男から出来損ないの当主になるのだけは」
「言わせなければいい」
「人の口に戸は立てられない! それは幼い時から言われ続けてきた者にしか分からない。称号を持つ者を差し置いて当主の座に固執するような真似だけは、それくらいの矜持は認めてほしい」
「私にだって今現在称号はない!」
「私には現れる筈がない! 四属性に光魔法までを使えるお前にその気持ちは分からない! 称号が無くても領主の資質があるなんて、誰が思うんだ! レイモンドは大魔導師の出る家だ。称号を得たものが当主になるのが正しい」
「そんな事を誰が決めたんですか?」
激しく言い合いを始めてしまった二人に、ケネスはこめかみを押え、ミッチェルは顔を強張らせてそのやり取りをただ見つめていた。
そして……。
「では、潰しておしまいなさい」
良く通る声が部屋の中に響いた。
「私の生んだ子供たちはこの家を守るつもりはないようです。やる気のない者が上に立つなど領民たちにも仕えている者達にも不幸でしかありません。旦那様がお亡くなりになりましたら、レイモンドの家を閉じてしまえば良いのです。全ての爵位を返上し、自分たちの好きなように生きて行けばよいのでしょう。覚悟さえあれば簡単な事です」
「母様……」
部屋の中に泣き出しそうなミッチェルの声が響いた。
-------------
収まらなかった。もう一話続きます。レイモンド(;^ω^)
父からの書簡にマーティンは溜息を落とした。分かっているのだ。先日親友のダニエルからも声をかけられた。他人の世話などを焼く男ではないので、それなりに心配をして気にしてくれていたのだろう。
さすがに自分でもまずいと思うのだ。兄であるアシュトンは次期当主の座を降りると言ってフィンレー公爵領に行ってしまった。弟のミッチェルは学園の卒業と同時にグリーンベリー伯爵領で役人として働くと言い、学園以外時間が出来ると伯爵領に押しかけているようだ。
そして自分は、入るつもりもなかった王国の魔導騎士団に入り、空きのあった魔導騎士団寮に入った。最初のうちこそ色々と面倒な事があったが、2週間もする頃にはマーティンに仕事以外で近寄ろうとする者は居なくなった。
顔立ちはどちらかと言えば母に似ている方なので、そう言った対象になるというのは分かっているが、手を出していいのかどうかはきちんと判断をしてほしいと思う。
「殺さなかっただけ感謝をしてほしい」そう言い切ったレイモンド家の次男に魔導騎士団長は苦笑いをして、今後の団員の正しい教育を約束したのだった。
「……こんな性格の人間が領を治められるわけがないだろう」
眉間に皺を寄せたままマーティンはポツリを声を漏らした。
来月になれば親友のアルフレッドの結婚式がある。式には勿論出席をするが、付き合いが長いので家族で招待をされている。アルフレッドが大切に大切に守って寄り添ってきたエドワードとの結婚式で醜態を晒すわけにはいかない。
「…………大魔導師の称号なんて欲しくない」
淡いブルーグリーンの瞳を眇めて、零した言葉は誰も聞く事はなかった。
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その日、レイモンド家には三人の兄弟と当主であるケネス、そして普段は決して話し合いなどには立ち会う事のないケネスの妻、ロザンヌもいて兄弟たちを驚かせた。
「陞爵から一年以上経った。一度きちんと話をしたいと思って集まってもらった。まずはそれぞれの気持ちを改めて聞きたい。ただし、それぞれの意見を言っている間に口を挟む事はなしだ」
ケネスが口を開くとアシュトンが「では私から」と声を出した。
「私は嫡男として生まれ、六歳の魔法鑑定から属性を増やす事、魔力量を増やす事などレイモンドの跡取りとして自分を磨き続けてきました。他人がどう言っても気にしないように。そして魔力の少なさを補うよう剣の腕も磨いてきたつもりです。ですが、王国内で『首』に関する禍が多く起きる中で、土魔法の使い手として有名なカルロス様と出会い、この方を師として仕えていきたいと思うようになりました。私は火と土、そして今は水魔法もいくつかを取得いたしました。しかし、ここまででした。身体がこれ以上の魔力を扱うのは難しいと伝えてきます。私には、残念ながら【大魔導師の称号】は現れないでしょう」
「私も顕出はしておりません」
「マーティン、発言は控えなさい」
「…………」
父の言葉にマーティンは表情を変えないまま口を噤んだ。
「続けます。ですので、以前より何度か申し上げている通り、次期当主の座をマーティンに譲り、私は家を出たいと思っています。ご期待に沿えず申し訳ございません」
頭を下げるアシュトンにケネスは苦い表情を浮かべながら「アシュトンの気持ちは分かった。だが、それを認めるかどうかはまだこれからの話し合いだ。いいな。ではマーティン。話したい事があればここできちんと話をしなさい」
父の言葉を聞いてマーティンはゆっくりと口を開いた。
「兄上の話は認められません。このレイモンド家の嫡男は兄上です。魔法量や属性などは無意味だ。今回、父上は首の討伐や封印などで当主として戦いに出られた。けれどこれは世界バランスの崩壊という『首』による禍が引き起こしたものです。その『首』もすべて封印が強化された。王国内の禍は目に見えて消えている。とすればこれからレイモンドに求められるのは魔力量や魔法属性の多さではなく、領主としての資質です。幼い頃から嫡男としての教育を受けてきた兄上が継ぐ事が正しい。私には領を治めていく領主の器はありません。兄上がレイモンドを継ぐ事になれば、私は喜んでレイモンドの魔導騎士団に入り、レイモンドの盾となり剣となります。大体私は一切当主教育は受けておりませんので」
「なっ……!」
「アシュトン、発言は控えなさい」
「…………」
「ミッチェル、何か話したい事があれば話しなさい」
ケネスはまた一つ息をつき、末席でただただ成り行きを見つめていた末っ子に声をかけた。
「は、はい。ぼ、私は、三男ですので、幼い頃から家は出ていくものと思っていました。勿論何かあった折にはレイモンドの助けになるように力を尽くしたいと思っていました。私の魔力量は……この家で一番少なくて、何も頼りにはなれないかもしれませんが、でも、仲良く、過ごしていきたいと思っています。私は、皆が大好きなので、仲が悪くなるような事や、お会いできなくなってしまう様な事は嫌です。なのでどうすればいいのか最善を考えていただければいいなと思っています」
ミッチェルがそう言うと部屋の中は一瞬シンと静まり返った。そしてそれを破ったのはマーティンだった。
「大魔導師の称号なんて関係ない。私には領を束ねていく器量はない。それは自分自身が一番良く分かっている」
「これから学べばいいだろう。私のように魔力量に伸びしろがない者よりはマシだ。それに、ただ嫡男と言うだけで当主に収まったと言われるのは沢山だ。出来損ないの嫡男から出来損ないの当主になるのだけは」
「言わせなければいい」
「人の口に戸は立てられない! それは幼い時から言われ続けてきた者にしか分からない。称号を持つ者を差し置いて当主の座に固執するような真似だけは、それくらいの矜持は認めてほしい」
「私にだって今現在称号はない!」
「私には現れる筈がない! 四属性に光魔法までを使えるお前にその気持ちは分からない! 称号が無くても領主の資質があるなんて、誰が思うんだ! レイモンドは大魔導師の出る家だ。称号を得たものが当主になるのが正しい」
「そんな事を誰が決めたんですか?」
激しく言い合いを始めてしまった二人に、ケネスはこめかみを押え、ミッチェルは顔を強張らせてそのやり取りをただ見つめていた。
そして……。
「では、潰しておしまいなさい」
良く通る声が部屋の中に響いた。
「私の生んだ子供たちはこの家を守るつもりはないようです。やる気のない者が上に立つなど領民たちにも仕えている者達にも不幸でしかありません。旦那様がお亡くなりになりましたら、レイモンドの家を閉じてしまえば良いのです。全ての爵位を返上し、自分たちの好きなように生きて行けばよいのでしょう。覚悟さえあれば簡単な事です」
「母様……」
部屋の中に泣き出しそうなミッチェルの声が響いた。
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収まらなかった。もう一話続きます。レイモンド(;^ω^)
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―――
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